17歳のごく普通な女子高校生の朝霧陽子には、一途に憧れ続けている男子がいた。陽子は想いを告げられぬままの1年5か月に決着を付けるべく、自らの想いを込めたピアノ曲を完成させてカセットテープに録音すると、ヘッドホンステレオでそれを聴きながら、いつもすれ違うだけだった並木道で彼に声を掛けようとするが、結局声を掛けられないないまますれ違い、肩を落とす。すると次の瞬間、陽子は突然異様な空間へ飛ばされてしまう。
そこは異次元世界「アシャンティ」で、陽子は「レダのハート」を狙う総統のゼルによって引き込まれたのだった。見知らぬ生き物が徘徊する森の中、陽子は世界を旅する犬のリンガムと出会い、自分が異世界へ来たことを知る。もとの世界へ帰りたいと願う陽子は、蜃気楼に見えている世界が自身の世界である事やリンガムの推測もあり自作の曲が帰るためのカギであることに気付くが、いきなり襲いかかってきたゼルの兵士たちによってヘッドホンステレオを奪われ、命まで狙われる。
追い詰められてしまった陽子は、巨大な花の中で鎧をまとった素肌の露な戦士へと変貌する。別人のような身のこなしで剣を振るって機械兵を倒したうえ、逃走する兵士たちをステードで猛追するが、ヘッドホンステレオを取り返すことはできなかった。ステードを失った陽子は、巨大ロボットで偵察ユニットと戦う「レダの巫女」のヨニと出会う。
ヨニからこの世界の成り立ちやゼルの野望を知らされ、さらに自らこそが世界を救う「レダの戦士」であると告げられた陽子は戸惑いながらも、あの曲がレダによって送られたレダのハートそのものであり、ゼルの野望が「ノア」と呼ばれる自らの世界の征服であることを知って戦う決意を固め、神殿の地下に眠る「レダの翼」を覚醒させる。
一方、レダのハートを入手したものの制御しきれず苛立ちを深めていたゼルは、陽子発見の報告を受けて彼女を利用しようと企む。
女子高生が異世界「アシャンティ」に召喚され、ビキニアーマーをつけたレダの戦士に変身。自分の世界へ還るために、敵と戦う。そんなお話なのですが、描写は若干のファンタジー味があるものの、基本はSF。かつてあった超超高度な文明が滅びた後の世界のお話。発掘兵器である「レダの翼」なる飛行機は変形してロボット「レダの鎧」になりますし、敵が使っている浮遊要塞も同様に発掘兵器。私の好物です。おいしくいただきました。
普通の女子高生である朝霧陽子がしっかりしすぎてる気がしましたけど、ほとんどがレダの戦士に変身してからの描写なので、レダ・パワーのせいもあるのかな。
現代の深夜アニメに続く初期OVAの秀作。たいへんけっこうなものであります。
OVAが出た当時、高くてみられなかったので、Amazon Prime Videoに並んだタイミングで視聴。いのまたむつみのキャラクターデザイン。異世界転生/転移もののはしりか。もうすこし掘り下げても良い内容だけれど、長さの制限とかあるだろうから限界かな。
ビキニアーマーのファンタジーかと思いきやSFだった。絵のクオリティは高いがラスボスの必殺技が実質エロ催眠なのは笑ってしまうね。