昔々、遠く遥けき地に二つの国ありて――。
世界は「内」と「外」に分断、
呪いをもたらす異形が棲まう地は“外つ国”と呼ばれ、
人々から恐れられていた。
ある日、人住まう地“内つ国”との国境で
一体の異形が打ち捨てられた 死体の中から一人の少女を拾う。
少女は自らを「シーヴァ」と名乗り、
自身を拾った異形を「せんせ」と慕った。
相容れぬ者同士が出会ったのち紡がれる、
密やかな調べ――。
これは朝と夜、その宵に佇む、ふたりの為の物語。
絵本のような作品。
せんせとシーヴァの距離感がが愛おしいが、逆に悲しい。
クラウドファンディングで実現した作品らしいから、それだけいろんな人に愛されている作品だと思う。
せんせが自身が体験した喪失のトラウマからシーヴァの命を救おうと奔走するのだけどシーヴァの願いはせんせと花を愛でたいとか一緒にいたいとかいうささやかなものであったということとせんせが向き合う話と解釈したのだけど、まあそういう風に正解を求めるよりゆったり作品の雰囲気に浸かって楽しむのが正しいというような気もします。
海外のいわゆるアート・アニメ的な志向を上品に実現してて良かったです。世間的に大ヒットはしなさそうというものがクラウドファンディングに頼って制作出来たというのは良い時代なのか大手スタジオに多様性や体力がなくなったということなのかよく分からない。
独特の雰囲気!漫画とはまた違うが残酷な絵本という雰囲気がたまらない。しかしまさかこんな長編アニメになろうとは。クラウドファンディングで色々製作できる世相に感謝!
2023年4月1日より、Amazonプライムビデオなどで配信が開始された。配信されたのは、この『とつくにの少女 (長編)』ということでいいのかな。Annict にはもうひとつ『とつくにの少女 (短編)』という作品も登録されている。