素子のキャラクターがこれまでのアニメ版とだいぶ違う。恋人がいる、というのがまず驚きで、性的な描写も含めた軽妙さがいい。原作漫画に忠実、という見方があるらしく、それなら納得。
彼が公安1課で素子を監視していた側だと分かる流れが痛い。ただ彼自身も、標的が恋人だと知らされていなかったようで、身を挺して庇ったのは本心だったと思う。
ナイフを投げる場面、迷いなく投げた=鋼の精神、と読む感想が多いけれど、自分にはひと呼吸あったように見えた。悩んだのか、単に驚いただけなのかは分からない。ノータイムなら仕事と割り切った投擲、間があったなら先を見越した別れのサイン——同じ動作でも一拍で意味が変わる。そこが面白かった。
命も正義も恋も、割の合わない取引に呑まれていく一日の話。