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全体
普通
映像
とても良い
キャラクター
良い
ストーリー
普通
音楽
良い

ブシロードの先行する音楽アニメ『BanG Dream!』同様3DCGの作画のクオリティは非常に高く、キャラクターの生き生きとした動きを見ているだけで楽しい気分になれる。
特にりんくのやけ食いシーンや麗が衣舞紀にダンスの練習を見られて狼狽するシーン、そして毎話挿入されるDJプレイなど、CGアニメの技術の進歩を毎話見せつけられた。
個人的には、日本製3DCGアニメという枠では『楽園追放』や『コードギアス亡国のアキト』以来の感動を覚えたと言ってもいい。

シナリオに関しては、天真爛漫である種のカリスマを持つりんくがハピアラの面々だけでなくピキピキをも、番組のコンセプト通り「繋いで」いくさまや、ハピアラ・ピキピキ・フォトンが交流し、ただ馴れ合うだけでなくそれぞれの音楽性を高めあっていく様子には爽快感があるし、
各キャラクターの日常的なやり取りや漫才チックな掛け合いなどには日常アニメ的な面白さがあるが、総合すると、1クールに一つはある「部活モノ」「音楽モノ」の域を出ることはなかった印象。
「音楽メディアミックス三部作」の前作である『レヴュースタァライト』が唯一無二のミュージカル的な演出で、独自の世界観を構築しつつ少女たちの成長・葛藤・戦いを描いていったのに対し、本作の傾向は良くも悪くも日常アニメのそれに近く、言ってしまえば「低反発、低刺激」という言葉が似合う作風だったと思う。

サンセットステージへの出場という夢に対する真秀の焦りや孤独。
むにの大舞台に対するトラウマ。両親からの期待を背負う麗。
これらの要素は掘り下げればもっと大きく深いドラマを作れそうなのに、劇中では1話限りの問題としてあっさりと流されてしまう。
一応、7~8話のりんくのハピアラ脱退騒動や最終回付近のりんくとむにの対立などドラマはあるものの、この手の「部活モノ」「音楽モノ」の予定調和を脱することはない。

キャラクターに関しても、どうしても掘り下げは主人公格であるハピアラがメインで、高め合うライバルグループであるピキピキはキーパーソンである響子としのぶが掘り下げられたが、
もう一つのライバルグループであるはずのフォトンはキービジュアルに写っていたにもかかわらず出番は終盤の数話のみで、どうしても「フォトンのことを知りたければ、アプリ版をプレイしてね!」という制作サイドの声が漏れ聞こえてしまう。

個人的には「not for me」であると感じた部分もあったものの、「メインコンテンツであるアプリ版への導線」にとどまらないクオリティは持っている。
『BanG Dream!』をはじめとするブシロードコンテンツのファンや、前述したような「部活モノ」「音楽モノ」好きの人なら楽しめるはず。



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