タイトルこそほのぼのした雰囲気を漂わせているが、実はかなり社会風刺の効いた硬派な作品だ。
物語は「妖怪や動物(クゥの味方である上原一家、いじめられている女の子、他の妖怪、犬)」と、「物珍しさから他人の迷惑を顧みずに押し寄せる大衆(敵)」という対比で進んでいく。本作は、彼らの視点を通して「人間という生き物の面倒くささや複雑さ」を浮き彫りにする。
特にマスメディアに対する描写は痛烈だ。まるで「脚本家はメディアに私怨でもあるのだろうか」と感じてしまうほど、その執拗な過熱ぶりや醜さがリアルに、かつ容赦なく描かれている。
また、河童の生態についての掘り下げも見事だ。その習性を活かしたストーリー展開には思わず唸らされる面白さがある。
一方で、キャラクターデザインや造形にこれといったキャッチーな特徴がないのは惜しい。全体的にキャラクターへの感情移入や魅力を感じづらく、せめて主人公の男の子だけでも、もう少しキャラクター性を立たせてほしかった。