舞台は昭和30年代。戦後の余韻が残る中、親に見捨てられたり売り飛ばされたりした少女たちが、生きるための「居場所」として身を寄せ合うサーカス団の物語です。
設定だけを聞くと重苦しい展開を想像してしまいますが、作中ではその切実さがコミカルなテンポで描かれており、貧乏や世知辛さの重みが絶妙に和らげられています。この軽やかさと暗さの塩梅が素晴らしいです。
主人公が幼少期から身体に刻み込んできた高い技術は、過去のトラウマという"呪縛"でもあるのだと感じます。ですが同時に、その圧倒的な才能が弱小な「ひまわりサーカス」をここから引っ張っていく原動力になるはずです。過酷な現実をエンタメで塗り替えていく彼女たちの姿に、早くも胸が躍ります。