「まどマギらしい最高の演出に仕上げたから、あとは好きに考察してくれ!」――スクリーンからそんな作り手の声が聞こえてくるような、熱量に溢れた一作でした。
恥ずかしながら、まどマギシリーズのこれまでの話をあまり詳しく知らなかったこともあり、鑑賞中は頭に「?」が浮かぶ場面が多々ありました。「鹿目まどかが全ての魔法少女の不幸を一人で背負おうとし、それを暁美ほむらが全力で止めに行く。しかしその行為すらも受け止めていく」というざっくりとした理解にとどまってしまったのが少し悔しいところです。もっと作品を読み込んで、深く考察してみたいと思わされました。
とにかく音楽と映像のクオリティが凄まじく、観ている間ずっと背筋が寒くなるような鳥肌が立ちっぱなしでした。あまりの凄さに開始30分あたりから右手で鳥肌が立つ回数を数えてみたのですが、なんとそこからエンドロールまでに32回。それほどまでに演出のパワーがずば抜けています。これほど公開までに長い時間をかけた理由も、映像を観れば誰もが納得するはずです。また、異空間などを手がける劇団イヌカレーは、単なる背景ではなく「感情」や「概念」そのものを画面に描き出す天才だと改めて実感させられます。キャラクターデザインの美しさは言わずもがな、独特の世界観が作品の魅力を何倍にも引き立てています。
一度観ただけでは消化しきれないほどの圧倒的な体験をくれる映画です。