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とても良い

急遽決まったライブ実戦について揉めるメンバーたち。燈は「バンドが終わっちゃうから、ライブ、したくない…」と言い、立希は「燈の生きてていいんだって教えてくれる歌を聞きたいからライブをしたいんだ」と言う。そよはそよで、「みんなで一緒にいられるなら、ライブをしないで、スタジオバンドでも良いのかも…」と悟りめいていて、愛音は愛音で上達しないギターの披露を先延ばすためにライブはまだと押す。

そんな風にそれぞれの思いがあって、でもそれぞれにとって大事なことだから上手く言葉にできない。エゴをぶつけて、何かが壊れてしまうのが怖いから何も言えないように彼女たちは見えていた。だけど、伝えなきゃ伝わらなくて、分かり合うこともできないと彼女たちは心の何処かではちゃんと分かっているようにも見えていた。

そんな中で、一番あけっぴろげなようでいて、本音を隠していることすら隠していた愛音が本当の自分を打ち明けた。私はずっと逃げ続けてきた弱いやつなんだと燈に告白する愛音の姿は、情けないようでいて、今度は諦めていないということの表れのようにも映っていた。

そして、燈もちゃんとそれを汲み取ってあげられていた。「愛音は迷っていても進んでる」という言葉は、今度は燈から愛音にあげる救いだった。「迷ってもいいし、私も一緒に迷いながら進みたい」という台詞にあるのは、できることとできないことの中で、それでも不器用に諦めない生き方のように思えるものだった。



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