二重人格を用いて殺人の善悪と本質を描いた今作
自身を孤独だと表現し自分でさえも自分の持つ二重人格を受け入れられない式とそんな禍々しい内を秘めながらもそれに寄り添おうとする幹也の対比
冒頭のセリフにて「1人になりたいのではなく、1人だと感じたいから夜歩いている」というセリフからも、本来人格への影響において最も多大な悪影響を及ぼしかねない『孤独』という選択を式の場合自らの人格への鎮静剤といて描いている皮肉を冒頭に持ってくることによりこの物語全体に余韻を馴染ませていてとてもいい脚本として昇華されていると感じた。
また幹也の言っていた『信じる』というセリフにも深く切り込まれていて、式の二重人格の恐ろしさや底の見えない恐怖に直面した後でもこの言葉を吐いており「例え自分の認知しえない領域があっても他人のことを理解しようと努められるか」というところに『信じる』という言葉の深さが物語られていたと感じた。
そんな言葉の通りに幹也は客観的事実に対立して殺人の犯人が式ではないと最後まで信じ続けていてキャラクターの奥行きをより深く感じた、そして幹也はとても強いキャラだった。百聞は一見に如かず
また殺人の動機も単なる”衝動”ではなく「織の蓋を開けるものを殺す」「織を殺す」という決まった目的によって遂行されるものと定義されており、展開の奥の深さを感じた。(とはいえここだけではまだまだ分からないことだらけだった。)
キャラの深堀りによるキャラクターの確認と美学にふれ2人の関係を探るとともに今後の展開と、恐らく2章のアンサーになるであろう第7章殺人考察(後)がとても楽しみになる1本だった。