正直面白い話ではない。
主人公は無口で無愛想だし、グロ描写は生々しいし、恨みのあるヤクザに入って内側から復讐するとかでもなく、かといってクライムアクションとして盛り上がるわけでもない。
娯楽性に乏しく、見ていて決して気持ちの良いものではない。
……それでも、どうしても、忘れられないのです。
あの絶望的な地下地獄で生きる、彼らの姿が。
流9洲の街で生まれ、戦い、死んでゆく人々。
彼らの根底にあるのは、生への渇望。
もがきながら、足掻きながら、ただ生きる。
この作品は、そんな彼らの生き様を極限まで突き詰めて描く、いわば究極の人間讃歌なのです。
この作品とLain、灰羽連盟をまとめて安倍吉俊三部作と呼ばれているようですが、この三作の中で私が一番好きなのがこのテクノライズ。
残酷で鬱々しい内容の上に22話と若干長めですが、奥底に眠る熱い情熱をひしひしと感じる意欲作。一見の価値アリ。
あなたは地下と地上、どっちがいい??