サーカスが題材なのだが、サーカスらしい映像描写はかなり少なく、主人公の空中ブランコ2人以外はほとんど止め絵。前半は主人公を含むサーカスメンバーの葛藤と成長が描かれる…のだがどれも非常に浅い感じで、サーカス関係ないエピソードが多い。後半は団長の病気が突然悪化し、突然のトーナメント展開から超速スキップでライバル団と戦って終わる。最終話だけはそれなりにまとまっていると思うのだが、そもそもの団長の病気がとってつけたようで、トーナメント設定にした意義もよくわからず、最終的には団長の窮地描写がことごとく雑に反故にされて、うまいこと助かって大団円みたいな終わり方に、単に終盤の展開を作りたいがためだけの舞台装置感が透けて見え、とにかく物語の適当さを感じた。
サーカスだから仕方ないのだろうが、数が多い割に大した役割がないキャラクターが多い。ひまわりサーカスのメンバーですら数合わせぐらいにしか見えないし、ロータスサーカスのメンバーもほとんどいてもいなくても変わらないような薄い役回り…そのわりに、ひまわりサーカスが決勝で選んだアプローチが「技術では届かないから全員の力で物語仕立ての構成にする」というもので、それならもっと団員のエピソードをここにつなげるように描写しておいてくれよと思ってしまう。あそこまで雑に扱っておいてみんなの力で物語仕立てで頑張ろうと言われても、これまた突然ですねとなる。
止め絵の映像や最終盤の皇姉妹のやり取り、1つになった後のひまわりサーカスの前向きさは良いのだが、そこに至るまでの環境描写や積み上げが不足しており、尺とテーマに対してサーカス(が必然的に要求するキャラ人数や個々の演目)の描写が浅く、物語とサーカスがうまく馴染んでいない。また、この尺の中で展開を収めるために大人組が都合の良い舞台装置になっているように見える点が苦しい。悪いというほどではないのだが、決して良くはない、妥協しながら置きに行った、という印象が残る作品だった。