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とても良い

表面的にはかなりアホアホなのに、意外と深くテーマ性を掘り下げたすごい回だと思った。

女帝の親としてのメンタリティは、我が子を殺すDV親のそれに近いかと。自分が好きなように暮らしたいのに、それを阻害する子供の存在を邪魔に感じてしまうという。親子関係には不自由さ、ままならなさがつきまとうもの。真々子さんがそのことを受け止めて息子を愛しているのに対し、女帝は子育ての煩わしさを受け止められていなかった。つまり、サブタイトルの通り、親も人間であるが故に、人格の成熟度に小さくない個人差があることを表しているのだと思う。
世間では親子関係は相互に愛情と尊重を持ち合うべきといった「○○であるべき」という社会通念があるけど、現実としてその形を取れない親子関係があちこちに存在する。女帝とワイズの場合は、親の未熟さが際立っていることを所与のものとして親子の関係性を育てていかなければならない。それは描かれているように喧嘩しつつ時に距離を取りつつというやり方が妥当なのかもしれない。
この回では、親子関係の在り方はそれぞれであって、それぞれ異なる課題があって、毒親の心底にも子を愛する心があるとしても、安易に一義的な型にはめることが現実的でないことが主張されているように感じた。



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