『咲う アルスノトリア すんっ!』【60点】
メインストーリーを排した異色作
■用意されていた仕掛け
最終回ラストの構図を見ることで、
1話で登場した「輪郭がぼやけた人物」が、
本来の主人公(プレイヤー)だったことが解る。
中盤、主人公はヒロインから「新任教師」と呼ばれ、
既に騎士と交戦し終わったと思われる会話が展開されている。
つまり本作は、主人公視点をごっそりカットしたまま、
周辺キャラだけで時間を進めていく構造だったと考えられる。
■Warningパートについて
どうやらカルト教団が蔓延してる世界で、
(少女の生贄や集団自殺があるとか)
騎士達は邪教を正そうと異端狩りをしているようだ。
主人公は、恐らくカルト教団側の切り札で、
騎士からは「聞くもの」と呼ばれ対立してるっぽい。
《カワイイとカッコイイ》が作品のコンセプトらしく、
《緩い日常と激しい戦場》が良いギャップを演出している。
■製作側がしたかったこと
「どんなストーリーなのか気になる」
「ヒロインと騎士達の戦いが観たい」
そう思ってゲームを始めてもらえれば成功なのだろうが、
序盤から視聴者を置いてけぼりにし過ぎてしまった。
最後まで観た視聴者も、虚無だったと憤慨する声がありそうだ。
なのでアニメ作品としてもゲーム宣伝としても、
上手くはなかったかもしれない。攻めた姿勢は評価したいけど。
■感想まとめ
序盤で切りかけたが、挑戦的な脚本構成と、
戦闘があるかもしれない緊張感で観続けられた。
ゲームプレイ済みのファンが一番得をしていそうな作品。
作画に関しては、かなり上位の力があったと思う。
特にリッチな背景と多彩なカメラ位置には驚かされた。
音楽とOP曲が好みで良かった。
お嬢様キャラのピカトリクスが1番可愛かった。