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全体
普通
映像
良い
キャラクター
普通
ストーリー
良くない
音楽
良い

『大衆化と凡庸化』

■作者のやりたいこと

「キャラに愛着がゼロ」「いろいろ諦めた結果のリハビリ作品」
驚いたことに作者自身が公式ファンブックでこのように言っている。

つまり、始めからウケ狙いで作られた工業製品的な作品ということだ。
その事自体に問題は無い。練られた序盤が上手くハマったのだろう。

しかし話が進むにつれ、この手法の悪いところが表に現れてしまった。

■作られたキャラクター性

《ヨルさんの暗殺設定》が宙に浮いてしまったっぽいのが解りやすい。
緩くて温和な性格と、冷酷な暗殺業では整合性が取れないのだろう。

また、〈姉好きのユーリ〉や〈ロイド好きの夜帷〉が登場したが、
上辺だけというか、人間味や信念が感じ取れずあまり感情移入できない。

極端な言動が、リアリティーや知能まで低下させているように見える。

■薄く引き伸ばされた脚本

最終話は良かったが、2クール目の盛り上がり所は非常に少なかった。
学校に体操着を届ける道中で作画リソースを開放してしまう程だ。

またロイドは、病院勤めの描写が加わってスパイ活動の比重が下げられ、
アーニャは、別に心を読まなくても大丈夫な普通の子に近づいていった。

家族になっていく《変化》が終わり、《安定》がベースとなってしまった。

■感想まとめ

シリアスとして決めて欲しいのに、途中で緊張感が無くなったり、
コメディーとして笑いたいのに、オチがイマイチ弱かったりする。

「家族向けとして楽しむ作品」と言われれば納得できるが、
「クオリティーが高い作品」と持ち上げられるのは変だなと思う。

〝自分と世間との評価のズレ〟を認識させられたようで今後が不安だ。



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