今回は解釈が難しいお話でしたけど、様々な登場人物のあり様を描きながら子供と大人の違いについて示唆しているように感じました。
猫のさくらが言うようになにも出来ないのが子供だとしたら大人はその反対なのだろうか。朝風は優れた超能力を持っていて様々な事を実現でき、多くの人を助ける事が出来ます。しかし彼は誰かに持ち上げてもらう事で自分を支えようとしており、周りに甘えています。他に依存するという点で更に進んでしまったのがソウで、彼は自分自身との闘いの中で神様に縋って身を任せてしまった結果、完全に自分を見失ってしまいました。
一方で、希は自分の能力では直接何かを達成したり他者を助けることが出来ない非力さに悩んでいます。しかし長良の言葉にあるように、常に自分の道を切り開こうという意志と希望を失わなかった彼女の姿勢は、長良を勇気付け彼の心を支えていたんですね。
大人になるというのは何もあらゆる事を一人で出来る事じゃない、自分のあり方は自らで切り開くという意思が実はキーになるのでは。その意思を忘れないならば、足りない部分があっても、決して一方的な依存ではなく他の人と心身を支え合う互恵関係を築けるのでは、そんな事を感じました。