歴史物がそれほど得意ではないという前提を差し引いても、見応えのある作品だった。とはいえ構成には粗も目立つ。凄惨なプロローグからファーティマの復讐譚が幕を開けるかと思いきや展開は停滞し、ドレゲネのエピソードでW主人公体制を提示されたかと思えば、最後はボラクチン主導のまま「俺たちの戦いはこれからだ」で幕を閉じてしまう。肝心のファーティマも状況に無理やり置かれている感があり、強い復讐心というよりは賢そうにその場にいただけという印象が拭えなかった。軽妙すぎる演出も作品の重厚さを削いでいる。最終話にしてようやく全体の構図が判明し、次への期待感は生まれた。しかし原作ストックの都合上、続編は当分先だろうし、史実を脚色しながら着地点を見出せるのかも不安が残る。序盤時点で描き切れたら名作と感じたポテンシャルは健在だが、1期終了時点ではまだ可能性を秘めた佳作の域を出ない。