小説を読んでいるかのような端正な構成で、物語として綺麗に整っている。部活への向き合い方、共依存関係、変わりたくないと願う思春期特有の心理など、題材自体は珍しくない。だが、アニメ的に大げさに煽るのではなく、現実もこうだよなと思わせる曖昧で等身大な着地点に落とし込んでいる点が、昨今の過剰に映えを狙った作品と違って心地よい。決して派手な作品ではなく、個別の要素を切り取れば良い止まりかもしれないが、全体としての完成度は非常に高い。細部の積み重ねが織りなす、まさにミルフィーユのような作品。
1期に続き、制作陣の原作愛をひしひしと感じる幸福感に満ちた作品だった。2期はタイラズマの出番が多く、この2人の世界を映像で観られる喜びに加え、キャスト両名の演技も素晴らしい。制作陣もファンのツボを心得ており、尺をしっかり割いて2人の関係性を余すところなく描き切ってくれた。もともと原作ファンではあるが、それを差し引いてもアニメ版の完成度には何一つ文句のつけようがない。歴代ベスト10アニメにノミネート。
依然として謎が多く判然としない点はあるものの、感情を揺さぶる熱量としてはまさに集大成だった。3期は状況を掴めないまま大乱闘が続くお祭り騒ぎのような印象だったが、4期は登場人物が整理され、ストーリーの導線も丁寧に描かれていたため純粋に楽しめた(もっとも、全体としては相変わらず難解ではあるが)。個人的には1期後半に匹敵する出来栄えだと思う。他作品と同じく小説原作ゆえの省略は避けられないため、そこは割り切って解説動画や考察で補完するつもり。制作陣の熱量は十分に伝わってきたし、長く追ってきた作品として今後の展開も非常に楽しみ。次章は映像化のハードルが高いと聞くが、期待して待ちたい。
尺の都合上すべてを描き切ることは難しく、かといって伏線となる描写も切り捨てられないという点で、本作はアニメ化の難易度が極めて高い。たしかに原作ファンなら拾える細かな描写は散見されるものの、あまりに削られた要素が多く、単に印象的なシーンを場当たり的につなぎ合わせただけのように見えてしまう。アクションに定評のあるWIT STUDIOだけに期待していたが、春夏秋冬なんちゃらと同じく特筆すべき見せ場があるわけでもない。明確な演出意図が見えず、事務的なやっつけ仕事のような熱量の低さを感じてしまった。緻密に練られた壮大な世界観と、点と点が結びついていくあの圧倒的なカタルシスを持つ原作が素晴らしいだけに、作り手の魂が感じられない映像に落とし込まれてしまったことが残念でならない。
原作既読。本作はファンタジー設定や敵の事情といった世界観が緻密に描かれているわけではなく、死生観に重きが置かれており、決して百合一辺倒の作品でもない。物語の区切りとしてはもう少し先まで描くのかと思っていたが、セイランとアリのエピソードで着地させた。大切な人を亡くした喪失感を繊細に描きつつ、その積み上げとして原作のかなり先にあるサイドストーリーを組み込んで構成した点には、脚本の深い原作理解が感じられる。一方で、戦争の背景などは最後まで曖昧なままで、ミミとシーナの未来も持ち越しのまま幕を閉じた。何を重視するかで評価が分かれる作品だろうが、素晴らしいOP(今期トップクラス)の効果も手伝い、アニメ化としてこれ以上ない完成度で非常に満足している。
これ以上の映像化は望めないだろう。原作最大の山場であるTP4。エリスの修行編から始まり、彼女への手紙で終わる前半の構成は見事としか言いようがない。この作品には、制作陣への感謝しかない。
原作既読。マンガ大賞受賞時に読んだものの、当時はそこまで刺さらなかった。本作は「現代」「手島先生の過去(ロストワールド)」「」で構成されている。ロストワールド編は出色の面白さだが、全体の割合としては現代パートが多く、子どもの妄想や劇中漫画の描写など好みが分かれる部分も多い。そのため、アニメ化された範囲に関しては、原作だとやや冗長に感じる側面があった。だが、このアニメ版の再構成がとにかく素晴らしい。原作を尊重しつつも未映像化パートの取捨選択や時系列の再編成、細部の肉付けといった巧みな再構築が行われている。それによって原作の弱点が補われ、主題が明確になると同時に、実質的な主役である手島先生の存在感が際立っていた。原作では好みが分かれそうだった絵柄も受け入れやすいデザインに落とし込まれ、ドンピシャな声優キャスティングも相まってキャラクターの魅力が跳ね上がっている。区切りの見えにくかった物語の締めくくり方も実に見事だった。2期決定の報せを聞き、1期を観たファンとしては期待しかない。間違いなく名作アニメ化の好例。
A-1 Pictures制作かつ魅力的なキャラデザということで期待値が高かっただけに、やや肩透かしを食らった印象。サーカスという題材の割に止め絵が目立ち、終盤のトーナメント展開も脚本として首を傾げる部分があった。とはいえ全体のプロット自体は悪くなく、どこかで妥協が入ってしまったようにも見受けられる。最後は綺麗にまとまっており、致命的な破綻もなかったため、オリジナルアニメとしては一定の評価ができる作品だった。
主題として何を描きたかったのかが判然としない作品だった。原作からの改変によって原形を留めていないようだが、ここまで破綻した脚本を制作する過程で違和感を抱く人はいなかったのだろうか。作画は群を抜いて素晴らしく、比類のない領域に達しているだけに、その才能を浪費した印象が拭えない。知名度の低い作品で無理な改変をするくらいなら、次は初めからネームバリューのある原作を選び、手堅く質の高いコンテンツに仕上げた方が良いのではないか。 決して落ちぶれたとは思わないが、京アニの今後が心配になってしまう一作だった。同時期にユーフォを手掛けていた同じ会社とは思えず、残念でならない。
採点としては若干甘め。大会に入る前の真夜中の〇〇あたりは、とてつもなく好きな雰囲気だった。一方で、大会に入ってからはメスガキちゃんまでは良かったものの、てゃ先輩お姉さん、gekido、禍腐餌悪霊のキャラクター性が微妙で、特に流血などの描写はあまり好みではない。終盤の白百合さまvsメスガキちゃんの描写も若干くどく感じられ、大会編全体としては評価を落としてしまった。ただ、メイン4人のキャラクター自体はとてつもなく好きだし、バランスも非常に良い(特に犬井が好き)。お嬢様×格ゲーというコンセプト自体は素晴らしく、味付けとして割とコアな方向に進んでしまった点は好みに合わなかったものの、日常ベースの描写が見られるなら全体としてはプラス評価。願わくば、もっと部活でわちゃわちゃしている光景が見たい。
何度も何度も原作で繰り返し読んでる場面だが安定の尊死。タイラズマは概念です…(最終回、尺的に少し余裕ありそうな気もするが、まさかのオリジナル要素あるか…?)
評価を下すのが非常に難しい作品。前半はやや展開がもたついたものの、6話以降はゼートゥーア閣下の動向を軸に急速に見応えが増していく。ただ、前半の時点で自力での把握を諦めて解説を頼る状態になり、以降も解説を読んで初めて腑に落ちた点が多い。それでも消化しきれない難解さが残る。扱っているプロット自体は原作の質の高さをうかがわせるほど秀逸だが、1期からのブランクの長さとアニメ単体での分かりにくさを踏まえると、一段階評価を下げざるを得ない。
今期、最後まで観て最も後悔した作品。根本的に話が面白くない。肝心の舞の魅力が微塵も感じられず、制作費がかかっていそうな割には演出も完全に空回りしており、何を表現したかったのか終始理解できなかった。
原作既読(好き補正ありの評価)。中年男性の妄想ファンタジー感が否めず(女性人気もある作品らしいが)、人を選ぶのは確か。それでも、原作特有の空気感やエモさを再現できている点にアニメ化の意義を感じた。映像化の難易度が高い作風ながら、要所要所の演出はよく健闘している。
中身のない凡庸なラブコメであるうえに、ストーリー構成があまりにも拙く、評価は低くならざるを得ない。良さそうな声優陣を起用しているだけで、作品としての見どころを一切見出せなかった。
どう描くのか謎だった回。想像してたやり方としては日記を読み上げて断片的な画像でササッと終わらす等々。結果としては最大限に観たくないものを映像で魅せてくれた。嗚咽。端折ってる部分はあるが、ここまで来たら皆さん原作、少なくとも日記は読むでしょう。前半は想定したより手前で着地するようだが、後半で何をやりたいのかというのが映像で十分分かった。待ってるぞい。
今期ナンバーワンのダークホース。ベースはゴリゴリの王道少女漫画。コンプレックスや多様性?といった要素を織り交ぜつつ、極めつけの怪獣要素はあまりにも意味不明。それにもかかわらず物語として破綻せず、異素材ミックスの奇作として成立している。後半にかけては奇抜さへの慣れや中だるみによる失速感も否めないが、総じて見れば十分に評価に値する意欲作。特にOP・EDの完成度は高く、とりわけEDは古き良き平成アニメを彷彿とさせつつ作品の世界観にもマッチしており、今期トップクラスに良かった。今後残された展開は、出自の謎や逃走した怪獣との対決など、少女漫画の文脈からはやや外れそうな要素が多い。個人的には少女漫画要素のほうを大きく膨らませてほしいところだが、どう転ぶだろうか。2期の有無は分からないが、ぜひ完結まで見届けたい。
オリジナルアニメの成否は最終話次第。本作は結末から逆算して構成されたはずだが、道中で魅力的な要素を積み上げすぎたきらいがある。引き込まれるストーリーテリング、セル画風の美麗な映像、魅力的なキャラクター、そして劇伴のいずれもが一級品で、全体の完成度は極めて高い。それだけに、着地点がそれらの材料に見合っておらず、大傑作の領域にはあと一歩及ばなかった。
「本当の愛とは何か」という問い自体が、巧妙なミスリードだった。「広義の愛」や「百合」といった既存の枠組みに回収せず、痛みを伴いながら自立していく日常を描き切った結末は、劇的なカタルシスや安直な関係性の帰着(カプ落ち)を消費したがる風潮へのアンチテーゼとして機能している。他方で、自身が求めていたのはよりスケールの大きな物語(いわゆるセカイ系)だったのかもしれない。作品の意義は理解しつつも、私にとって「大傑作」と呼ぶにはあと一歩及ばなかった。
原作既読。アニメ化で特に良かったのは構成力。多数の登場人物や緻密な設定を抱えながらも、視聴者を混乱させず自然に物語へ引き込む巧みな展開は流石。2期に期待。