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難しい最終回だった。
新月は当初の願い通りに魔力を消し去る。その決意は美しいが、どうしても新月は本当にそれで良いのかと気になってしまう。
この物語の中で新月の心理がどう変わったかと言えば、満月により彼女の秘された願いが叶えられた事だろう。確かにそれで新月は救われたかもしれないが、しかし本当にそれで悔いなしと言えるのか。「やりたい事はたくさんあります」一人ではできない事もたくさんあるんじゃないのか。
魔力と対立する価値として自然主義的な世界賛美がある訳だが、この成長を止めて混沌を極め続ける(バブル崩壊後、また世界的分断の時代たる平成以後の世代にとってこれはある程度共通認識ではないかと思う)世界に照らしてその美しさを唯々諾々と信じるのは難しいところがある。魔法少女的な文脈において魔法自体の否定によってそのテーマ性を更新しようとしたのだとしたら、あまり成功したとは言い難いかもしれない。
ただはっきりしないのが最後の場面で、この転校生は一体誰なのか。新月の表情や話の流れからすると満月が「ただの人形ではない」→この世界に残った、と読んでも良い気がする(人形ではないというか人形から発展したといった言い方なので微妙だが)。そうすると新月は満月の為に魔力のない世界を願った訳で、話がかなり違ってくるが……。難しい。その内他人の感想も聞きたいところ。
「脚なんて要るか!」水晶のキャラは最後まで素晴らしかった。悠木碧っぽい声のやばい女は何人かいたが(オーバーロードのとか)彼女はやや異なった雰囲気でまた良かった。



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