原作の今回該当部分を読んだときの衝撃をよく覚えている。短編での出来事が長編で伏線として機能し、二つの流れが一つに合流する興奮。日常の象徴のような恭子の「あたし、何も知らずに死にたくない」という肺腑を抉るような言葉。
今回アニメ版がそのとき衝撃を超えたかというと、残念ながら答は否だ。
まあ、同じ内容なら二度目は一度目に比べて確実に衝撃は弱くなるんだけど。とはいえ、恭子の台詞なんかは大幅に削られていて、鋭さがかなり減じてしまっていたりする。敵との圧倒的な力の差も、それに対して決してあきらめることなく抵抗し続ける宗介やテッサ達のタフさも、原作に比べると随分と弱く感じた。
トゥアハー・デ・ダナンがべへモスに体当たりを仕掛けるシーンなんかは、べへモスの壊れ方も見事で、映像で見られてよかったと思えたシーンの一つ。