三味線を通じたキャラの成長、葛藤、人間ドラマを描いていてとても面白かった。高い技術を持つ主人公の雪が三味線初心者の多い部活(同好会)に加入する、同好会のメンバーで大会に挑むという王道展開だったし、大会の時は様々なライバルも登場して面白かった。三味線の演奏のシーンは、そもそもの音楽が良くて引き込まれるのは勿論、指の動きとか細かい部分まで丁寧に描かれてた。演出面でも、音楽によって水や植物、風といった風に自然風景と関連させた描写があってとても風情があった。後半に出てきた各校のライバル達も出番こそそれ程多くなかったけど、1人1人の個性が演奏に良く表れてたて印象的だったし、楽しさや力強さ、ひたむきさや華やかさなど、それぞれ違う個性があって聴いているのが楽しかった。ライバル達だけじゃなく、梅園学園の三味線同好会のメンバーの様子もしっかり描かれてた。大会までの展開が比較的早めだったこともあって1人1人に割かれた尺はそんなに長くなかったけど、メンバー達の人となりはよく分かったし、初めての大会で緊張している中でも見事にやり切り、審査員や観客にその素晴らしい演奏を聴かせた時は感動した。最終回は、主人公の雪が自分の欠点を突きつけられる形となって終わった。全12話の中で、三味線同好会の面々は大きく成長したと思うけど、雪を成長や進化が描かれるのはむしろこれからだと思うから、続編があればぜひ見たい。