サービス開始日: 2023-07-02 (898日目)
文化祭回。矢野くんが吉田さん達だけじゃなく、準備の過程で他のクラスメートとも徐々に打ち解けていく様子に心が温まったし、それを喜ぶ一方で少し嫉妬もしている吉田さんが可愛かった。文化祭当日も、矢野くんと吉田さんのツーショット撮影やキャンプファイヤーで小指だけ手を繋ぐといった青春感溢れる描写が多くて最高だった。羽柴に可愛いと言われて照れたり、羽柴が告白されたことに暗い表情を見せるなど、泉さんの羽柴に対する感情が少し描写されたのも良かった。今回度々意味深に描かれた矢野くんと岡本さんの関係は勿論だけど、羽柴&泉さんの2人の関係も気になる。
悠月と陽の関係性が良い。「七瀬悠月」という人物を演じている悠月が、陽の前では素の自分に近い姿で振る舞うことができる。アニメではおそらく2クール目で描かれるけど、悠月と陽の相棒としての関係性がとても素敵。後半の朔と悠月のお祭りデート、これはまさに青春の1ページといった感じて、祭の幻想的な雰囲気の中でいつもよりも少しテンションが高い2人、2人で祭を過ごしていることの楽しさと、仮初めの彼氏彼女という関係であることへの切なさ・もどかしさが共存している様子が印象的だった。次回も楽しみ。
お茶子がトガちゃんの個性を「人に血を分けられる個性」と表現しているのが良い。他人の血を吸って変身できるという特徴とトガちゃん自身の吸血衝動の方ばかりが注目されていた中で、最後の最後、カメラにも捉えられなかった、お茶子だけが気づいた能力。トガちゃんは最後まで社会には受け入れてもらうことができなかったけど、トガちゃんの個性にそういう一面があると違う形で気づいていれば、社会に受け入れてもらうこともあったかもしれない。けど、お茶子がトガちゃんに向き合っていなかったらトガちゃんは瀕死のお茶子に血を分けることはなかった。トガちゃんの個性の知られざる一面に気づけたのは、お茶子がしっかりとトガちゃんを見て、最後まで向き合うことを諦めなかったからこそだなと思った。デクは死柄木を、お茶子はトガちゃんを、2人の命を救えなかった悔しさを忘れないだろうけど、死柄木とトガちゃんの心は確かに救われていたと思う。
矢野くんが誕生日を祝ってもらう回、吉田さん達だけでなく誕生日を知った他のクラスメート達もおめでとうと声をかけてくれている所や吉田さん達の企画に担任の先生も協力してくれている所に優しく温かいクラスの雰囲気を感じられた。矢野くんにとって忘れられない誕生日にするために宝探し企画を考えた吉田さん達が本当に可愛らしいし、ゴールでの矢野くんと吉田さんの様子も微笑ましかった。後半の交換日記の回も、交互にノートを見せて楽しそうにしている矢野くんと吉田さんの様子がずっと微笑ましくて癒された。矢野くんの右目の眼帯にちゃんとした理由があることには少し驚いたけど、それが何なのか次回が気になる。
自分自身の危険を顧みていなかった朔を咎める優空と夕湖、朔の話を聞いて悠月に対してもエールを贈る明日姉、練習試合で悠月と見事な連携を見せて悠月を信じてボールを渡し、凛々しく力強い表情を見せた陽、そしてバスケに打ち込む自分の姿を朔に見せつけた悠月、ヒロインそれぞれの様々な顔、そして魅力が凝縮されている回だった。笑えるシーンも熱いシーンも感動するシーンも、それぞれ素晴らしかった。悠月へのストーカー騒動が絡んだ緊張感が高まりを見せる中でも朔たちの青春がしっかり丁寧に描写されているのがとても良い。
戦いは終わったけどそれで全てが丸く収まるわけではない。解決してない問題も沢山ある。失ったものは多く得たものはない、ヒーローはマイナスをゼロにする仕事、というミリオのセリフが印象的に残ったし、そのセリフの重みも感じた。けどそれでも未来への確かな希望が感じられる回だったし、賑やかなA組の様子を見て、少しずつ、本当に少しずつの歩みではあるけど日常に戻っていくのだと思える回だった。轟家問題、燈矢への償いはむしろこれからが始まりだとも言える。戦いでの傷が原因でエンデヴァーは引退する。ヒーロー・エンデヴァーは敵(ヴィラン)・荼毘によって焼き殺された。そういう過程を経なければ父・轟炎司が息子・轟燈矢と向き合う所まで行けなかったのは残酷だけど、これから時間をかけて償っていくんだと思う。轟家問題は円満解決とはいかなかったけど、焦凍の大丈夫というセリフやA組に向けた爽やかな顔からも希望を感じられる終わり方だった。
矢野くんと吉田さんのお家デート回。デートの前にそれぞれ服装やメイクを羽柴や泉さんに相談する矢野くんや吉田さん、当日をむかえて2人ともおしゃれしていつもとは違う雰囲気になっていたり、初めてのお家デートということもあってお互いに意識してドキドキしたりしている様子がとても微笑ましかった。今までは鈍感な一方で吉田さんへの気持ちはかなりストレートに伝えていた矢野くんが、今回はかなり緊張していたり、吉田さんを褒めようする上でも照れたりしている、逆に吉田さんはこれまたドキドキして照れていながらも矢野くんのおしゃれに対してストレートに感想を伝えたりと、少し普段と逆になっている場面が見られたのも印象的。
最終決戦ついに決着。A組はじめB組も他校の生徒達もプロヒーロー達も敵だった人物達も、みんながボロボロになりながらデクが走る道を作るために戦う姿、そしてヒーロー達に助けられながら、OFAの残り火で決着をつけるべく走るデクの姿、全員が最高のヒーローで、力強く必死に戦う様子に本当に感動した。まさに最後の最終決戦に相応しい神作画の戦闘シーンに加えて、これ以上ないくらい最高のタイミングで流れたYou Say Run、ヒーロー達、戦いを見ている一般人の人々、かつてデクに助けられた劇場版キャラの面々、そして母親、みんなの「頑張れ」という応援の声がその感動をさらに引き立てていた。魔王として散々他人を弄んできたAFOが最後の最後でデクにただの寂しがり屋の人間であることを言い当てられ、デクや死柄木、歴代OFAの一撃を受けて消えていくのはまさに因果応報。そして最期にデクとのやり取りで、敵(ヴィラン)らしく不吉で、けどどこかスッキリしたような笑顔を浮かべて消えていった死柄木を見て、デクは確かに死柄木の心を救えたように思えた。長い戦いの末に、デクやヒーロー達が全力で戦い繋いできたことで得た勝利だった。