ダリヤの魔導具師としての成長や周囲のキャラとの人間模様が、とても穏やかで温かい雰囲気の中で描かれたとても面白い作品だった。この作品に登場するキャラは良い人が多くて、ダリヤが魔導具師として成長していく中で助けてくれる人達も多かった。ダリヤの父であるカルロやダリヤと知り合い友人となったヴォルフレードなどが特に印象的だった。ヴォルフに関しては、ダリヤと友人になり魔導具を作る手助けをしたり、一緒に食事したり談笑したりと、2人の楽しそうな様子が沢山描かれるようになり、こちらも微笑ましく見ることができた。ダリヤ自身にも、カルロの死後に婚約解消など様々な困難に見舞われたけど、諦めずに前に進もうとする姿、タイトルの通り「うつむかない」姿に感動した。魔道具に関しては、ダリヤの前世が現代日本人であったことから、転生してからもドライヤーや靴下など、現代日本にあった道具をモチーフとしてそこにさらに一工夫加えたような魔導具を作ろうとしていたのが面白い部分だと思った。特に靴の中敷きと靴下に関しては、王国の魔物討伐部隊のメンバーがやたらと水虫に悩まされていて、特に11話の行き過ぎた水虫対策をしようとしてダリヤに止められている場面が面白かった。笑いあり感動ありのとても良い作品だったし、ダリヤの商会の発展やヴォルフとの関係性の変化も気になるし、また続きが見たいと思った。