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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

 全話にわたって家族の絆や愛が詰まった、すごく温かくてそして感動的な作品だった。
 妻の貴恵を失った圭介と娘の麻衣の前に、小学生の白石万理華ちゃんに憑依する形で貴恵が現れたことから始まった今作は、家族の死から立ち直って新島家が再スタートするまで、そして貴恵が憑依した万理華ちゃんと母親である千嘉さんの、家族の再生の物語だった。この作品は毎回がすごく感動する内容だった。前半では戻ってきた貴恵も加えた新島家の3人の日常を多めに描きつつ、万理華ちゃんと千嘉さんの家族を描いていた。かつての母親との関係や結婚の失敗などにより自暴自棄のような状態になっていた千嘉さんの様子は見ていてとても苦しかった。本人が単に自分勝手だからとかではなくて、本当はこうなりたくなかった、しっかり親として幸せな家族を作りたかったという辛さや後悔、苦しさが感じられたからこそ、見ているこちらも感情を揺さぶられた。新島家との関わりを通じて、しっかり立ち直って万理華ちゃんと向き合えるようになって本当に良かったと思う。後半では新島家にスポットを当て、貴恵との別れが少しずつ近づいているという雰囲気が回を追うごとに強くなっていった。万理華ちゃんの体にいつまでも憑依しているわけにはいかない、再会できたけど新島家と別れて成仏しなければいけない、しかしまた別れるのは辛い、新島家の3人それぞれの感情がすごく伝わってきた。
 貴恵との別れを受け入れたくない麻衣に対する、起きるはずのない死者との再会という奇跡にいつまでもすがってはいけない、貴恵との別れを乗り越えて進んで行かなくてはいけないという圭介の強い気持ちが特に印象に残った。誰よりも貴恵と一緒にいる時間が長くて、失った時の辛さも本当に大きいはずなのに、それでも娘の麻衣のためにその辛さを乗り越え、貴恵と再会するまで父親として麻衣に向き合えなかったことへの後悔と反省も込めて、麻衣を諭す姿にはすごく感動したし、これによって新島家が貴恵の死から立ち直って前に進んでいく準備が整ったんじゃないかと思う。
 貴恵の未練が消えて成仏し、再び別れることになるのは、展開として予想できるものではあったけどそれでも見ていて辛かった。けど戻ってきた貴恵と過ごした日々を通じて新島家は悲しみから立ち直り、再スタートを切った。12話にわたって描かれたそれまでの過程には、家族の絆や愛がこれでもかと言う程に詰まっていて本当に感動的だった。本当に素晴らしい作品だった。



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