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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

 雪さんと人好くんの交流、2人の心情や関係性の変化を繊細な部分まで丁寧に描いた、とても面白くて、そして温かくて優しい雰囲気の作品だった。
 元々は殺し屋だった雪さんが、普通の高校生である人好くんの所にメイドとしてやってきて、人好くんをはじめ様々な人と関わる中で人の温かさや優しさに触れ、色々な感情を知っていく。心を休めることもできないような過酷な状況に身を置き続けた人物が平穏な世界で暮らす中で少しずつ変化していくという題材は珍しいものではないけど、今作はキャラ同士の心の交流や関係性の変化の描き方がとても丁寧で、コメディパートとのバランスも良くて、飽きることなく見続けることができた。
 まず、ヒロインである雪さんが回を追うごとに喜怒哀楽を、色々な表情を見せるようになっていく過程を見ているのがとても楽しかった。大人しいキャラではあるけど、とんかつソースにハマって、食べることができればすごく嬉しそうな顔をするし、食べられない時は悲しそうな顔をする、家事で失敗続きだけどその分成功した時は得意げな顔になるし、人好くん達で出かけたり高校で文化祭に参加したりする時に楽しそうにしていたり、コロコロと変わる表情がとても可愛らしかったし癒された。思い悩む人好くんに対して、自分なりに考えてその苦しさを軽くしてあげようとする優しさにも感動した。演じている上田麗奈さんの演技もやはり素晴らしくて、ポンコツモードや殺し屋モードなど、雰囲気がガラッと変わる場面でも完璧に演じ分けていたし、雪さんというキャラの魅力が増していた。
 主人公の人好くんの方も、雪さんにとってかけがえのない存在だったし、雪さんに対してご飯の美味しさや友達と関わることの楽しさ等、普通の日常の素晴らしさを教えたのは人好くんだと思う。過去の経験で思い悩むこともあったけど、傷つくのが怖いという恐怖と同時に、雪さんを含めて相手のことを大切にしたいという本人の優しさもあって、そういう意味では不器用なキャラでもあったけど、彼の明るさと優しさもこの作品の温かい雰囲気に繋がっていたと思う。雪さんも人好くんも過去の経験で悩んだり苦しんだりする時があるという部分が共通していたけど、互いに相手を支えたい、力になりたいと思っていて、そういう2人の関係性のあり方がとても良かった。人好くんが雪さんへの恋愛感情を自覚し、最終回では失恋してしまったと本人は思っているけど、その後に雪さんの側にも親愛とは別の感情が芽生えていることを匂わせていたから、今後は恋愛的にも2人の関係性が変化していくんじゃないかと思う。
 演出や作画の面でも非常にクオリティが高かったし、雪さんと人好くんのクリスマスデートの回は特に絵が綺麗だった。アニメとしてのレベルもすごく高かった。
 人好くんと雪さんの、恋愛感情も絡んだ関係性の変化や雪さんの師匠の存在など、まだまだ気になる要素は残ってるから、続編があることを期待してる。



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