原作既読
前半のボラクチンの掘り下げがとても良い。トルイ暗殺に使ったヒ素の入手経路から、科学的・論理的な思考を持つ人物であること、オゴタイとの相性、そして暗殺を決意した動機までが一つの因果としてつながっており、情報量が多いのに全く破綻せず、現在の行動原理まで納得できる形で描かれている。
後半では、ソルコクタニとグユクの結婚を巡る展開が面白い。シタラは目的を進めるためなら結婚を成立させた方が都合がいいはずなのに、落ち込むソルコクタニを見て思わず反発してしまう。そこには、自分の人生を懸けて憎んできた相手が、もっと強大で、もっと憎むべき存在だと思っていたのに、実際にはそうではなかったことへの戸惑いや怒り、そしてこれまで溜め込んできた感情の行き場を失った苛立ちがあるように感じられる。その結果、自分の計画にとっては不利益な行動を取ってしまう。この「完璧な復讐マシーンではない」人間臭さ、至らないように見える点が、物語を単なる復讐劇ではい人間ドラマにして面白みを増している。
さらにグユクの今後も気になり、次回への引きも抜群。