幸せは、自ら幸せになりたいと願う者にしか訪れない。一度心を閉ざした者の心を開くことは他人には難しいが、いつか来るその日の為に側に居続けることなら出来る。
そんなことをユヅに教えた母君は、ユヅにとって大切な存在に違いない。ユヅは志磨の家に金で買われ、それによりこの母娘の関係が引き裂かれたのは町医者が言った通りのこと。何も間違っていない。
過労に倒れて初めて、珠彦はユヅが大切な存在であると気付いた。
ユヅを幸福にしたいと珠彦は願ったが、それにはあまりに自分が非力であることにも気付いた。今回が実質的な初回であると言っていいかもね。