「食事を楽しむ為に、まわりが嫌だと思うことをしない」という思いやりこそがマナーの本質であると、あまねは言った。それを聞いたゆいは、おばあちゃんの口癖「ごはんは笑顔」と本質では通じていると理解する。(学業の成績はともかく、頭の回転が早いところがある)
世にあふれる無意味なマナーへの揶揄が感じられて痛快だが、一方でマナーそのものが不要とは言っていない。あくまで皆が食事を楽しむ為に、互いに少しずつ気をつけなければいけないことがマナーであるとすれば、高級店での外食だから必要なのではなくて、食事にはすべからく必要なものである様にも感じられる。
そんなことを言ったここねは、本当は「芙羽さま」などと呼ばれる様な高嶺の花ではないことが改めて描写される。あまねがパムパムに「ここねにはあんな面もあるのだな」と尋ねた通り、可愛い服を見てはしゃいだりする歳相応の普通の子。
昨晩、ここね×あまねを「ここあま」と呼んだけど、「あまここ」ではなく「ここあま」と呼ぶのがふさわしかったと再認識。ふたりが並ぶと姉妹のようで、大人しく賢い妹のほうが、実際には姉をリードしているというイメージ。
改めて、本当によいここあま回だった。
モブのひとりだった店の客が、「昔は給料を貯めてこの店に来た」と言ったのが妙に印象に残った。
高級レストランには「給料を貯めて」来店するに足る、外食の幸福が詰まっている。これも食の喜びのひとつの形。