ワンクールの尺で、駆け足ぎみで掘り下げが足りない部分もあったけど、オリジナル作品なりによくまとまってる。
フィーネの王という立場は、誰か一人を選ぶことが出来ない。それを理解出来て、分かった上で自分の身を捧げてもいいと思えるイゼッタは強いなぁ。
ただ、その考えに至るのは難しい道なので、ゾフィーの裏切られた痛みの方が一般的に理解を得やすいんだけど。
ジークの死はちょっと陳腐過ぎ。ベルクマンは亡命してるし、争いや報復の火種になりそうなものは残る感じ。
その後の歴史はナレーションのみのアッサリした描写。この物語が魔女の話であった以上は彼女の退場後の事は全て蛇足という事なのかも知れない。
ただ、やはりイゼッタが『皆がが明日を選べる世界。姫様が笑顔でいられる世界』を願った事の結末として、フィーネが実際にどう動いたかが語られないのは不足を感じる。
ラストは中途半端。でもイゼッタがフィーネのために大勢の命を刈り取ったのは事実だから、二人に安易な笑顔を浮かばせなかったのかも知れない。
なんだかんだ、キャラクターもストーリーも堅実にまとまっていて面白かった!