こういう雰囲気のきらら作品大好き侍。恋する小惑星みたいな。夢に向かって頑張る女の子を全力で応援したくなる。
海果の成長物語としてすごく良かった。海果がロケットを作りたい理由が「地球の人とは上手く話せないから、宇宙人と友達になる」という後ろ向きなものだった。でも地球で友達ができて居場所ができたら、次は「ユウのために宇宙に行きたい」と誰かのための理由になる。ほんと良い子。
ギャグや萌えは少なめだが、その分小さな勇気と小さな成長をきちんと描いてくれる。海果がほんと健気で応援したくなる子だからこそ楽しめたんだろうな。夢を叶えるために頑張る姿ってほんと素敵。
ギスギス展開もある。雷門瞬という子が結構きつい口調になるんだけど、その理由というのが「私が負けたら海果の夢を実現できないから」というのがすごく良い。みんな夢の方向はひとつなのに、不器用さ故に想いの方向がバラバラになる。高校生らしくて良い。遥乃についてもおお…となる闇の部分があって、それも良かった。
ギスギスがあっても、その後の仲直りシーンで前以上に気持ちがまとまる(ただし不快なギスギスは除く)。この「百合トロピー増大の法則」が綺麗に決まっていた。
あと、この作品を語る上で欠かせないのが「おでこぱしー」。おでこぱしーを考えた作者に、リリスパの肌を舐めると感情を読み取れる能力を考えた人と一緒にノーベル天才賞(百合部門)を授与したい。おでこぱしーをするために髪を上げる仕草が、もう完全にえっちする前の恋人同士のやつなんよ。最後の方でめちゃくちゃ百合になるのは笑っちゃった。宇宙人さんが、この地球上で最もキラキラしたものである「百合」を学んじゃった。
まだまだ話としては序盤なので続きが楽しみです。