1話を見た時は、よくある萌えラブコメかと思っていたが、まさかここまで熱い作品になるとはなあ…。コスプレというテーマを活かしながら、各キャラの想いの熱さを中心に濃厚なストーリーが構築されていた。コスプレに真摯に向き合いながら、各キャラの成長や人間関係、創作に関する想いや、過去のエピソードなど、すごく丁寧に展開させていた。仲間との友情や、10年越しに想いを届けるシーンとかまさにスポ根。着せ恋でもコスプレに対するこだわりでこのテーマの面白さを感じていたが、今作はそれをさらに上回ってきました。
この作品の魅力はなんといっても制作に対する熱意と愛。好きなものを全力で語るシーンに涙腺が弱くなる。夏コミ編は最初から最後まで完璧だった。漫画家のお父さんに対する気持ちをコスプレというかたちで伝える。ここまで深いその土台作りから着地までパーフェクトだった。この感動はもうどんな言葉でも言い表せない、圧巻の出来でした。自分の人生を変えてくれた作者様に感謝を伝え、作者様を泣かせるという夢のような展開。夏コミ編は、もうどんな些細なシーンでも泣きそうになるぐらいにのめりこんで見てました。
他にも、リリサの初コスプレ会場とか、自分のコスプレ観について悩む展開もすごく良かった。その際に、いちいち先輩のセリフがかっこいいんよな…。榎木さん他キャスト陣のアフレコも極まっており、ひとつひとつの言葉の力に心が震えさせられた。コスプレ側じゃなく撮影側の描写もすごく良くて、各キャラの成長していく様子が丁寧に描かれている。自分の好きっという気持ちを原動力に前に進んでいく展開は良い。ライバルキャラの登場とかも、これをスポ根と言わずになんと呼ぶ。
ここまで各キャラの愛の熱さについて語ってきたが、この愛は「恋愛」のほうにも発展する。作品に対する愛がすごすぎたから、恋愛要素が強くなるとどうかなと思ったけど、それはそれですごく良かった。コスプレは2.5次元だから、2次元への愛だけでなく3次元に対する感情も必要という方向から恋愛に発展するんだが、なるほどなと感じた。この作品らしい恋愛観。2次元だったら一方通行への気持ちだけだが、現実には相手からの気持ちがある。俺にしか撮れない顔があるというのは感嘆した。恋模様に関してはまだまだ描かれていないが、それは二期でやるのかな?恋愛方向でも面白くできるポテンシャルは感じるので楽しみです。
というわけで、想像をはるかに上回る神作品でした。各キャラの愛にあふれた傑作。ギャグも面白く、友情描写も良く、キャラもかわいい。みんなイキイキとしていてすごく魅力的。かつ、次の話への惹きも良く、どんどん視聴意欲が掻き立てられる。素晴らしい作品に出会えました。