どストレートな青春恋愛物語だった。一期は最初から最後まで雛ちゃんの物語だった。一人の女の子が恋を自覚して、告白し、そして敗れるという、ド直球に甘く残酷な物語としてすごく綺麗だった。負けヒロインとしてゆっくり壊れていく様子や、ワンチャンに賭けて告白するシーン。そこから想いを隠さず直球に突き進む姿。そして、負けるだろうと思っていても、いざ結末を告げられそうになると相手の口をふさぐ姿。今まで感情を大きく出していなかったのに最後は号泣。ストレートで綺麗な失恋物語。だからこそ、実らない恋の残酷さをもろに体感できる。すごくよかったです。雛ちゃん関連の話が良かったからこそ、二期なにやるんだ?と不安になる。
でももちろん先輩がらみの話もちゃんと良かった。特に21話での花のシーン。花の育成に例えられる先輩の恋愛観がすごくよかった。些細な良いところを見つけるたびに目がどんどん成長していく。まさにこの作品にぴったりな考え方。
大きなイベントは起こらないのもリアルで良かった。等身大な高校生活にて、心情変化を巧みに魅せてくれたのは見事。あと、些細なしぐさが可愛くて良かった。千夏先輩の「一年違ければ隣同士なのに」というセリフや、メイド服姿で袖を引くシーン、「右手と左手、どーっちだ」ってやるシーン。こんなん35億人中35億人が惚れる。キャラの魅力が引き立っていたね。
というわけで、大きなイベントは起こらない、臭いセリフも吐かない等身大の高校生活での、ドストレートな青春恋愛物語だったけど、それだからこそ甘くて苦いアオハルをもろに体感できる作品だった。他の恋愛作品と比べ特別尖っていたものは無かったけど、すごく楽しめた作品でした。