うーん…なんか話が違う方向に行ってしまった感じがあって微妙だったな。もっと「朗読が好き」という気持ちに向き合う作品だと思っていた。
朗読を描くシーンはすごい良かった。朗読のテクニックとか、演技と朗読の違いとか、音読に関してのいろんな観点が新鮮で面白かった。朗読で領域展開するのも、主人公の声質の違いを表現するのに良い手法だと思った。みんな声が良いアニメの世界だから特有の強さは感じず、読むだけでは登場キャラみたく没入ができないが、領域展開があることで引き込まれる。領域展開なしでは、正直素人が判別できるほど別格の朗読は無かったけど、まあそれは仕方なし。音楽ですら生身で聴かないと一流かどうか判別できないから、人の声(しかも、まわりが声優だからみんな上手い)では区別はつけにくい。でも、主人公が楽しそうに朗読するシーンがすごく好みだった。クラムボンのとことかほんと引き込まれた。
ただ。途中から「勝ちたい。負けたくない」っていうスポコン系になる。登場キャラがみんな火花バチバチ。「朗読って楽しい」みたいな話でくるかと思ったのに、そこで温度差を感じた。主人公の朗読に対する想いも「私の特技はこれくらいだから」ぐらいにしか捉えられていなかった。二期で言及するかもしれないけど。主人公の心情変化の描写も雑だった。主人公ころころキャラ変わりすぎじゃない?って思った。一話での「部活に入りたいです」とか。主人公がなぜこの気持ちになったのかの土台作りをもっと頑張ってほしかった。
あと、いろんなキャラのバックボーンを描く話があるけど、そのキャラ造詣が単純だった。王道の強さはあるかもだけど、別にこの作品でなくてもいいなとなる。そのほかにも、ストーリーとしてはこの作品ならではの強みは感じなかったな…。
というわけで、朗読シーンの引き込みなどは良かったが、それ以外は平凡。この作品のテーマである朗読に対して、もっと「好き」という気持ちを伝えてほしかった。