久々のkeyアニメ。最初はリアルな話で進むのかなと思っていたら、ちゃんとkeyしていた。keyらしくないところは、野球回が無かったことぐらい。
ゲームは買っていたんですが積んでしまい、そうしていたらいつの間にかアニメ化が決まり、ならアニメで見るかとなった本作。事前情報は全くなしで、アルカテイルという神曲があることしか知らなかった。
やっぱりkeyは夏の作品が似合うなと痛感した。何よりも特別な時間であった夏休みを、大人になった再び味わえて満足。夏休みのやり直し、特別な時間の共有、そして夏の終わり。BGMや青空も相まって、夏の特別さと終わりの悲しさ、そして、終わるからこそ夏休みは何にも代えがたいんだというのを心に感じ取ることができました。
個別√では蒼が一番良かったが、やっぱり終盤が一番見ごたえあったかな。未来の夏を伝え、しろはを過去の囚われから解放する。しろはが最後お母さんになって羽未ちゃんとゆりかごのうたでお別れするシーンは泣きかけました。存在の消失や死産なんかは今までの既視感を覚えなくはなかったが、ここにkeyの王道が詰まっていると言っていい大団円でした。
原作未プレイですが少し感じたのは、要所要所を抑えたアニメの作りになっているなということ。一言で言えば、雰囲気に対してテンポ感があっていない。ほかの作品であれば、このテンポはむしろ正解だと思うが、夏を味わう今作においては、要所をきちんとはとらえてはいるが、前後の余韻がもの足りなかったかなと。鴎や蒼√ではあまり感じなかったが、紬やしろはではさすがにそう思ってしまった。じゃあその解決策はなんですかと言われたら、もう1,2クールやるしかないとなるので、製作陣を貶めるつもりは全くないです。むしろ、Airや、P.A.のkeyアニメに比べたらかなり良かったほうだと思う(CLANNADという大正解にはかなわないが)。
そのことも踏まえて、今積んでしまっている原作をぜひともゆっくりプレイしたいなと感じました。記憶が薄れたころにやりたい、と思ったけど、最近のアニメの中でもかなり印象に残ったので、記憶から無くなるのは7~8年後ぐらいになりそうだな。またその時の夏で会おう、未来の俺。
記憶を消して見たい作品は数多くあるのに、そういうアニメに限って記憶に残り続けるのは悲しい矛盾だよな。シュタゲとか、もう一生忘れることは無いだろう。とあるとかワンパンマンとかはもうきれいさっぱり忘れてしまっているのに。
一つkey作品で不満があるとすれば、すぐに恋愛に発展するところ。鴎√とか、絶対にキスシーンはいらなかったと思う。美少女恋愛ゲームだから仕方ないところはあるが、二人が恋に落ちるのがあっさりすぎるんよな。恋というのは、もっと時間をかけて描いてほしい。これは毎回思ってしまう。
というわけで、夏とkeyらしさを存分に詰め込んだ本作。非常に満足できました。
「keyらしい」と上記でさんざん語ってきたけど、実はまだKanonとリトバスとrewrite見ていないんよな。AirとCLANNADしか見ていないのに、どの口がkeyを語るんだ。生きているうちに見てみたいが、アニメで見るかゲームをやるかは、まあ後々考えよう