タイトルの通り、地球で人類に有害なウイルスが世界的に流行して、人類が地球圏から離脱し文明が崩壊した後の、いわゆるポストアポカリプス世界におけるホテルを舞台にした物語
文明が崩壊した後もホテルに勤めていたロボットたちはウイルスに罹らなかったから仕事を継続していたわけだけど、ロボットしかいないゆえの独特なユーモアが面白かったね
主人公であるヤチヨさんはシャンプーハットは絶対に無くてはならないものだと思い込んでいたり、ドアマンロボはドアの開け方に絶対の自信があって、周りのロボットたちも「このホテルのドアを開けるのはドアマンロボしかいない…!」と思い込んでいたり
作品中盤からは異星人がホテルに訪れるようになるけど、その異星人たちもまた一筋縄ではいかない存在ばかりで、最初は謎の化け物?みたいな存在からタヌキ星人というタヌキに似た存在まで
ただ、異星人とのコンタクトというのがこの作品における最も重要な部分だと思っていて、ヤチヨさんからしたら異星人は生態系も不明だし、言語体系も不明で、最初は言語によるコンタクトもできない、文化体系も地球人のそれとはまったく違うのでどう接するのがベストなのか、それを自問自答することになるのだけど、そこに「異種族間のコミュニケーションは成り立つか」といった、SF作品で見かける命題に、この作品なりに取り組んでいるように思えた
また、この作品の良いところはなんといっても世界観で、人類がいなくなって数百年たった後の広大なポストアポカリプス世界というだけでワクワクするのに、特に11話ではほとんどセリフのない進行で淡々と文明崩壊後の世界を旅する様子が描かれてとても満足度が高かった
単話のエピソードは面白かったりそうでもなかったりという感じだったけど、作品を通してやりたいことや伝えたいことは非常に自分好みだったかなと思う