次回予告中の「あの静けさの裏にそんな熱さを隠していたなんて」という台詞、何故今回登場しなかったんだろうと思えるほど今回の隈倉や後藤の内面をよく表していたように思う。
前回、宗谷と隈倉の対局でピックアップされたのは食事風景だった。それはそれで迫力ある映像だったけど、棋士なのだからそれぞれの熱量が注力されているのは盤面。けれど、その熱さは盤面でのみ交わされているが故に他の人物には伝わってこない。だから皆、宗谷が打った一手を意味のないものだと思ってしまう。その一手の恐ろしさを直ぐに理解できるのは宗谷の熱さをモロに受けている隈倉のみ
そして両者の熱さは盤面のみに隠されていたから、隈倉の悔しさも直ぐに表面化せず、一人になった時間になってようやく穴の開いた壁の形で現れたんだろうね
柳原の「タイトル戦で吹っ飛ばされた人間は皆一度は調子を崩す」という台詞も印象的。現在、島田がそんな状態に陥ってるのは判りやすいけれど、もしかして後藤も同じなんだろうか?
対局直後のあの不敵な様子からどうしても忘れがちだけど、後藤だってトーナメントの決勝で島田に「吹っ飛ばされた」人間だったっけ。それを思えば島田の陰口を言った二人への暴言や、最近眠れていないであろう描写も納得できるか。
ただ、調子を崩している理由には奥さんの件も関係してそう。「家族を大切に出来ない奴は屑だ」と零は後藤に言ったけど、奥さんの事を零はどの程度知っているのかな?この点は「熱さの裏に隠された静けさ」なんだろうな