サービス開始日: 2016-03-14 (3557日目)
ちょっとしたバズりからの配信活動があれよあれよという間に大きなムーブメントになっていく様は驚き。それはアマネを好きだと思う人達が増える事によって起きる流行か
アマネはそれこそ好きを世界へあまねく広げた存在と言えるのかな。なら、Aパートの話もアマネを大きく出来る程に好きを広げられるアルマによって好きが広がる余地を思わせる話だったと思えてしまうね
極度の静電気を解消すべく様々な改善を行うも効果は無かったスズメ
トキに言わせれば「好きなものに触れるのが一番のストレス発散」、だとすればあれだけの挑戦をしても解決しなかった静電気がエンジに触れる事で解消されたなら、それこそスズメの好きを介添えしたアルマはキューピッド的存在か
そんなアルマが参加したアマネが沢山の人から好かれたのも当然の話なのかも。いや、手作りライブなんてしてしまう破天荒さに惹かれた人も多いのかも知れないけどさ。あの規模の会場を手作りするとか意味判らんですよ……
年末の大勝負・有マ記念、そのレースに出るだけで日本の頂点に近い存在と喧伝するようなもの。だからか集うウマ娘も強者ばかり
けど、それを見守る出走できないウマ娘達も出走者と自分達を隔絶した存在と捉えずに、走り続けた先にある光景だと捉えていたのは印象的。マーチはオグリが走り続けたから出走できたと解しているし、自分も走り続けているのだと理解している。チヨノオー達も走り続ける事での来年を意識する
それだけにこれがラストランだと捉えているタマモの周囲だけ別の空気となるのだけど…
オグリに謝るルドルフは彼女の走りに経緯を示す。対してオグリも彼女の”奔走”に感謝するのは感慨深い光景
オグリは実際の走りだけでなく、走った実績の意味を見出せるようになった。それはタマモとの向き合いにも活かされるね。もう彼女を引き止めはしない。けど、タマモの走りを超える事で彼女に報いようとしている。だからかタマモも走りがこれで終わりでも歴史に刻む事で走りの勝者で在り続けようとする
そしてレースはそれぞれの特徴や戦術を活かした走りを披露するのを嘲笑うようにタマモが…!いやぁ、本作のレース描写は激アツすぎて体感時間が短いね!
汐莉による人間との関わりが2種類描かれた今回、表面上は異なるように見えるけど実質はどちらも同一であるのは特徴的。向けた感情は異なりながら関わり方の面ではどちらも失敗しているね
昔の少女に対しては多くの場面で何もしなかった。それは汐莉の無関心を反映している。だというのに、別れ際の餞別が両者の関係を壊してしまった
比名子に対しては愛ゆえに何もしなかったが、こちらでも別れ際の餞別が比名子の人生が壊れるきっかけとなってしまう
これは汐莉自身の認識が関係しているのではないかと思えるよ
昔過ごした少女に対して汐莉はほぼ無関心。妖怪なのだから当たり前と思えるけど、美胡の過去と比較できるように、そもそも汐莉が少女や他の人間に対して壁を持っていたから両者は関わりを持てなかった。相手の望みを知らぬ状態で餞別を渡しても喜ばれるわけもなく
汐莉は揺蕩う中で自身を「世界の外側に居る」と定義したようだけど、それ以前の問題として彼女は人間が居る世界に入ろうとはしていなかった
そう思えばこそ、汐莉の世界に堂々と入っていき、彼女を穏やかで優しい世界へといざなってくれた比名子は特別に思えたのだろうね
幼い比名子はまたとない存在である事が容易に見えてくるタイプだね。恐ろしい外見の汐莉を怖がらず、汐莉自身とも言える海を好きだと言ってくれる。そんな少女を永久不変にしたいと望んでしまうのは仕方ない話か
ただ、ここでも汐莉は失敗している。比名子には比名子の人生があると想像できていなかった。だから妖怪である自身の血が人間の比名子に与えられる事で予想外が起こると考えなかった
汐莉の失敗の原因は人間への無理解に起因する。ならせめて必要なのは比名子への理解となるわけで。次回、行われる対話が両者の世界をどう変えるかに期待ですよ
今のアキラが知らない過去を振り返るユウグレによる述懐、冒頭から「二人共一命は取り留めた」なんて全く知らない情報から始まるものだから吃驚させられたよ
視聴者的にアキラとトワサが撃たれた瞬間は物語の分水嶺またはシンギュラリティであるように感じていた。けど、実際は第一話で言及されていたようにトワサの存在こそシンギュラリティであり、彼女は存在するだけで世界すら変革させてしまうようで
だとしたら、彼女がOWELから去った理由もアキラが最終的には探さなかった理由も見えてくるような気がするよ……
トワサの発明に拠って人間がアップグレードされ、人間同士の醜さが表出し、AIが核戦争が起こすなんて典型的なSF展開。一つのシンギュラリティが次なるシンギュラリティを引き起こし、収拾がつかなくなっていく
他方で典型的な光景に全く辿り着けなかった要素があるね。トワサもアキラもあの銃撃事件が起こる前より好き合っていて、アキラは彼女にプロポーズまでしていたのに、二人が結ばれる事はなかった。世界に幾らシンギュラリティが起きようとも、むしろ起きるからこそ二人は分水嶺に辿り着けなかったのかも知れない
だとしたら、二人を模倣した今のアキラとユウグレがシンギュラリティを経由しないままにあの時代を生きられたのはそれこそ結ばれる為だった、なんて考えてしまうね
ユウグレはアキラを見た瞬間から結婚を求めていた。アキラは今の人生を過ごす中でユウグレに惹かれていった
ユウグレ達は確かに前時代の恋人を模倣した存在だけど、トワサ達が辿り着けなかった展開へと到れるかもしれないという意味では大きなシンギュラリティを起こしたのではないかと思える。それはまるでテラの主張を裏付けているかのような点は少し不思議だけど
また、そんなアンドロイドの二人とのエルシーを望む人間であるアモルはどのようなシンギュラリティを経る事になるのかな?
前回ラストであれだけの大見得を切ったというのにイアナは全く力を発揮せずに終わったね。まあ、それがイアナらしいんだけど(笑)
悪を討てず助けられて終わる展開は彼女の無力を示しているね。今回は地下室のシーンに限らず、猿の魔物への対応でも彼女の無力さが強調されていたような
イアナは特別な力を持つタイプでは無いから戦えないのは仕方ないけれど、それにしたって作者でありながら黒歴史に抗う力も持たないというのは彼女の立場が彼女が思う程には優越的なものではないと示唆しているかのようだったよ
後半パートはイアナが置物を持ち上げられない非力エピソードから始まり、猿の魔物を追い詰めてもソルに助けられてしまう。無力さの極めつけとしてアマリリス夫人を助けられない描写もあるね。夫人が毒酒を飲むのは防げても黒歴史が彼女を殺す運命は防げなかった
それは黒歴史世界に対してイアナが何処までも無力であると叩きつけるようなもの。これまで助けた黒歴史世界の住人も安泰ではないという話になってしまう
だというのに、謎の人物はイアナが混沌を生み出しているかもなんて想像するのは不思議だね。果たしてイアナは無力な存在なのか、それともイアナ自身も把握していない特別な力でもあるのか?改めて黒歴史世界でイアナに何が出来るかが問われている気がするよ
最高の一夏の過ごし方を模索するようなエピソードの今回、前半部のナオキとアルマの逢瀬はそれこそ夏が見せた幻のようなお話
視聴者的にはあのアルマが本来の姿ではなく偽りだと判るけど、ナオキに彼女の素性は判らない。素性不明の綺麗なお姉さんと遭遇し、そのままに終わってしまった少し残酷で少し尊いお話となる。けれど、無くしてしたくない物をを大事なものだからと見付けてくれたアルマとの出会いは彼に大切な人夏の思い出を授けてくれたような
ナオキにとってあのアルマは奇跡のような出会い方をした夏の幻だったわけだ
絵日記を埋める為に大移動を繰り返すアルマはやはり規模が違うね
他方でまるでスケジュールに管理されているかのように夏を過ごす様には楽しい夏を過ごせているのかと疑問が浮かんでしまう
それだけに時間に急かされること無く夏祭りを賑やかに過ごす面々の様子に微笑ましさを覚えてしまったよ。だからか、その後に描かれる夏休みの過ごし方も極端なものばかりながら楽しそうだと映る
ラスト、アルマの夏休みが花丸だとナレーターに評価される作りはとても優しさに満ちていると感じられたね
オグリが敗北から受けた迷いを振り切るタイミングと入れ替わるようにして、タマモが勝ちに向けて迷いが纏わりつく様子が
小宮山やルドルフには己の決意を伝えられた。けど、縋るオグリへの伝え方には迷いが見え隠れしているような
そもそも彼女らは何か想いを固めれば迷いを振り切れるような超越者なんかじゃない。だから彼女らをサポートする為にトレーナーが居るわけで
有マ記念を前に、レースに挑むウマ娘と彼女らを指導するトレーナーの組み合わせが幾つも登場した今回、導きを必要とする者達の姿が特に描かれたように思えるよ
突然の終わりを告げるタマモの言葉に動揺するオグリの姿は同じく納得できない視聴者的には当然のものとして映る。けど回想にあるように、かつてオグリはマーチ相手に納得させられない中央移籍を突き付けた事が有った
それを思えば突然の行為に見えても理由があったりするし、それを話せない事情もある。オグリもタマモも相手に踏み込む何かが足りないから、衝突のような擦れ違いが起きる
なら、そんな二人を導く存在が必要となる。タマモにはきちんと小宮山が居るけど、オグリにはメンタル面をサポートしてくれる相手が少ないね…
オグリに並走を持ちかけたディクタの存在は面白い。彼女を指導する小内は「お人好し」なんて評するけど、それ以上のものを感じてしまったな
将来を期待されながらも結果を残せなかったディクタは期待すら無い中で結果を残し世代最強候補となったオグリに思うところは多かったようで
誰も認めないとしても自分は相手をライバルと思っている。だからライバルに不甲斐ない走りなんてさせたくない
ディクタの導きは敵に塩を送る行為ではなく、己を証明する為にオグリに強く有って欲しいという何よりの願いが籠められている気がしたよ
また、オグリの為に骨身を削るベルノの姿も印象に残る内容だったね
最近の比名子は少しずつ明るい表情を見せていた。汐莉に対して友達と思うようになっていた。それら全ては汐莉に喰べて貰うとの約束が有ったからで。なら、それが土台からして嘘だった際に何が起こってしまうのか?
ここで考えてしまうのは、比名子がショックを受けているのはどちらなのかという点かな…。汐莉との約束が嘘である為に死の未来が失われた事か、友情を求めた相手に裏切られた事か
これは比名子自身が整理をつけなければ成らない部分だけど、同時に汐莉が自身の嘘によりショックを受けた比名子をどう捉えるかという点も課題となってくるね
比名子は交友関係が限られている為か、親しく過ごした相手を信用しすぎる面が見られるね
思えば、化け物の姿を見せた美胡を友達と呼んだ5・6話、今回の傷を見せようとした行為。比名子を避けて顔を見せない汐莉がそれでも近くにいると信じていた点等々
充分に親しいのだから相手が嘘を吐く筈がないという思い込みが垣間見える
それは水底に沈む暗さを持つ比名子という人物がそれでも持ち合わせる陽の気を感じさせる。他方でそんな比名子を裏切ってはならないというプレッシャーにも成り得るものだね
汐莉が明かす裏切りと嘘は比名子が信じていた諸々をぶち壊すもの
汐莉に喰べられる死の未来も家族が生存を祈った生の過去も存在しなかった。また、そんな嘘を言動面では悪気無さそうに語る様子も信頼を壊すもの。ひとでなしと蔑まされるのも仕方ない
…直後に美胡とのデート(?)が始まるのも別の意味でひとでなしだけども!
妖怪同士の両者が語るのは嘘偽り無い人や動物に対する物の見方。美胡は人との間に縁を見て、汐莉は肉塊としか見ない
だとすれば、現状でも人間をそのように感じる汐莉が比名子だけは特別扱いするのはどのような背景なのか?秘められた彼女の真実が気になる引きでしたよ
キャスタについては色々と勘違いしていたかもなぁ……
彼女がどのような人間かは声の大きなヴァーリや賑やかな子供達が盛んに語ってくれた。でも、それは彼女を正しく分析した言葉とは言えず
ヴァーレは好みを勘違いしていたし、ルーヴも本心までは見抜けなかった
それだけに傷つく心を尊重するように描いてくれたキャエロの絵にキャスタは涙を浮かべるし、決心するきっかけとなる
見たくないもの、見ていなかったものを見る事は辛いけど、逃げられもしない行いなのだろうね…
見たくない、という意味ではアモルにとってアキラとユウグレの関係が該当するか
最初から二人は特別な関係だった。そこにアモルはエルシー制度を盾に割り込んだ。けど、それは二人がどのような関係であるかを正しく理解する事から逃げていたかも知れず
デート以来、アモルは二人が互いだけを特別に見ている様子ばかり見せられる。でも、キャエロと同じようにアキラの表情を描いてしまったなら、アモルはもう逃げずにアキラの感情と向き合っているという事だろうか……
そして、最も見ようとしていなかったものが描かれた終盤の展開は衝撃的。確かにあの可能性は考えて良かっただろうに、一切思いつかなかったのはアキラにとって見たくもない現実だからか…
一方でこの点はユウグレ自身も目を逸らしていた部分ではあるのだろうね。アキラに残酷な真実を告げたくなかった。だから禁則事項なんて言って隠し続けた
見たくないものに直面した二人の関係は壊れてしまうのか?それとも明かされるトワサの真実がアキラに別の何かを見せるのか?次回が本当に気になりますよ…
ヒロイン級の人物が危機的事態を予感して「闇を感じる」って言った時に、それが主人公の黒歴史的な闇を指してる事ってあるかな(笑)
ただ、それはアマリリス夫人が醸す闇は未熟な部分があり、黒歴史由来の闇を発するイアナと良い勝負をしていた為とも受け取れるけど。噴水近くの像の顔を動かして地下室への扉が開かれるなんてちょっと厨二病っぽいと見れなくもないし
つまりアマリリス夫人の闇を打ち砕く為には、夫人以上の闇をイアナが披露する必要があったわけだ
アマリリス夫人の悪事を暴くと言っても、何の力も無いイアナじゃ行動に限界はある。だからシャノウの協力が求められる訳だけど、その際に彼の認識を変えるのはイアナが抱える黒歴史という闇か
イアナは作者として黒歴史世界やその住人と向き合う為に命を懸けると覚悟した。それはただ友人を探したい、自分の無実を訴えたいという以上の決意であり、イアナという人物しか醸し出せない闇の発露だろうね
だからシャノウも彼女の闇に圧されて協力する気になった
対峙したアマリリス夫人は言動から何もかもが闇に染まった人物。けれど、佐藤コノハ発案の黒歴史衣装を脱がせられなかったり、「卒業したわ!」と言われて動揺したりと闇の存在として完成されていない点が見え隠れしている
彼女を上回る為にイアナは更に闇を深くする必要があるね。聖なるコノハの台詞を借りたってアマリリス夫人を改心させられない
己は不幸にもイアナに転生してしまった作者ではなく、稀代の悪女イアナだと自己認識を改めた彼女は闇の存在へと覚醒しようとするアマリリス夫人をどう止めるのだろうね?
アルマを誘拐するとかこの犯人大丈夫か?と心配していたら、あっとう間に和やかな雰囲気になって、それどころか就職面接が始まる展開はぶっ飛び具合が相変わらずとんでもないね
アルマは奈和野を脅威と感じない。それは敵と思わないも同義、なら友達を欲する彼女は彼を手助けしたく成る。そうして彼の良い点を見出し再就職に繋げていく流れはやっぱりとんでもないが、奈和野が何を望み何をしてあげるのが最良か考えた上での行動をしたと言えるのかも
街中に巨大生物、兵器として生み出されたアルマの本来の在り方なら巨大生物の破壊が正しい
けれど巨大生物を兄弟と認識するアルマは相手の意志を無視して倒す事を正しいと思わない。そのような彼女が中心となるから、むしろ巨大生物が何を望んでいるかを探り、適切な向き合い方を見いだせるわけだ
またそんな生物を用意したスズメに対して、今の自分がどれだけの友人に恵まれているかを語り、安心させる姿はスズメをも救ったと言えるのかも
今回の話はトンデモエピソードだったけど、その中でアルマは相手の為に何をすれば良いかを学ぶ話でも有ったように思えるよ
ジャパンカップでの敗戦はオグリを過剰なまでに凹ませる事案となったようで
また、オグリ程ではなくてもベルノも配属からの精進を決意しているし、他所ではヤエノが敗北を受け入れて自分の歩み方を決めている
敗北は次の勝負へ向かう糧に出来るもの。けれど大きすぎて受け止められない敗北は向き合う事すら難しい。オグリが対面した苦悩はそういうものだね
ここで面白いのはオグリにとって難しい悩みは他の者にとって理解する事すら難解なのだけど、それでも手を差し伸べようとする姿が描かれた点か
オグリの敗北に直面したベルノはやばい感じな3人組の力を借りても知識を増やそうとするし、次のレースに向けて準備も始めている。実際に走る訳では無い彼女に出来る事なんてオグリに比べたら少ないのだろうけど、それでも動かずに居られない
また、六平もスクーリングを効果的に実施する為、各所に連絡するなんて手間を踏んでくれているね
オグリがゾーンへ突入する事を直接に助けられたりはしない。けれど、何も出来ないと諦めたりもしない
その諦めなさの象徴として再登場したのが北原か
彼は別にオグリの悩みを理解できる訳でも中央のトレーナーに成れた訳でもないが、走り勝つ気力が失せたオグリに何を授けれれば良いかは知っている。ここでカサマツの面々と再開できるとは気持ちの良い驚きでしたよ!
北原は試験に落ちたが「何度だって挑戦すれば良い」と吠えた。マーチもオグリのライバルとして今も負けるつもりなど無い。両者が示す負けに屈せず勝ちを諦めない姿勢こそオグリが次の勝利へ向け一歩目を踏み出す為の必要な力で、走る事が好きだという初期衝動を思い起こさせるものとなったのだと判る良エピソードでしたよ
汐莉から友達に成れないと告げられた事を悩む比名子。それは多くを望み始めた為に生じる悩みかな
元々の約束を考えれば二人は喰べて喰べられるだけのいずれ終わる関係。なのに比名子は友達を望み、汐莉は当然のように否定した。それは間接的に終わりを望まないかのよう
果たして比名子は終わる死を求めているのか、続く命を求めているのか。この問答はあやめという特殊な人物が登場した事で強調された気がするよ
助かったのが不思議なくらいの事故から1人だけ生き延びた比名子を知る美胡は彼女の生存を喜ぶ。けれど、当の比名子は家族の死を哀しみ続けるから己の死を望む
比名子がそうした心境であると知るから美胡も汐莉も彼女を全力で守ろうとする。しかし、比名子自身は生の望みがないから助かろうとしない
それがこれまでの構図だっただけに、あやめに襲われた際に逃げ出し身を守ろうとした比名子の行動は意外に見える
その自己矛盾は意識した瞬間、比名子を死へと向かわせるけど対する無意識が彼女を生へと引き戻すね。だからか、助けに来た汐莉の存在の意味も少し変わってくるのは印象的
あやめによって明かされる妖怪の好み。それは普段の汐莉の行動含め、尚更に比名子を死から遠ざけるもの。どうして汐莉は共に居れば比名子を死に近付けられると嘘を吐いていたのか。妖怪らしく嘘を用いていた彼女の本性やその矛盾を考える時が遂に来たようで
あと、ゲストキャラという立ち位置である為に深堀りは難しかったあやめだけど、エンディング映像の中で彼女の来歴について、ちらっとでも拾ってくれたのは嬉しいな
連れ子を死なせ、自分も死ぬくらいの怪我をしたのに妖怪として生き延びてしまった。そんな彼女が抱き続けた後悔が比名子から「お母さん」と呼び認められた事で多少でも癒やしへと繋がるのなら、彼女が生き延びてしまった事にせめてもの幸いが詰まっているように思えてしまいましたよ
絵本を守ってくれた事でアモルの中でアキラへの想いが急騰しているようで。トキメキ感情に戸惑いつつ彼への想いをより強くしていくアモルは可愛らしいね
ヨクラータに言わせるとその状態は恋によって認知が歪んでいる状態のようで。そんな言及があったせいか、今回は同じように想いの強まりによって認知が歪み、視野が狭まる要素が幾らか描かれていたような
というか、単なる人助けエピソードに思わせて、裏では面倒な事態が進んでいるように思えるのですが……
今回登場した愛の形はアキラがよく知る家族の形に似ていたね。ただ、似ているが故に現代でよく見られる類の問題も同居していたのは何とも言えないが
ただ、二人の愛はヴァーレの主張が強すぎるが故に認知の歪みが生じる仕組みともなっていたような
妊娠中に不倫だなんて許せる筈がない。その後の関係が何も無しに続くのは難しい。だとしたら、そこにはヴァーレの愛に隠れたキャスタの愛が存在する筈で
「私の愛は重すぎる」とはどのような背景に依拠した言葉なのかと勘ぐってしまうね
認知という意味では意外な姿を見せたのは絵本か
絵本というのだから子供向けの寓話をイメージしていたけど、そこにあったのは世界の真実に繋がりそうな禁書。歪んでいた認知を直す事でアモルの両親が何故そのような真実を知っていたのかという新たな謎が浮かび上がってくる
また、トワサの謎はOWELが知っていると思われていた。なのに、実際はOWELも知らずユウグレだけが知っていた?歪んでいた認知が視聴者にまで余計な思い込みを生んでいたと知れるかのような展開でしたよ
全てがコノハを中心に回っているかのような黒歴史世界でイアナに友達が出来たのは僥倖と言えるか
イアナって基本的に嫌われる運命の下に居る人だから些細な言動が彼女の不利に動くなんてよく有る展開。けど、メノアに関しては思い付きの行動が彼女を助け、そして信頼を得るきっかけとなったね
これまでに無い黒歴史世界での友達という存在がイアナにこれまでに無い行動をさせる原因となっているのは面白い
メノアの失踪がイアナに疑いの目を向けさせるのはいつもの展開。しかし、自身が無実と知るイアナは黒歴史に無い展開から誰を疑うべきかの答えを当初は持たないね
これまでのイアナは自身の潔白を証明する元手として黒歴史知識を使ってきた。自身やコノハに脅威が向かない展開をすぐに思い出す事は出来ない。それが変わるのはコノハが不調を起こしたから
自身の処刑を回避する為ではなく友達を助ける為に。黒歴史知識を防御から攻勢へと転換した瞬間と思えましたよ
今回はアルマの拡張性を意識させるような表現が見受けられたね。
ロボットであるアルマにとって出来る事を増やすのはそのままの意味で能力の拡張と言えるのだけど、一方で娘として見た際には成長と言える
その成長には良い影響も見られれば悪い影響も見られる。トキの絵を見てエラーを起こしてしまったように、外から取り込む要素によっては宜しくない成長を齎すものもあると知れる
エンジはそのようなアルマを心配するけど、逆にエンジを心配して肩叩きする姿には良い成長が見られたかな
拡張性が最も出たのは学校乗っ取りか。授業参観日にあのような事をやらかすのは度肝を抜かれる
アルマ主導でより良い学校教育を実施する様には素晴らしい成長が見られる。けれど、通う学校だけでなく世界まで意識してしまうと拡張性の度が過ぎる。発展途上のアルマが全てをカバーするなんて不可能だし、友達と同調出来ない成長は彼女が望むものでもない
あの話はいわば失敗談として機能しているのだけど、他方でそのような挑戦をしたアルマをエンジとスズメは良い挑戦として褒める様には家族愛を見てしまったよ
前回、比名子と美胡の関係が壊れず友情が保たれるものとして描かれつつも、比名子はいずれ来る終わりを変わらず意識していると知れた。続く今回は終わりを齎す比名子と汐莉の関係にフォーカスされていたね
比名子がどうしても隠したかった疵痕は二重の意味が籠められていたような。汐莉の食欲が失せるかも知れない、仲の良い汐莉から幻滅されるかもしれない。比名子は「大丈夫」という嘘で汐莉との関係を保とうとした
けれど汐莉は嫌な素振りを見せなかったね。その姿勢は比名子からより信頼を得られるものだけど、汐莉は一線を引くようで…
仲の良さを深める比名子と汐莉に対して、いつもの「むかーっ!」な感じに突っかかる美胡はコミカルながらも重要な点に言及しているね
ひとでなしな汐莉と似た感覚を幾らか持つ美胡は二人の関係に理解を示せない。他方で似た感覚の汐莉は自分達の欺瞞も美胡の欺瞞も気付いている
その点を見るに汐莉の方が比名子との関係を整理できていると言えるが、それだけに整理できているなら何故比名子を全肯定する友人のような立ち位置を取るのかという疑問が湧いてくるね
汐莉の存在は比名子にとって都合が良いだけに、そこには妖怪らしい嘘が潜んでいるのではないかと思えてしまう
比名子を惑わせてしまうのは第三者に拠る観測か。いずれ喰べられる関係の自分達は友達などではない。けれど比名子と楽しくお出掛けして比名子を肯定してくれる汐莉は友達のように思えてしまうし、あやめも嘘偽りなくそう言及する
なのに肝心の汐莉は友情を否定するわけだ。都合の良い存在として傍に居る彼女はその一線は譲らない
美胡は比名子と親友でいる為に嘘を用いていた。ならば、既に傍に居てくれる汐莉が用いる嘘とは何なのかを改めて考えさせるエピソードとなったよ
これまでも様々な愛の形を描いてきた本作だけど、セシャトは一際に強烈な愛の形を持った人物だったね
ヨクラータが示す愛に溺れる事はあるけれど、それ以上に彼女を突き動かすのは本への執着。誰の物にもしたくないという愛が強すぎて自分で大切な本を破壊するなんてかなりぶっ飛んでいる
けどそんな自己中心的なセシャトの姿が描かれた事で、時には相手の為に自分を犠牲にしたり我慢したりするアキラとアモルの愛が際立ったようにも思えたよ
アモルはアキラとユウグレが二人で出掛けていた事により感じた辛さは伝えた。けど、それを以て二人の愛は否定しないし会った事もないトワサを含めたエルシーも提案する。が、最後には忘れてと伝えてしまう
対するアキラもアモルに問われてトワサの良さを語りはしたけど、ユウグレの顔はちらつくしアモルの前だからかそれ以上は語らなかった
どちらも相手を慮って相手を自分の想いを少し我慢させてしまう。この点は閉架室に侵入する際の行動にも見て取れるね
だとしたら、どちらかの本しか取れない状況でアキラが選ぶ行動はアモルを思い遣るものになりそうだけど…
黒歴史世界の住民は基本的にコノハ上げイアナ下げ。コノハの周りには人が集まり、イアナの傍から人は離れる。それは特にイケメン達においても存在する傾向
それだけに黒歴史において設定した覚えのない人物の登場や他の女性キャラの登場はイアナにとって尚更にあの黒歴史世界との向き合い方を難しくさせるものだね
自分が設定した話を知っているなら事前に対処できる。でも知らない話ならイアナは動きようもないわけだ
作者が見知らぬシャノウはコノハに魅了されないし、イアナを過度に嫌うわけではない。けれど、イアナ達以外に存在する女性によってシャノウとの関係は悪化するね。佐藤コノハが軽視していた女性だってあの世界では生きている。だから妹が失踪したシャノウはコノハを視界に入れないままイアナを狙うわけだ
コノハを中心に廻る事が当然の世界だけに黒歴史で設定した覚えの無い女性はイアナの弱点となるね。アマリリス夫人の誘いを受けて危うい時期に外出する羽目になるし、メノアとの関わりは何か厄介事を引き寄せそう
失踪事件は黒歴史のお話かそれとも別物か。今度はイケメンではなく女性がイアナを困らせる案件となりそうだ
冒頭から小さなアルマに驚かされたけど、続けてJKアルマというミニアルマより背徳的な存在が登場して尚更に驚かされましたよ
アルマをスペアボディに載せたのはメンテナンスのため。だというのに、別の格好で楽しむ事に夢中になって、コスプレパーティーとなってしまうのは当初の目的から随分と迷子になってしまっていたね
それでも何となく満足感が得られるのは彼女らの日常が家族愛等によって満たされているからか
ネオンは判りやすく目的が入れ替わってしまっている。当初は兵器としてのアルマを求めた筈なのに、彼女に魅せられた挙げ句友達に成るなんて。おまけに中学生なのに小学校に転入しちゃうなんてぶっ飛んでいるよ
スズメが体調を崩してアルマが面倒を診る。その熱心さは微笑ましいものの、手段が迷走する様は珍しい。でも、エンジの回想から判るように、体調を崩したからとアルマやエンジにスズメが心配される関係性こそ実は珍しいもの。それはアルマを作る目的が当初から入れ替わった為に生じた心温まる家族的な光景だったのかもね
ただ、あの不謹慎な看護ベッドは何だったの……(笑)
本性を隠していたオベイの過去から始まる今回。誰もが騙された情報は彼女の宣言通り、徹底的に隠された事に拠るもの
相手には情報を与えず自分は情報を得る。それは情報戦における圧倒的なリードだけど、彼女は情報だけで勝利を手にしたわけではないね。そもそも芝2400を制する脚力がなければ実現できない
母国では勝てなかったオベイが遠い異国で掴んだ勝利。それは念願であり奇跡であり唯一であろうと察せられる尊いものでしたよ…
彼女がG1を制する為に行った戦略は徹底的。最大の要注意人物と成るタマモへの対策も完璧
それでもタマモはオベイの肝を冷やかす程の接戦を見せた。なら、情報を握っていたとしてもオベイは実力に拠ってタマモに勝つ必要があったと言える。そうしてあのレースにおいて勝てる力を発揮できるウマ娘だったからこそ、トニビアンカは両者に敬意を払うわけだし、オベイも競り勝ったタマモに敬意を示したわけだ
だとしたら1着争いに絡めず敬意を示す対象とされなかったオグリは後少しの距離を詰める為に何を掴めば良いのだろうね?
美胡の情の深さ、覚悟の強さが描かれた冒頭、比名子が応えるように偽りの過去を超えて彼女を改めて友達として求めた様子には心が温かくなってしまったね
…それだけに、二人の間に平然と割って入れる汐莉の強メンタルにもビビってしまったが
美胡は比名子を守りたいから己すら削る。比名子は美胡に笑顔で居て欲しいから彼女に応える。それは麗しき友情なのだけど、比名子の幸福を考える美胡だからこそ気付けない比名子の晴れない闇に暗澹たる気持ちになってしまったよ…
犬猿の仲が過ぎてもはや仲良さそうに見える美胡と汐莉は漫才をしているかのよう。二人を見詰める比名子も楽しそう
けれど、実態として美胡と汐莉が仲が良くないように、比名子も実態としては単純な楽しさを覚えていた訳では無いようで
掛け替えない友人とよりを戻しても彼女は希望ある未来を望んでいない。暗闇へ進もうとしている
なら、察してしまった汐莉が彼女の前に立ち籠める闇を取り去らう必要があるのだろうけど…。ひとでなしでしかない汐莉が本当の意味で比名子の笑顔を取り戻す日は来るのかな…?
登場当初は結婚マシーンみたいだったユウグレが真っ当に恋愛している事に成長を感じてしまう……
それは過去においてトワサが言及していた「AIは人間に恋をするか?」に回答するかのような光景。ただ、これは「AIだから恋が出来た」というよりもユウグレがアキラに結婚を求める中で芽生えた感情のように思える
恋は他者へ向ける感情の中で花開くという視点が提示された今回はそれぞれの恋仲における感情の向け方にフォーカスされていたような
最近までユウグレが向けてくる感情に対して一線を引いていたアキラだけど、状況は積極的でも行動は控えめなユウグレを見て響くものが有ったようで
これは彼女がこれまで向けてきた感情が結実した形かな。恋を強調しない行動だから、これまでにアキラを助ける為に彼女が行動原理を曲げたり、理不尽な行動に出た事が思い返された。そうしたユウグレがアキラに向けてきた感情がアキラを振り向かせたと言えるのかな
ただ、アキラはトワサへの愛を捨て去ったわけではないから、その調和がどうなっていくかが今後の課題かな…
ユウグレがアキラとデートするのを他所にアモルは蚊帳の外。彼女はアキラだけが好きなのではなく、二人が好きだから二人の楽しみを邪魔したくないと思う。けれど仲間外れにされる事で不満は覚える。その不満はアキラとユウグレに向ける感情を強くさせるものだね
ヨクラータが言うように「愛とは利己的なもの」、恋は相手に感情を向ける中で育まれるけど、まず己が無いと発生もしない。そう考えると、最初はユウグレに譲ったアモルがその後悔から二人とのエルシーを強く決意するのは当然の展開だったのかも
そして懸念されたアジサイとハニヤマはまあ割とスッキリ出来る感じに解決したね
そもそも二人の場合は互いへの感情をきちんと向け合っていた。ただ、向け合っているのに話すべき事を話していなかったから不満と不安が生まれていただけで
互いに心を明かし合い、想い合っていると知れればそりゃ解決もするわけで
…このように相手へ向けた感情を明かす事で人間関係が改善される例を見ると、どのような感情を持っているのか、そもそも何を考えているのか不明瞭なヨクラータが旅に同行する展開は不安感しかないのだけれど……
ヨミとソルの決闘を止める、剣を握った事もないイアナにとっては綱渡りの荒業。むしろ頭を地面に擦り付けて謝る方が遣りやすい
そうした悪女・イアナらしからぬ行動が結果的にギノフォードの信頼を得る元手になっているのだけど、そのような遣り方では悪女・イアナを愛するヨミは納得させられない。その時、イアナ…というより佐藤コノハが採った行動は彼女のこれからにおいて分岐点に成りそうなものに思えましたよ
佐藤コノハの遣り方でヨミを納得させられない彼女が採用したのは悪女・イアナの流儀だね。周囲と同調するのではなく、圧により己の思うが儘を通す
それは黒歴史の在り方を肯定する考え方。この点はギノフォード相手にも見えるね
そもギノフォードは佐藤コノハにとって理想の婚約者。なら彼が佐藤コノハ以外を愛しているのは本当は思う処があるだろうに、むしろ自分の平穏の為にコノハが愛される状況を肯定した
これらはイアナがこの創作世界とどう付き合っていくかを定義づけるものとなるね。ただ厄介なのは、こうなると悪女・イアナはこれからも暗殺者・ソルに命を狙われかねない状況が続くという事で…
彼女の受難はまだまだ終わらないようです(笑)
ゾンビだとか幽霊だとか常識では説明できないホラー現象は説明できないからこそ恐ろしい。一方で、オカルトな怪現象であっても一旦まともな説明が出来てしまえばそれは少し不思議な現象、つまりはSFという名の少し不思議なホラーに収まってしまうわけだ
本作の場合、その少し不思議は真っ当にサイエンス・フィクションとしても成立している点は面白いね
AIに創作を担わせる展開は少し身につまされる要素があるけれど、これも高性能AIが存在する世の中ならではのSF的な話と捉えられるね
AIに創作活動を任せられるようになったら人は何処まで任せてしまうのか?またAIによる創作を人間は見破れるのか?そのような問いかけを含んでいるようなそうでも無いような
Bパートはサイエンス・フィクション的なエピソードでありつつ、任せるだけ任せた後に自分が創作しなければならなくなった際、創作方法を忘れてしまう点は少しホラーっぽいと見る事も出来るかもしれない
アルマとマキナが自転車で飛び出すのは子供らしい光景と言えるが、その勢いで月まで行くのは超展開過ぎる(笑)
どう見てもギャグ展開なのだけど、彼女らにとってエンジ達が居る地上に戻れないかも知れない状況は少しホラー。他方で宇宙で遭難した際、幼女に出会う展開もホラーかもしれない(笑)
でもでも、宇宙に突入した自立型ロボが自己判断の果てに地球へ戻って来る展開はサイエンス・フィクションっぽいお題かもしれないし、普通に考えて小さな女の子達がちょっと遠くまでお出掛けした小さな冒険譚と捉えられたり出来るような出来ないような…
いや、それでもやっぱりトンデモ展開でしたよ!
レース開始を前に周囲の熱量は上がり、取材攻勢も面倒なものに成る
けれど、渦中のウマ娘達は意外に落ち着いているというか、冷静に熱くなっているといった印象
それもこれも全てはウマ娘が熱を放出すべき時はレースが始まってからであるため。そうしたルールに則って彼女らは互いを牽制している
だとしたら、レース前に自分の走り方というルールを変えようとしたオグリからは隠された焦りが見えていたとも言えるのだろうけど……
始まったレースは海外勢のラフプレーに圧される展開に。違反行為に成らないのはあれが彼女らにとって常識的なルールであり、日本と海外のルールがぶつかり合うレースはそれこそ日本と海外の強さを競うものと成るわけだ
だからこそ、日本勢代表と言えるオグリやタマモの走りに期待が集まったのだろうけど…
オグリは自分のルールを捻じ曲げた事で一転して不利に、逆にタマモは自分のルールに則った走りをした事で逆転への道が開かれた印象
けれど、自分のルールを貫き通せばレースに勝てるという話でもないわけで。むしろ自分の走りが出来ている状態がレーススタートとまで言える
最後尾から前へと躍り出たタマモ、俯瞰位置から猛追を始めるトニビアンカ。どちらも強烈なオーラを纏い、これぞ勝者という圧を感じさせる。それこそ激烈なレースを征する勝者が備えるべきルールに則っているように感じられる
それだけにラストに顔を覗かせたルール破りとも言えるジョーカーの存在に興奮させれてしまう。次回にて描かれるだろう諸々が本当に待ち遠しいよ
露わになった美胡の正体はまさしく美胡が人間ではないと示すものであり、前回汐莉がした話と合わせて、比名子と美胡の関係に偽りが有ったと示すものに成るね
それどころか、比名子の血に反応する様子は美胡がひとでなしの汐莉よりも妖怪寄りの存在であると示してくる
これではまるで人間と思い込んでいた美胡はもう比名子の傍に居る資格など無く、逆に最初からひとでなしだと主張してきた汐莉の方が比名子の隣に居られるかのような錯誤を抱いてしまうね
けど、回想から判るのは美胡は自然に人の隣に寄り添うようになったのではなく、努力や時間の積み重ねによって人の近くに棲まい、そして比名子の親友になったのだと見える
美胡の正体が嘘だったとしても、その想いに嘘が無いなら比名子も美胡との関係を取り戻せる。美胡の正体に依る形ではなく、行動に依り友達と再定義できる
だとしたら、ラストに美胡が示した行動は比名子だけでなく美胡自身をも裏切ってしまうもののように思えるが…
さておき、今回も和やかCパートが有った事に衝撃を受けてしまった…。確かに癒やされるけども!
カルクラムとフィーデスはアキラ達が関わった事で無事に添い遂げられそうで
彼らは真実の愛を見付け、手に入れられた。なら二人を手助けしたユウグレとアキラはどうなるのか?という点やそもそも愛の形をもう少し深堀りする回となったね
アジサイとハニヤマはエルシーをしているから、そこには愛がある筈が諍いが耐えないようで。また、共に登場したヨクラータはエルシーもしないで複数の女性にちょっかいを掛ける色男
カルクラムとフィーデスが衝突は有りつつ真っ当に愛へと辿り着いた事を考えると両者は変化球的な印象を覚える
トワサに関わる隠された事実をアキラは知れたけど、今以上は近づけない。そもそも寿命で死んでいると思われるトワサに近づくなんて普通は無理
その意味では今近くにいるユウグレやアモルと向き合う方が健全な愛と言える。が、アキラはトワサへの愛を捨てきれず向き合えないと
反面、何も想ってない訳でもないのだろうね。ユウグレがアンドロイドと知っていても庇ってしまうし、アモルが混浴に混ざれば笑顔を浮かべてしまう
なら、ユウグレへのお礼を申し出たのは彼女にせめて報いたいと想ったからか、それともユウグレへの愛に目覚めつつ有るのか。アキラの愛はこの先誰に届くのだろうね?
ヨミがソルの命を本格的に狙い始めた事で作中人物同士の軋轢が更に強くなった形。ソルやギノフォードはコノハを守る為なら何でもする。ヨミはイアナの願いを叶える為なら何でもする
佐藤コノハによって定められた設定が両者に軋轢を生み、それが回り回ってイアナを苦しめる。その意味ではこの事態の遠因はイアナ自身なのだけど、無力な彼女にこれらを収める力は全く無いという点が本作の特徴となってくるのかな
イアナの為にソルを害そうとするヨミはいじらしいが、そもそも暗殺者に暗殺が通じる訳もなく。そのお粗末さや焦って決闘に持ち込むヨミは危うい。他方でイアナが原因で怪我を負っているソルだって危うさが有る
全ての原因はイアナであり、全ての危害はイアナに向かうかも知れない。なら、イアナが傍観者として決闘を見守るなんて誤りだったわけだ
けれど、彼女が無力である点は変わりなく。ヨミが向ける狂気の愛を前に創作者としてイアナは何処まで彼らを守れるのだろうね?
自室が用意された事で益々エンジとスズメの娘らしさが増してきたアルマ。そんなタイミングで登場するのは彼女と似た境遇のマキナですか
娘として扱われるアルマが先に存在する事でマキナについても娘的な要素を見てしまうけど、常夜は彼女を可愛がる存在として造ったのではなく、自らの目的の為に造り出した
なのに、娘要素を強く持つアルマとの関わりにより、最終的にマキナも娘のように感じられるのは面白いね
常夜はマキナと和気藹々と過ごしたくて造ったのではなく、明確な目的の下に造っている。常夜の視界にエンジがあまり入っていなかったように、マキナを娘として見ていた訳でもなかった
でも、アルマは常夜が当初のエンジ達と似た構想でマキナを造ったと知ったが為にマキナを妹と見れる。そうなればマキナの不始末を姉として解決する気概も抱ける
最終的に常夜もマキナを都合の良いロボットではなく大切な家族であるかのように抱き締めるし、マキナも彼女を慕っている姿がより見えて来たね。アルマに妹が出来ただけでなく、もう一つの家族の形まで見えてくるかのようでしたよ