サービス開始日: 2016-03-14 (3327日目)
己が何者かと定義する事で行動目的や行動様式に影響するわけだけれど、それで己という本質まで変わってしまう訳ではないという話だったのかな
奈津は親孝行を決めてから行動が変わり表情も変わった。そこには己の定義が関わっているね
同様に甚夜も己が鬼になったとの認識から生きる目的を狭めていたけど、おふうは異なる捉え方をしてくれたね。甚夜がどう変わろうと思い出はそこかしこに咲いている。甚夜の中に留まっている。鬼になったとて甚夜という人間性は変わらない
ならば復讐にひた走った茂助も同じだったのかな
辻斬り鬼を見掛け、彼はいつにない表情で斬り掛かった。けれど彼の本質は変わらない、力ある鬼には勝てやしない
でも彼の本質はもっと前に存在していたと判る回想は良かったな。戦うよりも安穏と暮らす事を選んだ彼は人助けをついやってしまう男で。はつは彼の本質を見て、茂助の正体に関係なく好きになり、二人は夫婦になったわけだ
だというのに、はつ自身があんな事になるなんてなぁ……
鬼になっても家に帰ろうとする彼女の想いは変わらない。けれど、人の悪意と暴力に晒された彼女の本質は歪められてしまった。それこそ愛する夫を感慨なく殺してしまう程に
もはや元には戻れない善き夫婦を知る者として葬りつつも、同時に餞も遺し、まるで二人が今も仲睦まじく会話しているかのように整えてくれたシーンにはほろりと来てしまったよ
また、鬼のような心を持った人間を正しく討滅した甚夜の行動には彼の変わらない本質が見えた気がしたね
一度見ただけのスイーツまで作れるなんて猫猫は本当に凄いね
本来は見様見真似や知識だけで出来る事に限りはある筈。それでも彼女がアイスを作り上げられたのは彼女の基礎能力が確立されているからか
勿論、アイスは完璧な作りに出来たわけではない。それでも間に合わせの代替品として提供するには問題ない。何よりもそれによって小蘭や子翠の笑顔を守れたのなら充分
ただし、見様見真似の代替品で間に合わなくなったのがBパートの話か
猫猫は薬屋と呼ばれ様々な難事を任される程に頼られている。でも、それは彼女が出来る範囲の対応に留めている点と後宮の医官がヤブなんて呼ばれる程に頼りないから
薬に関する知識と見様見真似しか持たない彼女では外科手術が絡む領域は如何ともし難い。そこで無理に自分を代役とせずに養父を頼る選択が出来た猫猫は己を弁えているね
ただ、玉葉妃側にすれば玉葉妃こそ替えの効かない人物。それ故に紅娘は反対したのだろうけど…
子を産む為に何をすべきか、何を信頼すべきか。それを冷静に見極めた玉葉妃は高潔な人物ですよ
今回は出逢いにフォーカスした話となったような。そもそも球場が多くの人が集う場所といえるわけだし。その様はまさしく袖触れ合うも他生の縁といった処か
デニスの状況は判りやすいね。彼はメジャーへと自分を連れて行ってくれるスカウトとの出逢いを求めていた。けれど彼が出会ったのは思わず虜になる程の女神。一時的には集中不足となるけど、偶然の作用は彼に球場の大歓声との出逢いを齎す。また、その出逢いが彼にチーム愛精神とも邂逅させるものとなっていたね
サン四郎は色々な人と出逢ってくれるマスコットかな
バッティングに悩む者が居ればアドバイスし、英語を話す者が居れば英語で返し、不調を来すルリコを案ずる発言をした。球団を訪れる者達に楽しさと出逢わせる際に無くてはならない存在だと判る振る舞いばかり
でも最も多くと出逢っているのは売り子だったのかもしれない
良い客にも悪い客にも出逢いつつ、そして村田とも絡んだりしつつ売り上げたビール150杯はルリコがあの日球場で出逢った人の数を示していたと言えるのかもしれないと思えたよ
鬼と目される辻斬り退治を行う事になった今回。けれどその協力者こそ鬼であり、また追い詰める甚夜とて鬼である構造は少し面白いね
被害者は人間だけれど2人は人間を守る為に辻斬り退治をするわけではない。それぞれの目的・背景・歴史の為に討とうとしているから、そこでは人であるか鬼であるかは本質的な問題とならない
ただ人を害する辻斬りを許せないという想いがあるだけ
茂助という人物は面白いね
異能を持ちながら戦闘能力に秀でている訳ではないし、時の過ごし方とて平凡なもの。人と変わりなく妻を愛そうとして、何事もなく日々を生きようとしている。その生き方を鬼と呼ぶ者は誰もいないだろうね
それは彼が鬼だから人だからという括りは無く、彼の持つ歴史が茂助という存在を表している
それは甚夜にも言える話かな。妹を止める為に鬼を討つ彼は復讐者だが、妹を誅すべき悪と割り切れなず憎悪の背景を「意味もなく」と言ってしまう彼はまだ兄としての在り方を消しきれていないように思える
人か鬼か、兄か復讐者かの境界が曖昧になる状況は他のものも曖昧とさせたような
特に前回の描写から察せられる事では有ったけど、改めて甚夜の口から実父に対する印象が明かされたのは印象的。父を許せず家を飛び出た甚夜、今では父の気持ちを判りつつ完全に許せたとは言い難いようで
明確な区分が難しくどっちつかずな在り方。それだけにユキヤナギという曖昧な在り方でありながら、おふうに言わせれば「自分を嫌いではない」、つまりは曖昧な己を肯定している花はこのEPを象徴するものであり、どちらかに決められない者達を癒やす存在と思えたよ
スターを育てたい北原はオグリを掴みたい。レースを走りたいオグリは出場権を掴みたい。いわば両者の利害が一致した事によるチーム結成
ここにベルノも混ざるわけだけど、オグリに走る理由を聞いた彼女とて明確に走る理由を持つわけではない。その意味では彼女は何かを掴めたわけではない
そのようなベルノがオグリとは何者かを見詰める事でオグリがこのエピソードで他に何を掴んでいるかが明白に成っているように思えたよ
北原は他トレーナーが狙っていたマーチではなくオグリの手を取った。彼は勝てれば良いという基準ではなく、カサマツのスターとなるウマ娘を育てたい目標が有る。彼の夢はオグリが東海ダービーを征した時に本当の意味で掴めるわけだ
一方で現状のオグリの夢は既に叶っているようなもの。走るだけで奇跡のような境遇だった彼女にとって、夢を今も掴み続けているに等しい
だからか、自分をそこまで育ててくれた母を大事に思っているのだろうね。いつになく可愛らしい表情にこちらまでニコニコしてしまいましたよ
対してマーチの夢はまだまだ先、何もその手に掴めては居ない。それだけに自分を他所に東海ダービーがどうのと言われていたオグリを警戒するし、彼女に必要以上の敵愾心を抱く
その構図はライバル誕生を思わせるけど、肝心のオグリが東海ダービーを理解していないのは肩透かし感が凄い……!
オグリは何かのレースが夢なのではなく、走る事こそが本懐。地面を強く掴み蹴り出す一歩一歩が夢そのもの
夢へとひた走ろうとするマーチに無垢なる走りで追い縋るオグリ。果たしてこの先のレース結果はどのような感情を両者に掴ませるものとなるのだろうね?
幽霊を目撃した里樹妃の恐怖を解決する為に奔走する事になった今回の事件。一方で彼女を悩ませるのはそれだけではないね
己を尊重しない侍女達とて里樹妃を悩ませているだろうけど、彼女はそれを解決すべき問題として挙げない。それをプライドと単純に受け取る事は出来ず、むしろ助けを求められない孤独を抱えていると捉えるべきなのだろうな…
そう考えると、幽霊騒動を通して、それらを改善する道筋が付けられたなら良かったと言えるのかもね
事件を解決する猫猫も助けを求められない問題を抱えているが、彼女の場合は真摯に真実を明かそうとした壬氏を無茶な程に拒否った結果なので同情の余地は薄い
けれど、味方が少なく精神的にも未成熟な里樹妃は別。上級妃という立場を抜きにしても彼女は助けたくなる。反面、上級妃という立場が彼女に助けを求める声を上げさせ難くしているね
幽霊については助けてと言える。けど、意地悪な侍女に関しては言えない。壬氏が当初は踏み込めなかったように本来は里樹妃が解決すべき問題だから
でも、姿が明るみに出ればそれらは他者でも問題として提起できる。猫猫が幽霊解明の中で屋敷の腐敗を見つけたように、壬氏が簪から侍女の分不相応を責め立てたように
他にも過程で浮き出たのは里樹妃が抱える本当の孤独。幼くして家や母から引き離された彼女は形見の銅鏡を抱え込む程の寂しさを抱えている。でも、それについて誰にも助けを求められなかったし、さすがの猫猫もこの問題は解消できない。
けれど、泣き沈む彼女に寄り添う河南の献身からいずれこの問題は解決できるのではないかと思えたね
そして新たに始まる助けを求められない者に起きた問題。親友の難事を猫猫はどう関わってやれるのかな?
今回は野球観戦以外の目的で球場に集まる人達の姿が描かれていたような
それは試合をしている選手達に対して不真面目な姿勢と言えてしまうかもしれないが、裏を返せば球場はそういった人々をも内包する心の広い空間であるとも表現できるかもしれなくて
だからこそ、野球観戦を純粋な目的としない者達にもそれぞれの楽しさを提供してくれるのかもしれないね
コジロー目的では有るけれど純粋に野球を見に来た訳では無いユキも、野球を見るよりナンパが目的のおじさん連中も本来は球場に来るべき人物ではない
けれど、それぞれの目的が他の観客や売り子等と交わると途端に球場の空気に染まってしまう。ユキは嫌っていた筈の野球観戦者や球場の雰囲気を良いものと捉えられるようになるし、ルリコをナンパしたおじさん達もルリコがバズるのに貢献してくれた
結果的にそれぞれが楽しめる空間に成っている
前回の滝本が一応は野球選手のサイン目的が有ったのに対して、弁当屋の山田は選手目当てですら無いね
売り子に憧れたのに理想とは異なる働き方。なら、彼女は球場を楽しめていないのかと言うと、そのような尺度では計れずむしろ球場に来る人に笑顔を齎す側となっているね。そして、自分が振る舞った弁当で球場に来た思い出を良いものと出来たお客の顔を見て彼女自身が充実感という球場の楽しみを抱いているのだとも判るよ
……ただ、幾ら血迷っていたからって村田にときめいてしまうのはどうかと思いますよ?
先行上映鑑賞済み
鑑賞当時は『Beginning』を経た上でジオンが勝利した世界での物語を観ていた為に多少の納得感を得られたのだけど、アマテ達の物語からスタートした事で「赤いガンダム」に対する異物感を強く感じられるように成っていたような気がするよ
また、本来のガンダムとは異なるカラーリングのガンダムが登場し、それに主人公が搭乗するわけではない事から、余計に”本物”や”偽物”の定義について考えさせられる構図に成っていたよな
そもそも冒頭からシャリア・ブル達は本物や偽物に翻弄されている
追っている赤いガンダムが求める本物かは判っていないし、それを追うエグザベはコアックスに相応しい本物のニュータイプか判らない
そのような状態のまま出撃するから、赤いガンダムと対峙して相手を本物と認識したが為に、エグザベは同等の力を出せない己を余計に偽物のように扱う羽目になる
その意味では赤いガンダムに対して、エグザベもコアックスも偽物という話になる
アマテは己を取り巻く偽物の重力に鬱憤を溜めている。偽物の空に反逆する為に逆立ちするなんてかなりイカれてる
だからか彼女は偽物の世界を壊してくれるかもしれない非合法品やクランバトルに興味を持つ。でも、彼女が望むのは本物の自由、自分を拘束する偽物の破壊
だからってコアックスに飛び乗って勝手に動かして己の意志で戦いを選ぶなんて相当ぶっ飛んでいるけどね。けれど、それによって彼女は本物のガンダムパイロットになった訳だ
連邦とジオンに拠る戦争は終わったのに自由を勝ち取れなかった本物とは異なる歴史を歩んだ世界でガンダムに乗る事を選んだ少女は何を掴み取るのか興味深く見守りたくなる初回でしたよ
第一話が人や鬼の浅ましさによって取り返しようのない後悔を抱く話だったなら、続く第二話は後悔を抱かぬようにと己に出来る事柄に懸命になろうとする話だったのかな…
第一話はあまりに展開が悲惨すぎて苦手意識を抱いたのだけど、このような話は好みかも
甚夜は再び鬼と出会う時の為に憎しみをその身に抱き続けるしかないと思いきや、彼が鬼を追う中で過ごす時が鬼や人との向き合い方に苦しむ者達の救いになっていくのではないかと思えたよ
奈津は恵まれた立場に居るとのだけど、それだけにやっかみも陰口も向けられる。より強固な保護を求める彼女の心が鬼を生み出したわけだ
奈津の悩みは家族の悩みだから、傍に侍る善二であっても立ち入れない。本来それは旅人である甚夜とて同じ筈だったのだけど…
彼が信じたのは実父・重蔵の善性。かつては妹を守る為に捨てた父だけれど、成長した今は父の事情を慮る事が出来るし、父が心から奈津を想っているのだとも信じられる
時を経た事で甚夜は人との向き合い方が変わったのだと判る
だから甚夜が奈津に投げかけるのも己や重蔵との向き合い方の変化だね。鬼を倒すのに必要だったのは刃ではなく、奈津の心だったわけだ
異変を経た奈津が積極的に重蔵を手伝おうとするのも、重蔵が口には出さなかっただけで甚夜に気付いていたというのも良かったな
すぐに人は変われないかもしれない。けれど、後悔を経験したから、または後悔してしまうかもしれないなら。そうして少しずつ時を掛けて人は変わっていくのかもしれない
そう感じられた第二話でしたよ
後宮や妓楼が舞台となりつつもお色気的表現については控えめにしてきた本作、まさかのお風呂回が来るとは
しかも推理要素はほぼ無いままに、ひたすら下女3人や赤羽の和気藹々をメインに据えるなんて贅沢なものですよ
ただし、その内容は猫猫達が楽しむ事を目的としたものではなく、そこに集う妃達を楽しませる事を目的としている。そして他者を楽しませた先に何を求めるのかという話でも有ったのかな
本来の猫猫は翡翠宮に勤める身だから、小蘭の為とはいえ他でバイトをするなんておかしな話。でも、子翠や小蘭がツテ目的だったりするように、相手を楽しませ口を軽くする事こそ彼女らの真の目的となる。玉葉妃がそうした環境だからこそ出来る情報収集を猫猫に命じたのも似たような理由
リラックス出来る湯殿や按摩ならではの暴き立て。事件は起きて無くても、事件が起きた際に有用となる情報はこうして集められる訳だ
赤羽の参加も別の目的を持ったものか
白羽三姉妹にすれば翡翠宮にて得体の知れない猫猫は壁を感じる相手。だから親しくなるイベントが必要で、それが湯殿への同行となるのか
妃達にすれば按摩師の下女が誰かなんてあまり気にしない。赤羽は下女に紛れる事で猫猫達と分け隔てない間柄と成れたと言えるね。…まあ、それ故に視聴者はあのシーンで下女が一人減った事に気付き難いのだけど
けれど、そうしたって浮き出てしまうのが上級妃の存在で、里樹妃の語る幽霊騒動か
果たしてそれは人間が起こす陰謀かもっと別の何かか?猫猫は次から次へと事件に遭遇するようになってきたね
原作既読
球場を舞台にギャルが根暗をからかう話…と見せかけて、それは呼び水要素に過ぎず、野球の楽しみ方が控えめだけど球場に通う村田とそんな彼に野球の面白さを教えつつも自分も目覚めていくルリコを導入として球場そのものの楽しみにフォーカスしていく物語
初回はそれこそ本作の売りとは何かを象徴したものと成っていたような。村田とルリコの絡みにニヤニヤしていただけに、Cパートは良いギャップを感じられたよ
村田はマニア的な野球ファンでは在るけれど、応援席ではなく自由席でスーツ姿のまま観ているように応援の為に球場に来ている訳ではないね。ストレス発散や球場弁当等を楽しむ為に来ている
でも、それでは球場の全てを楽しんでいるとは言い難い。それこそ折角頼んだビールが泡だらけになっているような…
だからビールを入れ直してくれたルリコと絡む事で村田は知らなかった球場の良さを体感していく訳だ
まあ、イチャツイてないでちゃんと試合見なさいよ…と思わなくもないけども
楽しいとは気分を高揚させる現象だけに留まらず、物事の奥深さからも感じる事が有る。それを味わったのが滝本か
彼も当初は球場の良さを知っていたわけではない。そもそも警備の仕事もサイン目的だったし
けれど、彼は昔に味わった球場の良さに再び邂逅し、今は小さな女の子に楽しい思い出を提供する立場になれていた。それは彼が球場での仕事の意義を再認識するきっかけとなっただろう出来事
ルリコはこの事態を部外者として少し味わっただけ。それでも涙を流さずにいられない球場に集う人々の交錯。それを丁度よい味わいで調理していると判る初回でしたよ