良く言えばジョットコースター遊園地映画、悪く言えば様々な要素をごった煮に詰め込み過ぎた作品
けれど世界的に知られたIPであるスーパーマリオの映画第二弾を製作するにあたってはこういう形にした方がより大勢が楽しめるのだろうなという納得も得られる映画と思えたかな
私自身のマリオ体験は昔のマリオゲームに幾つか触れた程度で『ギャラクシー』は未体験。映画を見ていても元ネタを知らない要素は確かに存在した。けど、同時に元ネタを知っている要素もあった。こういった懐かしいネタに邂逅できる体験は喜びを覚えられるものでしたよ
本映画はそうした体験を思う存分に提供してくれる作品と思えたかな
そうした遊園地的な楽しさの提供という意味では高い評価を上げたくなるのだけど、他方で他の遊園地的では無い要素についてどのような評価を与えようかは迷ってしまう部分があったり
本作のキーキャラクターとなるのは言うまでもなくロゼッタ。星の命運を握る囚われのお姫様。またその来歴は驚きの人物
…と、ポジションとしては重要なのだけど、マリオやピーチ姫達の中にロゼッタの人柄を知る者が中盤まで全く存在しないというのは宜しく無い構成としか思えなかったり
救援を求める声1つでキノピオ達の反対を押し切り助けに向かう事でピーチの正義感が強調され、彼女の魅力が改めて描かれるけれど、この段階ではピーチがロゼッタを助ける理由が弱いことにより前作におけるマリオがルイージを助けるために奔走する構図が中盤まで見られないのは少しマイナスに思えたり。ロゼッタの絵本を読む事によってようやくピーチは彼女との関係性を知ることに成るわけだけど、マリオとルイージに至ってはエピローグ部に入ってからロゼッタと出会うくらいだし
そのくらい皆して助けに向かうことに成るロゼッタと既存キャラの関係が希薄な点は物語を盛り上げる上で問題だったような……
また本作のストーリー面の難しさは他にもあるね
序盤においてマリオはルイージやヨッシーから「ピーチにアタックしないのか」と何度も茶化されながら問われている。またマリオとピーチが再会した際には関係性の進展を課題とするシーンも見られたほど
けど、作中だと手を握るのがやっとって何…?ってなってしまう
こうした前振り要素の回収が不満足気味な結果に終わるというのは前作にも見られた傾向だなと感じていたり。
他にも、前作ラストでヨッシーの卵が引き要素として用いられ、この続編でヨッシーは活躍している、劇中でのヨッシーの立ち位置ってストーリー面には一切関係ないのは果たしてどういうつもりなのかと疑問に思ったり
そもそもマリオの仲間になるのもサブイベント的な展開の中であり、ヨッシーアイランド要素の際に中心となるだけで特にロゼッタ救出において何らかの役割や因縁を持つわけでもない。マリオ作品のファンとしてはヨッシーが仲間になる展開はテンションが上がったのは確かなのだけど、登場させたならストーリーにおいても何かしらの役割を持たせて欲しかった所
ただし、よくよく考えてみればストーリーより展開を楽しむべきと言わんばかりの主張は本作の随所に見られるもの。マリオ作品との関係が希薄なフォックスがロゼッタ救出に協力してくれるお祭り映画特有の流れ、マリオメーカーやドット表現だったり。そうした諸々は楽しさを求めるものであり、整合性を求めるものではないと訴えてくるかのよう
そうした楽しめるシーンが間断なく展開されていたのは間違いのない事実なんだよね
前後の繋がりがちょっと突然だろうと、マリオとルイージが各ステージをゲームさながらにクリアしていく様子も、ベイビーマリオ達をヨッシーが守る様子も、フォックスが駆るアーウィンが格好良く宇宙を翔ぶ様子も
何もかもが楽しさに満ちている
他方で楽しさを意識したならば、もう少し上手い処理は出来なかったものか…とやはり思ってしまう要素もあるんだけどさ
マリオのゲームをプレイしていると時折発生するのはクッパが仲間になる展開だね。マリオとクッパはピーチを巡って不倶戴天の敵という印象があるけれど、全く別の敵が登場した際にマリオとクッパは協力体制を組む事がある
本映画でも改心したクッパがマリオの旅を先に進める為に己を犠牲にするテンションが上がるシーンが描かれるのだけど…
そこら辺の流れを整理し切らないままにクッパを再び敵側に戻すのって違くない?って思ってしまう
そりゃ、離れ離れになっていた息子と仲を深めた元敵のどちらを取るかって言ったら息子になるのは当然なのだけど、それにしたってクッパの内面の揺れだったり、マリオの敵に戻った前後についてもう少し遣り方があったんじゃないかと思ってしまう
クッパとマリオが協力するという楽しさが描かれただけに、この演出は残念に思ったり
改めて言及するけど、本作の楽しさが素晴らしい出来になっていたのは間違いない
舞台として宇宙要素や他の惑星が登場した事で表現が三次元的になり、画面やキャラクターが前作以上に目まぐるしく動く流れには多様なワクワクが得られた。先述のアーウィンは云うに及ばず、ピーチがカジノに訪れた際の天井・床・壁面が入れ替わりながらアクションするシーンは見ていて素晴らしいものだったし
また、スーパーマリオシリーズという長く続くコンテンツの映画作品として、様々な年代に居るファンを最高潮に楽しませる映画と捉えるならこれ以上無い程の評価が与えられるのは間違いない
なんてったって、あまりマリオ作品をプレイしていない私だって「あっ!このシーンってもしかして…」となるシーンが幾つもあったからね
そうした点を考慮すると、ストーリー面に不満があるのは確かなのだけど、他方で遊園地的な楽しみを得られたという意味では大成功を収めた作品と言えるのかもしれないね
思わず生じた共闘展開は早々にユルとアサが分離される形に
分離されれば互いの理解を促進する時間は限られる筈なのに、分離され相手がどうなっているか見えなくなった事で逆に理解の一助となったような
アサはユルが見えないと彼を心配するし自身の現状に不安を抱く。ユルはアサが居なくても彼女を不要に心配しないし自身の現状についても堂に入った判断ができる
二人は双子だけど、育った環境による違いが如実に出ている印象
結局襲撃者から有益な情報は得られなかった。判らないものは判らないまま
それでも情報理解が進められたのは眼の前に居る人間の性質。襲撃者から聞き出したい事として、ツガイの名前を聞くアサとか、ツガイの扱いに憤るガブなどの姿は彼女らの人間性を知るのに役立つ情報
そうした情報は聞き出すより、ふとした会話の中に表れるもの。ユルとて別に尋問のつもりはなかったろう眼帯の件、それはアサという人間をより知っていく始まりとなりそうな
ジャンヌは色々と一般常識が足りない為に秩序を重んじるカナンにとって厄災なトラブルを巻き起こしたりする。けど、カナンだって羊司相手に妙なリアクションを返してトラブルを起こすテンプレを有している
そんなジャンヌとカナンが絡む事でテンプレ展開がアップグレードされたような気がするよ。特にジャンヌに対抗してセーラー服を着た挙句にロッカーに一緒に閉じこもるカナンはアホの子可愛い
ただ、カナン本人としては至って真面目だから羊司との間に起きたトラブルに悩む事だってある。そんな彼女を慮ってサボりへと連れ出す羊司は彼氏してるね
彼とて問題行動は多いのだけど、彼女の魅力を際立たせる役割は充分に担えている
トラブルや問題行動の多いカップルではあるけれど、傍に居て心地よさを覚えられるカップルという意味ではこれ以上はない組み合わせであると、ラストを見ながらそう思えたよ
鑑賞するにあたってTVシリーズを見返したりとかしなかったため、何処がTVシリーズから削れられて、何処が新規カットだったかは明確には判らず
けど、その分だけ本作の物語にどっぷり浸れたように思えたな。そして総集編の形で見返した事により、この最終楽章において何がテーマとなり、何が久美子達に課題として突きつけられたかが改めて感じ取れたような
冒頭はあすかを見送り、そして託されるシーンから
黄前久美子という人物は高校に入った当初から吹奏楽へのやる気に満ちていたわけではなかった。流れ流れて、その内に覚悟を持って向き合うようになった。その中で“死ぬほど悔しい”という感情を身につけながら
だからか、部長の座に就任した件もどちらかといえば流れ流れて。率先して部長をやると決めていなかった彼女には年度当初のイベントはどれもこれも大役、精神を削るもの
でも、久美子の良い点は最初は出来上がっていなくても向き合っている内に形が整っていく点だね。序盤は先輩達がしてきた事をなぞる様に部員達に向き合った。しかし、部長やドラムメジャーとして行った指導や判断により1年生達が挫けそうになった時、彼女は北宇治高校吹奏楽部の部長として遂に整うね
晴香や優子とは違う、けれどれっきとした黄前部長として部の皆と向き合う覚悟ができた。彼女は難題と向き合う中で皆を率いる部長として成長していくのだと感じられる
だとしたら転入生としてやって来た真由は様々な意味で皆の中に含まれ難い人物というのも見えてくる
部長としての大仕事、部の目標をどうするかと決めるシーン。彼女は祈るように全員一致の目標と出来るかを部員に問うたわけだけど、その“皆”の中に真由は居なかった
勿論、彼女はあれだけの練習量に付いてこれるわけだから、『全国大会金賞』の目標に異論があるわけないだろうが、兎に角真由は“皆”の中に居なかった
また、その後も転入生である為に制服も異なれば、リボンの色も異なり、ジャージのデザインも異なる。極めつけはユーフォニアムの色が彼女だけ銀色、視覚的な違いはどうしても意識に紛れ込む。それらに加えて彼女は「たかが部活」なんて思想の違いまで見せてしまった。どうしたって黒江真由の異物感は強くなってしまう
この異物感に対して特に吹部の面々も低音パートも拒絶しているわけではないし、久美子だって好意的に接している。けど、久美子から無意識的に漏れるのは真由への拒絶感。難しいのは黄前久美子という存在は吹部の部長であるから、彼女の意思は時に部を代表したものに成りかねない点
久美子は真由への拒絶を表明しているわけではない。けど無意識の苦手意識は彼女が部に混ざりきるのを難しくする。結果、真由は部への溶け込みが難しくなり、余計に久美子へと赦しを求めるようになる
でも、表面的には真由を拒絶しているわけではない久美子は真由への対処ができないまま。そうして迎えたのが関西大会を控えたオーディション結果か……
あの瞬間から始まる部内の不穏さやバラバラ感は久美子が気付けていなかった部内の不調和音が原因。けど、それに事前に対処できたかと言えば、あの局面で対処方針を巡って幹部会までもがバラバラになったように、最適解なんて事前に求められるものではなかったんだよね
ここでかつてのリーダー格であり、今は部を外から見遣れる先人が登場するのは感無量の心地になる。特にあすかが滝先生を「滝さん」と呼んでいたのは印象的。見る視点が異なれば、得られる解釈も異なってくる
そうして行われたのは再度の目標設定。今度こそ場には真由も含まれるから、彼女は阻害されること無く北宇治が目指す方針に混ざれる。彼女はあの瞬間、異物ではなくなる。行き当たりばったり感があろうとも久美子の真骨頂が示されるとても良いシーン
ただ、それはあくまで一時的な話で。結局、この前編において久美子は真由の内心にも、そして真由に接する際の自身の内心にも踏み込めなかった。そうして陥った悩みの極地がおそらく後編にて描かれるだろうあのシーンへ集約されるかと思うと期待半分・緊張半分な気分ですよ……!
演奏を主題とした本作、特に京アニが制作しているのだから映像面でも音響面でも凄まじい物がスクリーンに映し出されるのだろうと身構えて鑑賞したのだけど、こちらの期待を裏切らない高品質な作品を提供してくれたね
映像面の美しさは言わずもがな。舞台となった京都の街並みをまるでそれ一つで芸術作品となりそうな美しさで描き出してくれたね。そうしてスクリーンに映し出された背景は鳴り響く音楽をとても効果的に支えていたな
音響面は様々なこだわりを感じられたね。特に久美子がユーフォニアムを演奏する際に、ピストンを押し込む音まで収録しているなんてこだわりが強すぎて驚かされるよね。当然のように吹き込む息も収録されている
それらは彼女らの演奏を実在性あるものとして描き出す為の一助。彼女らが用いる楽器は鳴らせば音が流れる器ではなく、息を吹き込み、ピストンを操作し、精密な扱いをして初めて音が鳴り響くものだと伝わってくる
そうした表現にこだわって制作された作品だから、終盤の関西大会における演奏シーンが際立って感じられたね。あのシーン、音の粒が感じられるだけでなく、音によって空間が震える様子まで感じ取れるように思えたからね。こだわりの強さに拠って実現したとても素晴らしい演奏シーンであるように思えたよ
前編を見て予想外だったのは総集編として扱った話数か。前編・後編という枠組みなのだから前編では半分程度を扱うのかなと思いきや、まさかのTVシリーズ10話くらいまで収録してしまったよ…
全国大会での演奏シーン増量は当然として、まさかあのオーディションシーンを増量するのか、それとも別の仕掛けがあるのか?
最終楽章の後編という本当の終わりを様々に想像しつつ、その時をゆっくりじっくりと迎えたい心地ですよ
月城が送り込んだ刺客の正体が判明した事で俄然注目と緊張感が盛り上がってくるのは綾小路と月城の対立構造か
月城の挨拶に見られるように、相手側がこの試験で何か仕掛けてくるの必定。仕掛けとは綾小路を退学に追い込むルールを逸脱しかねない動きとなるわけだから、常に無い行動で綾小路にアクションを仕掛けてくる者が最も怪しいという話になる
その意味で来歴の一部を明かし、目付きを変え綾小路に接触してきた七瀬が際立った内容と思えましたよ
試験開始直後である為か穏やかな立ち上がり、戦略も何も混じらない遠足模様。監視する教師は穏やかであり、生徒達もまだ気楽そう
それだけに表面上の穏やかさに反して綾小路を勧誘しつつDクラスの内情を探ろうとした星之宮は怪しいね
けど、それ以上に怪しいのは当然七瀬。偶然は一度だけなら有り得る。しかし続けば不審が過ぎる。また学年が違うのに同行するのも最早自白しているかのような怪しさ
七瀬が綾小路を監視するように、綾小路も七瀬を監視する構図。試験とは別に繰り広げられる対決はどちらに軍配が上がるのだろうね?
前回の心苦しい引きからこのような感動回が展開されるとは!
仲間を巻き込むやらかし、責める目線や口撃によって彼女の心は沈み動けなくなっていた筈だった。それでも彼女の心に留まり続けていたのは魔法使いへの憧れか
でも、ココ独りだったら冷たい暗闇から抜け出せなかったのも事実。テティアが優しい責任感で暖かく包み込んでくれたからココは勇気を出せた。同じように雲に包まれた仲間達に向けて言える事がある
そうして口火を切った彼女の言葉は最も魔法使いらしさに満ちていたように思えたよ
抜け出せない迷宮、大きくなるドラゴン。アガットのように破壊し、倒す方向に心が囚われるのはあの状況なら当然。でもそれは魔法使いらしくないんだよね。現代魔法は誰かを傷付ける魔法を禁書とした。なら炎で攻撃せず、ドラゴンの幸せを考えたココの発想は最も魔法使いらしい
アガットはココの事は実力不足により否定するけど、魔法使いに足る発想を見せるなら否定はできない。むしろ彼女の在り方に感銘を受ける。そうすれば、3人と1人になりそうだった彼女らはきちんと4人として難題に向き合えるようになる
それでもココの実力不足は事実。ココを否定しなくなったアガットでもその点は無視できない。だからココは何もできない
でも、”何もできない”は”何もしなくて良い”と同義ではないんだよね。ココは皆がアイディアに悩む間に空気を読まず魔法の練習を行った。それはドラゴン対処に直接役立つなんて有り得ないとは本人もきっと判っている。それでも彼女は魔法の可能性を試した。だからこそ、思考の限り魔法の可能性を追い求めていたアガットに天啓を齎すわけだ
魔法が使える3人だけが頑張るわけではなく、4人で頑張った『ドラゴンを駄目にするクッション』が無事に大成功を収める光景は感動物でしたよ!
試験ではないけれど、ココを始めとした魔法の底力やアイディア力を試されたような一件、最後は教師役であるキーフリーがとても格好良く締めてくれたのは両者の実力差を示すかのよう
ただ、そもそもココの魔法は誰に試されていたのかといえば……。しかし、ココはつばあり帽の真意を知らないまま。今判っているのは自分のせいで皆を危険に晒したし迷惑も掛けたという事実
これをキーフリーが「ココのお陰で助かった」と塗り替えてくれたのは良かったな。反省点は有っても、もう俯かなくて済む
他方で気になるのはキーフリーが塗り潰した事件の正体か…。彼は彼でどのような真意を抱いているのだろうね?
ユルが現状最も欲しているのは自身やアサを理解する為の情報、手にするには虎穴に入らずんばの精神も必要になる。その危険性はジンとの衝突で充分証明されているけど、それだってジンにユルを殺すつもりが無かったから成功したようなもので
リターンを得るにはリスクを承知しなければ。ユルはそれは覚悟しているようで居て、その実はただ向こう見ずなだけかも知れぬと示されたエピソードとなったような
里を襲撃した影森の連中はけれどユルが来たとなれば客人として饗す異なる面を持っていた。同様に屋敷も変哲ない外面、ツガイが潜む内面と異なる面を持つ。その二面性はユル達を余計に警戒させるものとなるね
だからこそ、ユルに対して裏表ない親しみを示すアサはあの屋敷で唯一且つ最も信頼できる相手と言える。けど、そんなアサが提示したのは両親が行方不明に成ったとの情報。信じるしか無いが、信じたくない話
情報が少しずつ出揃ってくると、どの情報を信じてどの情報を採用するかという段になる。里の者達を殺した影森を信頼するアサの姿勢をユルは受け付け難いようで
信頼度の高いアサが信じる影森にユルはどう接するか?という点を試す機会となりそうだね、謎のツガイが襲ってくる展開は
ユルはまだ影森を信じられては居ない。それでも影森と共闘するかのように弓から矢は放たれた。この点はどのような情報にも左右されないユルの雑さが上手く働いている気がしたよ
ラブコメと言えば恋のライバルを登場されるのはもはや当然展開ですが、悪魔へのアンチテーゼとして聖女を登場させたのに、彼女の方がよほど悪魔っぽいというのは面白いね
カナンは学園支配を目論んでいるけど風紀委員として学園や周辺環境の秩序を保とうとはしている。対してジャンヌは勝手に案内所を作った挙句、そこに通う者には犯罪を率先して行う者まで
秩序に対する混沌、確かにライバルだけどそれで良いのか感が(笑)
羊司を「守護する!」と息巻くジャンヌに聖の者っぽさはある。けれどカナンをすぐには悪魔と見抜けなかったり、羊司への迫り方もちょいアウトだったり彼女は混沌とした人物。性知識が無いのは清純っぽいけど、考えの足りない行動が自身を破廉恥な状況に追い遣ったりする様はやはり混沌としている
そうしてジャンヌへ突っ込みを入れるカナンに秩序の護り手としての貫禄が生まれ、羊司との付き合いが清いものとの印象が強まるのだから面白い話ですよ
皆で秩父までドライブ!神社に参拝!…という名目なのにいぶきとぼたんが速攻で姿をくらましてて思わず苦笑いしそうに
ああいう集まりで付き合っているようで付き合ってない二人が姿を消すと空気が凍る印象があるなぁ…
道を外れると決めたのはいぶき。その上で自分と同じ道を進んで欲しいと願ったのはぼたん。いぶきはぼたんにだけ酔へる姿を見せられる事で深い意味でも彼女を特別視し始めているのだと判るよ
ぼたんはいぶきにより近付きたがっている。かなではそんな二人を見て胸中は複雑な模様
けれど、それを表沙汰にしない程度の分別はあるようで。だからかなではぼたん相手だからと冷たくはしない。むしろ彼女を温めようとする
かなでの想いを知らないぼたんは温められたから温め返して。そうして知るのはかなでの想いの一端
果たして彼女は何を言おうとしたのか?そこはかなでに伝わらなかったけど、酔って二人で眠る二人の様子は仲良しさんに見えたのでした
温めた次は涼む番ですか
でも、時と場合を選ばないと正しく涼む事は出来ない。いぶきは今は飲めない酒を出されてヒヤヒヤした心地、やえかはあかねとの秘密の共通点を知られてヒヤッとした心境、ぼたんはやえかを傷付けたのではないかと冷々とした怖れ
冷えすぎたなら温める必要があって。やえかが色で大切さを感じていたように、ぼたんはいぶきとの大切さを色に込める。そうして互いが持つ温かさを知っていくのだろうなと思えましたよ
魔法使いの街!魔材屋さん!見る物全てが珍しい!
まるで『ハリー・ポッター』の世界観に通じる要素がそこら中に広がるキラキラとワクワクが満ちた素晴らしい光景。ココが興奮するように見ているこちらまで興奮させられるね
けど、本作においてココは魔法界に入ったばかりの新人というだけではなく、”知らざる者”という要素を持つ異端者でもある。咎人の彼女はどれだけワクワクしていてもひんやりとした罪は必ず追ってくる、そのように感じられたよ……
ココは逃げても追ってくる罪を背負っている。その状態で罪を追ってしまえばより酷い事態になるのは明白
ここで遣り切れないのはココ自身は事態打開の力を持たない点か。ココが原因でテティア達が危険な目に遭っても、ココは助けるどころか手伝う事も出来ない。むしろ邪魔をしてしまい尚更に罪は増える…
「自覚があるなら何もしない」「ココから離れる」、ココには選択肢があるように見える。けれど罪の意識で押し潰されそうな彼女に選べる何かが、それでも出来る何かがまだ有るのだろうか…
下界での暮らしが始まったばかりのユルにはまだ知らない事ばかり。他のツガイの性質も知らなけりゃ、苗字が普通である事も知らない
だからユルは何もかもを知らなければならない。まずはアサについて知る事が喫緊の課題だったんだろうけど…。幾ら信用しきってないからって保護者代わりのデラとハナに何も告げずに行動開始するのは地味にヤバいな…
それはユルが自身を独立した存在と捉えているとも、ハンターとしての行動力がそうさせているとも捉えられるね
山暮らしの狩りと違うのは人間が人間を狩る事もある点か。ユルの接触を予知して罠を仕掛けていたジンは一種の都市型ハンター
狩りは相手を動けなくさせる事が肝要。まずはユルが囚われたのが失策で、左右様が無力化されたのが更なる失点で
そのような劣勢局面、暗闇にして相手を動けなくし更には足を斬る事に拠って無力化までしたユルはほんまもんのハンターですよ……
ユルが願うは知らなかった真実を知ること。自称アサとの接触は彼にどのような知識を齎すのだろうね?
カナンって自分では理知的に振る舞ってるつもりなのに、羊司相手だとあらゆるアクションが誘い受けか?って感じになるのは笑ってしまう。てか、羊司の言動はそれなりにヤバいけれど、彼の暴走のトリガーになってるのは大抵カナンの言動な気がする…
汗の匂いを嗅ぐのを許すのも耳掻きをさせてしまうのも完全にカナンに原因があるからね。それでもカナンは自分の落ち度を認めず、それでいて羊司にオチていくのが本作の魅力となっているのかな
カナンが誘い受けして羊司が暴走して。そうして二人は面白おかしいイチャイチャを展開する。けれど、アミが言うように恋人としての進展は微々たるもの
それは見方によっては本当に愛されているのか?という疑念を持たせる要素とも言えて。カナンが寝たフリ作戦を受け容れる背景ともなるね
結局、羊司はカナンを前に野獣に成ったりしなかったけど、カナンが満足する、つまりは愛されてる感を満足させるリアクションは出来て
それはまさしく「何だこいつら…」となる二人だけの甘々感でしたよ(笑)
まだまだ実態が見えてこない巨大試験を前に互いを探り合う1年生の姿がメインで描かれた今回。2年と比べれば実力不足な筈の彼らの実情は綾小路をターゲットとした特別試験が再び話題に上がる事で間接的に理解度が深まったような
入学してあまり経っていない1年生だろうとクラスポイントを掛けた勝負となれば油断できない。だからこそ無人島試験よりも大量のポイントが手に入る綾小路退学の報酬は魅力的となり、ホワイトルーム生に狙われる立場の綾小路も1年生の事情に巻き込まれざるを得なくなってくる構図が見えてきたね
2年は失敗した多クラス合同作戦、1年におけるそれを崩しかねないのが宝泉か。1年が纏まれるかは宝泉の存在に懸かっている。だから彼の排除を考える者も出てくる。それはそれで1年のバランスを崩す動きとなりそうな
他方で崩れかねない1年の調和を保とうとしているのが八神のようで。彼は彼で怪しく見えてくるのだから面白い
少しずつ実情が判然としてくる1年生達の動きや思惑は誰がホワイトルーム生なのかという疑念をより混迷させるには充分過ぎるもの。こうして1年生達が描かれる事で無人島試験への期待感も増してくるように思えたよ
一見するとアガットが嫌味な少女に思えるけれど、彼女が真に嫌ったのはココというそのもの少女ではなく、魔法使いのルールに無い者が混ざってくる状況だったのかもしれない
アガットが語るように本来の魔法使い見習いは幼い頃から鍛錬しているし、キーフリーのもとに来る前に試験を受ける。様々な意味でココは例外であり、外れている。だからココが証明しなければならなかったのは自分は魔法使いを目指すに足る普通の見習いであるという点だったのだろうな
今回の試験は難易度が上がっている為に望ましくない状況だったようで。普通の魔法使いなら避けるそれをココは「歩きたての仔馬」という発想でこれこそ普通の難易度だと思い込むね
普通を知らないのに普通の攻略法を追い求める彼女は当然のように唯一と思われた遣り方が閉じられた事で塞ぎ込んでしまう
ココがその時に見せた判断はとても良いね。身体に直接描く魔法陣はNGという魔法使いのルールを守った。今回の試験において、この瞬間こそ魔法使いではないココが最も試された、魔法使いらしさを求められたポイントであったように思えるよ
魔法使いになる者は小さな頃から魔法陣を描くのが普通。そうでないココが見出したのは己が持つ魔法か。親から受け継ぎ小さな頃から繰り返した技法はココが持ち得る普通の魔法
また、この技法はココにとって誓約としての重みに成るね。キーフリーが渡したとんがり帽子は枷としての重みだけど、ココが持つ技法は自身が傷付けた母から教わった魔法、使う時は自然と母が思い浮かび罪を意識する重みと成る
幼き頃よりの技法と枷としての重み、魔法使いとしての普通を手にした彼女の嬉しさを抑えきれない笑みにこちらまで温かい気持ちに成ってしまいましたよ
前時代的な村で暮らしていたユルの現代生活、案外早く順応しそうな。でもそれは彼の理解力が優れているというわけではなく、前に進んだり決断する際にどの程度の情報があれば、ひとまずの納得が可能かという基準が優れているのだろうな
だから彼は情報を求める。左右様、デラとハナ、それぞれに村や己について聞いたのは、何処へ進み、進んだ先で何をするかを決める為に、自分は何を知っていて何を知らないのかを把握しようとしたからか
左右様、デラとハナ、双方の話を聞いても決定的な真相は不明のまま。それでもデラ達に付いていくなら彼らを信用するかしないかを決める必要がある。そこで全面的な信用は否定しつつも、彼らの庇護下に入る事を了承する彼は良い意味で雑で良い意味で慎重でとても魅力的
少しずつ現代社会の掟を覚えつつ在る彼の周囲にはまだ知らない事ばかり。母の出自すら知らなかった彼はこの先で何を知って何を理解していくのか、こちらまでワクワクさせられてしまうよ
羊司に翻弄されアミにも翻弄されるカナンに悪魔らしさは薄い。また、羊司からは彼女扱いされているけど、本人に彼女のつもりが薄いのも特徴的
カナンが優位に立つ局面は少ない。だから撫子に先を越された感じになってしまうし、正体の見えない焦りも感じてしまう
状況を改善するにはそれこそ一発かまして羊司をオトすくらいの勢いが必要だったのだろうけど…。肝心な場面でデートの組み立て方が下手なカナン様可愛い
高い場所に連れていけば吊り橋効果で落ちるだろうなんて穴が 有りすぎる作戦。何よりも本人の服装に大きな穴が有ったのだからもうどうしようもない
でも、羊司はカナンが望まぬ方向でチョロいからそういう穴にも落ちてくれると。むしろ羊司はカナンを落としてしまう男だね。カナンの悩みを理解しない彼が理解するカナンの魅力、落ちてしまったカナンが理解しようとする正体不明の気持ちは更に彼女が羊司にオチてしまう悪魔の罠に思えますよ(笑)
ぼたんは本当に酔った際の口説き文句が強烈な後輩ちゃんだね…
かなではいわばいぶきを巡って争う相手。かなではぼたんに対してちょっと構えた姿勢。でもぼたんはそんなの知ったこっちゃないからかなでと仲良くしようとする
濃すぎてかなでが驚く焼酎をあっという間に飲み干すぼたんはまるでかなですら飲み干そうとしているかのよう。あの言葉は言い方も内容も殺し文句だよなぁ(笑)
やえかは言い合いや急行券に表れるようにかなりのおっちょこちょいさんのようで。一方で言い合ったあかねとの仲を楽しげに語る様子には彼女をとても好いているのだと伝わってくる
けど、言い合いを途中で切り上げて外出してしまったやえかは自分から謝るなんて出来ない。ここで酔うとズバッと急所に刺さる発言が出来るぼたんが良い仲介をしたね
あと、謝り方が不器用なやえかを許してしまうあかねも「そういうとこだぞ」と言いたくなってしまったよ
他方で何処まで本気かはさておき、ぼたんが最も仲良くなりたいのはいぶきのようで
服屋の店長はいぶきが飲酒を見せられる程に信頼している相手か。別にぼたんはかなでのように対抗心を燃やしたりしないが、無意識に見せ付けてはいるね。いぶきと同じしゃっくり癖、ペアのピアス、いぶきを飾り立てるぼたん…
殺し文句だけではない遣り方で仲を深めていく二人の絡み酒が見られてほっこりしてしまいますよ!