どうやらハリージュが惚れ薬を欲す背景には事情がありそうで。ビッラウラの為であるならば、あんまり時間を掛けるのも良くないんじゃないかと思えるが、ロゼが製薬をスムーズに進めない点をハリージュはどう受け止めているのだろうね?
ただ、そうした彼の事情をロゼは見通せない。何故なら彼女は湖の家から外へは滅多に行かないから。彼女に見える物は限られる。逆に外から湖の家へとやって来たハリージュはロゼには見えない物を見てくれる。それが彼の美点として活き、更にロゼが彼に魅せられる土台となっているようで
ロゼが平然と不満なく暮らす家にハリージュは不足を見る。安全性も欠けているし、栄養素なんて酷いものだし、客用に出せる茶葉もない
ロゼはそうした点を可怪しいとは思ってこなかったが、ハリージュの視点を通す事で宜しく無いのだと気付かされる。あと、ハリージュから女性扱いされてない点も若干見えてしまう…
他方でハリージュがあの家に見つけてくれる”好き”を彼女も同じように好きである点はロゼの中に芽吹く”好き”の気持ちを彼女自身が余計に気付いてしまう瞬間でもあるのかな
そしてハリージュの気付きが最も活きたのはレタス畑や紅茶の歌か
ロゼは祖母の言い付けだからと深い意味を考えず繰り返していた。でも、ハリージュはそこに祖母の優しさと思い遣りを見付けてくれる
ロゼは染み付いた歌を何の気なしに口ずさんでいた。でも、ハリージュはそこにロゼが覚えていないつもりだった母の痕跡を見付けてくれる
また、彼女の顔が見えるようになったからこそ、しかめっ面という魔女ではないロゼの姿を見てくれる。そうしてロゼが見付けてしまったのはハリージュと過ごす時間の幸せか…
視聴者はハリージュが己の為に惚れ薬を求めている訳ではないと知っているけど、早い内にこの誤解は解かないとロゼは苦しい想いに囚われてしまいそうだ
夢佳の件、大喜が「このままじゃ駄目だ」と思い始めたものだから、彼が積極的に介入して仲を取り持つかと思いきや、そこまではしないか
夢佳が懸念するのは千夏の練習量。同じ部活人である大喜はそこが大事であると判っているから、大会近くでピリピリしている千夏に余計な話は持ち込まない。けど、応援はしたいからお弁当に想いは詰め込むし、入り切らなかった分はプラスαで伝える
それは千夏が今頑張っている事を判っていると伝えると同時に、もっと頑張りたいと努力している千夏を応援するものであるね
けど、こうした頑張りの応援って同じくらい頑張っている者同志だから伝え合えるものでもあって
裕奈の苛つきは象徴的。彼女からすれば千夏は人一倍努力している人。そんな人から「こうすれば良かった」なんて言われたら心がキツい。受け止めきれない
残酷なのはここで千夏がキレ返さない点か…。夢佳を知る千夏は自身を特別と思わない。だから自分に説教する相手は特別なのだと苛つく裕奈にも自分を落とした上で寄り添おうとする
すると、頑張りたい千夏に寄り添ってくれる人は居ない。褒めてくれた夢佳は居ない…
だからこそ、千夏は猪股家で暮らす中で元気を貰えているのだろうな
辛い早朝、同じ時間に起きる大喜、活き活きとしたサボテン、ご飯を作ってくれる猪股母。そこには等量の頑張りがあるね。誰かだけが頑張っているのではなく、皆が同じように頑張っている
特に大喜の言葉は素晴らしいね。「真面目だな」という千夏の言葉は大喜の頑張り力への憧れが籠められている。しかし、大喜とてしんどい時はあるし、千夏のお陰で頑張れている
恐らく、千夏は大喜が語らなかった辛さは少し感じ取っているんだろうなと想像してしまう。だからこそ、語らず千夏の参考となるよう言ってくれた大喜に「真面目だな」なんて返したのだろうし
二人は互いの存在に支えられ頑張れていると判る
千夏と夢佳のピリピリした会話、ここでも千夏は相手に寄り添おうとするね。踏み込むなとアピールする相手に仕方ないと割り切り謝る。それはウザい程に正しい姿勢だから、夢佳は千夏の否定に走ってしまうのか…
夢佳が語るのは千夏の存在が負担だったという告白。千夏は夢佳と頑張りを支え合っていたつもりだったのにね…
夢佳にすれば千夏は努力の人、脇目も振らない筈だから男子といちゃつくなんて許せない。ここで千夏が大喜の存在と自身の頑張りは同じ、紐付いていると返したのは良かったな。今の千夏にとって大喜は無くてはならない人物
なら、千夏の預かり知らぬ場所でも絶えない努力を続ける大喜の走りが報われて欲しいと願ってしまうが……
何というか、正直にお色気要素を前面に押し出した水着回って逆に珍しい気がする…。それでいて生徒会活動としてはギリギリありな次元の活動しているのがギャップを感じられて面白い
それで居ながら水之江自身はそうしたお色気アピールに過剰反応しない、せいぜいが奥手思春期青年にありがちなリアクション程度で済ませるものだから、学園コメディっぽいお色気コメディというよく判らん状況になっている気がしないでもない
ただ、そうした視点で捉えると、水之江とたんの薔薇薔薇しいお見舞いは何なんだと突っ込みたくなるが
生徒会において水之江は新人。おまけに他メンバーの学力が理系中心に高い為、彼は他役員に学ぶ立場。いわば彼は後輩属性が自然と染み出している
だからか水之江の面倒を個人的に見たかった古都吹がいじけるし、だからか姉・松の心配模様は何か変な癖が混ざり込む
勉強で水之江はまだ自分を誇る事は出来ない。しかし、水之江に高校で友達が出来ていると知れる事で松は安心を感じられるわけだ。…ただ、弟の現状に対する安心と引き換えにヘンタイ行為で安心を得ようとするのはかなり問題がある気がするよ(笑)
今回、表面上は謎解きが描かれていないように見えるけど、それは猫猫自身が明確な謎に直面していないからだね。幼い妹が罹患した症状は一見しただけでは判らないが、真っ当に診療を行えば病巣も原因も解明できる。猫猫にとってこれは謎にならない
だから今回において謎に直面したのはあの姉妹だったと言えるのだろうね
羅門に代わっての診療体験。しかし猫猫は未熟な人間ではないから、突然の依頼にも迷う事は無い。むしろ菓子を配る女や蝗害対策の謎に思考リソースを費やせるほど
だから謎を解かねばならないのはあの姉の役割。彼女にとって母の死も妹の窮状も原因不明の謎。しかし、猫猫という助けを得て彼女は菓子が原因と知る。与えられた物を考え無しに妹へ分けた為に妹を命を落とし掛け、またその際に父親は全く役に立たなかったと知る
底無し沼のような生活から抜け出す謎への答えはどのようなものか?姉の出した答えが最良かは判らない。けど、彼女は自分の決断で答えを出した。ここで猫猫は彼女らに地獄を見せる為ではなく、まるで沼から助け起こすかのように姉妹を妓楼に預けたのは印象的
結局、謎に対して何も考えていなかった父は底無し沼に取り残され
底無し沼よりか泥沼なら多少マシな足場にはなる。自らそのように生きると選んだ姉妹は果たしてどうなるのだろうね?そして記憶という足場を持たない趙迂も己の人生という謎をどうするのかな?
この作品、カオスなだけじゃなくてしっかりシリアス要素もあるのね
レインを始めとしてそこかしこにカオス要素がちりばめられた第1話だったものだから、破滅的ギャグ作品かと思っていたけど、どうやら深みがあるようで
今回はリリィの苦悩や『王者の牙』関係の話が展開された事でそれぞれの想いや人間性を深掘りする内容に。こうなるとレインが居ない方が話が纏まった形で展開するんじゃないかと思えてしまうが、リリィとの会話やコーネリアスへの反抗を見れば判るように、本作はレインが居なければ成立しない
しかし彼が居るとシリアス展開もカオスになるという。まあ、彼の無茶苦茶な言動が最も面白いので暴れてくれて構わないのだが(笑)
才能を恣に発揮していたリリィは一度の敗北によって戦えなくなり、部屋からも出られなくなったようで
戦えない外出できない彼女がレインの旅に同行したとなれば、理由はポジティブなものである筈が無く。考えれば当たり前だけど、考えなければ判らない点を独り言の体でリリィに示したレインは偉いな。部屋に籠っていた彼女の考えなんて誰も判ってやれなかった。けど、レインは判ってやれたし、リリィは『青の水晶』は判ってやれていなかった
2人は考え方を一致させた事で改めて同じギルドメンバーと成れたわけだ
レインが本格的に『青の水晶』所属となれば、元所属の『王者の牙』は因縁あるギルド。おまけに人命や人の尊厳を軽々しく扱う様子はショッキング
コーネリアス達がこちらの心情を考えないのなら、こちらだって相手がどうなろうと知った事じゃない。だからレインが真っ先に考えるのは自分達の安全でありリリィを守る事であり
他方でコーネリアスを殺すような事はせず、脅しに留めたのはレインの性格が表れた結果なのかな?まあ、そこまで考えてなさそうな気もしてしまうのは彼のカオス具合が酷すぎるせいもあるのだけど(笑)
ティエンは細目だから怪しい…なんて勝手に思っていたのを反省させられる程、彼はロゼの保護者代わりをしているね
確かに今のロゼって人里離れた湖の中で他者を拒絶するような暮らしをしている。また服飾や食べ物に関心を持たない様子は自分が他人からどう見られているか、どう見られたいかを考えてもいないのだと察せられる
なら、新しいローブを欲したのはそれこそ誰かの視線を意識したからであり、彼女が少しだけ外に開いたからであり
そりゃ親代わりのティエンにとって嬉しい変化だよなぁ
けど、ロゼ自身は自分に訪れた変化を肯定的に捉えきれない。そもそもの理由が叶わない片想いに拠るものだし、ハリージュはロゼに会いに来ているわけじゃない。あくまでも仕事の関係
だからといって割り切れもしないからロゼの内心は慣れぬ他者との交流に適切な距離を保てないと。まあ、この点は依頼関係なのにロゼに突然触れたりするハリージュの距離感のおかしさも一役買っているんだけどさ
ロゼはハリージュとの適切な距離を見出せない。だから…あんな開けっ広げになってしまったわけだ(笑)
ロゼにとっての不幸ははしたない姿を見られた罪に留まらないね
ハリージュの名を知っていたのに隠していた罪、魔女の秘密を明かした罪。更には他に想い人が要るだろうハリージュに片想いする罪まで知られたら…
逆に幸福と言えるのはハリージュが真摯な騎士であった点か。彼はロゼの罪を不問にするどころか、魔女の命すら当然のように尊重した。彼の性格がよく表れている
それどころか彼女に美味しいパンを運んでくれるなんてね
ロゼとハリージュの間には埋め難い距離がある筈だった。けど、ロゼが彼の優しさに触れる度、二人の距離は近付いていくかのようですよ!
本作って部活を追うか恋を追うか両取りするか、なんてのをテーマ性に掲げている気がするんだけど、主要人物が部活人なものだから恋を望んだとしても部活を捨てるなんて選択肢を採る者は居ないんだよね
それだけに何らかの理由により部活を辞めた夢佳なる人物は本作において異質、部活人である大喜には理解し難い人物と言えるから彼女への印象も悪くなる
それだけに、現状では恋や他の諸々より部活への比重が強そうな千夏が夢佳への憧れを変わらず抱いているのは興味深い
どう見ても夢佳は変わってしまったのに、千夏は夢佳の何を変わらずに見詰めているのだろうか?
大喜達は恋心に揺れる事はあれど、現状は部活最優先。だからクリスマスも練習漬け。才能という言葉は使用されても基本的に練習こそが身を助くという考え方が通底している
これは夢佳と千夏の過去も同様だね。小学生時代から夢佳は才能ある少女と紹介されるが、千夏は彼女に練習時間の多さを見た。また夢佳も千夏が認められた理由に練習量を見た
互いに練習の大切さ、時間を懸ける必要性を共有する千夏と夢佳は同じ時間を過ごしていたと言える
夢佳に憧れた千夏は練習重視の日々を送っているけど、全ての時間を練習に費やしているわけじゃない。前回からのデート時間がそうだし、夜中の散歩時間も同じ。彼女は部活に青春を懸けつつ息抜きの時間も設けてる
なら、部活を辞めた夢佳が息抜き時間にバスケをしていたのはどういう理由だろうね?そこで彼女が語るのは部活に青春を懸けた事で失われる時間だけれど、そんな事は部活人なら誰でも判った上で遣っているわけで
”客観的”な”正論”を拒絶した彼女は部活に費やす時間の何に絶望して、代わりに何を得ようとしたのだろうね?
活動そのものは一般的な生徒会活動っぽいのに、隙あらばお色気ネタをぶち込んでくるたんって凄いな…
そんな彼が嫌われポジションとならないのは、そうした悪戯をしたら間を置かず有栖による制裁が起きるからか。逆に言えば、あれだけの折檻を受けながら悪戯を続ける彼のメンタルは強いなと思わせられるが
他方でめっちゃ怖い先輩というポジションを獲得しながら、時折自分も可愛いと思って欲しいと些細なアピールする有栖はそれはそれで可愛いのだけどやはり怖さが勝ってしまうね…(笑)
衝撃的事故シーンが挨拶代わりだったこまろは既に生徒会役員だったのか。てか水之江のクラスメイトだったのも衝撃的だが
彼女も生徒会活動には熱心なようで。しかし、インパクトが有り過ぎる体型や流血が熱心な印象を打ち消し、仕舞いには他者への無警戒感が役員というより、マスコット的なポジションだと認識させる
その為、同学年だから水之江とこまろが仲良くなるのではなく、こまろがマスコットだから仲良くなる不思議な関係が構築され、マスコットに成れない寿子の感情を揺さぶるというのはそれぞれの関係性が面白く構築されているように思えますよ
こうした展開は1クール目の構成を思い起こさせるね。一つ一つは小さな謎解きで1話完結だけれど、その裏では大きな陰謀や問題が芽吹き始めている
天女の話、表面上は御伽噺めいていて舞台も古着屋である為に胡散臭い。そんなもの全て嘘だと跳ね除けてしまいそう。でも、猫猫はそこに謎解きを、本当を見出すわけだ。彼女の推理と手際は鮮やかだね
他方で表面の謎が解けるからこそ、奥底の解けない謎に気付いてしまう。それが作品に深みを生み出しているわけだ
天女は解けない謎だが、解く気が無い謎は壬氏の気持ちか…
宮廷で蝗害に悩まされているだろう壬氏の援けとすべく図説を届ける推理力はあるし、彼の表情から眠りを無理にでも取らせる必要性も判る。けど、彼が独り寝を嫌がる気持ちも、眠りに何を欲しているかも推理を働かせない。または働かせた上で見当違いを意図的にしている
かといって完全に拒絶するでもなく、結局は彼の求めにある程度応じてしまうのは猫猫の人の好さ、若しくは壬氏への感情をちらつかせているかのようでしたよ…
なんか高い技術でしょーもない事してる!すっごい軽い理由で追放されてる!あと、タイトルとサブタイトルが有り得ないくらい長い!!
…と驚かされる要素ばかりの序盤だったが、きちんと見れば絵の動かし方が素晴らしいし、キャラは気の抜けた感じがありつつも魅力的というよく判らんバランスの上に成り立っている印象
導入部の要素を摘まんで表現してしまえば雑な追放からの俺TUEEEながら、レインには”強い”より”怖い”を感じてしまうのは面白いところ。無論、強さが怖いとの意味ではなく、人間性がぶっ壊れてて怖いという意味なのだけど
面白いか?と聞かれたら「よく判らない」と答えたくなるが、一方でなんか最後まで夢中になって見続けたくなる中毒的な面白さを感じられる初回でしたよ
てっきり、好きな人が惚れ薬を渡したい相手は自分でした!…みたいな勘違いラブコメかとタイトル時点で予想していたけど、普通に別人宛てなのか。それどころか現状のロゼはハリージュから惚れ薬作ってくれる魔女と認識されていると
これは恋のハードルが高すぎる。というより届く余地が無い。でも、少しでもハリージュが別人に向ける恋心に抗いたいから、足掻くように彼と出会う機会を増やしていると
自分の想いに正直なロゼと誠実に人と向き合うハリージュの物語に早くも心掴まれる1話でしたよ
湖の家で秘薬を作るロゼは外界から閉じ籠った存在。それは性格的な部分もあれば、そもそも外界が魔女を拒絶している面もある。その意味でも彼女は別の生き物
けど、ハリージュは「魔女も人」と定義するね。彼にとってロゼは同じ生き物。だからロゼが彼に恋する余地が生まれる
なのにハリージュは全く別の人向けに惚れ薬を欲していると。ハリージュがロゼを人扱いしてくれても、人なんて湖の外に大勢いるのだからハリージュがロゼに恋する余地は少ない
現状は湖でハリージュの訪れを待つしかできないロゼ。鐘の音に胸高ぶらせ、つい身嗜みを整えて。いじらしい彼女の姿に恋が叶う未来を願ってしまうのでした
大喜と千夏、二人のデート模様は瑞々しいね
言う程にはちゃんとしたデートではないし、名目は部活用品の買い物。それでも大喜にとっては貴重な時間。でも、世の時間は大喜と千夏の二人だけで流れているわけじゃない。余計なちょっかいが入りもするし、他の女子の香りが漂ったりもする
だからか、折角訪れたカフェでもデート時間を邪魔する存在が現れる。大喜の幸せ時間は簡単には訪れない。手にする為には時間と労力を掛ける事が必要
ただ、そうして恋愛にかまけているのは正しいのかと問い掛けてくるのは本作ならではの展開
大喜のデート時間を奪う松岡はまさに天敵。言葉を軽妙に繰り出す彼に大喜は言葉を差し込めない
なのにアップルパイが来ると夢中になって食べてしまうのは可愛いね。でも、大喜にパイを食べて欲しいと考えていた千夏にとっては嬉しい光景、報われる時間
だとしても松岡の指摘は鋭いもの。部活も恋愛も軽妙にこなせない大喜は時間をどう使うかは重大な問題。突かれてしまえば、千夏の部活時間を自分の恋愛時間で邪魔する判断なんて出来ない。送り出すしか無い
それでも大喜がスムーズに過ごせなかった僅かな時間が千夏が追いつく猶予となるなんてね。あれはぶわっと喜びが湧き出すような瞬間でしたよ
本来のデートは出来なかった。でも、そうして時間を別に使ったからこそ、別のデート時間も生まれ出て
また、こうした回り道のような時間の使い方が千夏に大喜を認識させるものとなっていたのも事実で。朝練以外では話せず時間を無為に過ごしていたかに思われた初期の大喜だけど、そうした真面目な時間が有ったから千夏は大喜を真っ直ぐな人と感じられた、好印象に繋がった
時間の使い方は様々にあり、予想もつかない未来に繋がる事もある
だとしたら、バスケをしていたのにあっさり辞めてしまい、急に現れて千夏を煽る夢佳とは部活動に向ける時間を諦めた人間だったり…するのだろうか?
アニメ・マンガの世界において学校の生徒会は妙に権力を持っていたり、権勢を振りかざしたりするもの。本作の生徒会はそのような傾向は現状見られず、真っ当な生徒会活動をしているようだけど、その分だけ役員達の真っ当でない面がクローズアップされるギャップ構造となっているね
特にこうしたお色気コメディ色の強い作品なら、集団に加入する主人公を真っ当なタイプとしそうなものなのに、水之江とてあんまり真っ当でないというのは面白い
それでいてほかの役員は彼を圧倒する程の変人なのだから、結局は役員達の作り出すお色気コメディ空間に巻き込まれていくと
いや、よくよく見ると色気について自覚的なのは尾鳥だけで、他はその人なりに普通にしているだけなのだけど。てか尾鳥だって♂だし。何であれで♂なんだ
その意味では古都吹なんてとてもニュートラルなのだけど、根がムッツリさんだから結局彼女もお色気空間を作り出す側に回るというね
そうなってくると、最早古都吹が最もお色気空間の権化であると判ってくる。集会でビデオを誤って流すとかもうそういうプレイなんよ…
あと、気になるのは冒頭で事故に遭ってた娘も役員なのかな?割とガチな事故に遭ってたけど、あれ遅刻どころじゃ済まなくない?
子の一族は滅び、楼蘭は遠くへ去った。騒動の種は取り除かれたと思えた矢先に降り掛かる新たな乱れは蝗害ですか。しかも、これが子の一族との関わりがあるかのような形で起きつつあるのが不気味
蝗害なんて本来は天災に過ぎない。しかし、タイミングに拠っては失政への天罰だなんて囃し立てられてしまう。東宮が生まれ勢力が固定化されそうな状況だと悪足掻きをする者も生じそう
人間にはどうしようもない害が後宮内の権力争いへと繋がり、それが猫猫が再び後宮と関わる契機となりそうでワクワクさせられますよ!
後宮から離れ花街に戻った猫猫にとって蝗害が起こりそうな農村も権力争い激しい宮廷も遠い場所の話、積極的に関わりたいと思わない
しかし、手の届く範囲に謎がやって来てしまえば彼女は考えずに居られない。そして答えを誰も察していないなら独り言を届けずにも居られない
というより、猫猫が途中まで魅せられ関わった不老不死の手掛かりとなりそうなら余計に関わらずに居られないのだろうね
人に対して距離を取りつつも、自らの関心事や他人への面倒見の良さが発露されて騒動へ自ら突っ込んでいくのは彼女らしい物語の始まりに思えましたよ
遂に時行達が立ち上がる!…のだけど最終回。つまり先の話はまだ描かれないわけで
それでも尻切れトンボと思えないのは今話が時行達が鎌倉を取り戻したい理由の総括を同時に行っているからかな
頼継や市川が疑問に思うように、戦をしてまで滅んだ北条に忠節を果たすべく鎌倉を取り戻す価値なんて薄く思える。しかし、北条政権だからこそ繁栄できた者もいれば、足利や後醍醐に恨み持つ者もいる。また北条家に仕えるしかない者も
”鎌倉”とは単に場所を示す言葉ではなく、時代の象徴であり概念だと伝わってくる。だからこそ、貞宗が理解を示す「いざ鎌倉へ」という言葉の重みも伝わってくるわけだ
但し、重いからこそ軽く扱えないわけで
鎌倉党の者達にとって鎌倉奪還は悲願。大将が鎧も着れない子供ではやる気は下がってしまう。ここで逃げを信条とする時行自身のやる気も下がるのは面白い(笑)
軽々しく扱えない重さなら一人じゃなく皆で支えれば良い。鎧を着れない時行のフォローをする亜也子と狐次郎、鎧軽量化を図った雫などなど
一人が背負う重さが減れば軽やかになる、時行も万全の逃げ上手を発揮できる
そして、覇気溢れる時行の姿に頼重達も奮起させられるというのは良いね。益々時行に鎌倉奪還を可能とする将の器を見てしまうよ
他方で将ではない時行を支えようとするのが頼重か
鎌倉を逃れて以来、安住の空間と時間を大幅に減らした時行は同年代より平穏から程遠い。かといって戦から離れさす訳にもいかず…。戦に送り出しつつ父代わりの如く時行の未来を保証する頼重の姿には、時行が失いこれからも手に入らないだろう繋がりが見えた気がしたよ
そうしてド派手に始まった鎌倉奪還の大戦!御柱を火牛代わりに用いるとは予想外。しかし、そこには鎌倉を取り戻す意気を代弁するような火力がある
楽しかった隠遁の日々は終わり、逃げ戦う別の楽しさへ。時行率いる逃若党は果たして鎌倉を取り戻せるのか、それこそ楽しみですよ!
前回までシーナとミミの話をメインにしていたものだから、最終回をアリの話にするとは思わなかった…
ただ、セイランの死を描いたなら、彼女と懇意にしていたアリの悲しみをきちんと描くのは当然の責務かもしれず
アリは遺品が帰って来た時こそ、きちんと悲しみを表出できた。でも、前回のミミとの会話ではセイランの喪失をとても物分かりよく受け止めているように見えた。でも、それは見えているだけだったと、悲しみを消化しきれているわけではないと描かれたのが今回で
アリの対話相手にエスタが選ばれたのはシーナ達が知らない感情を知るからか
アリは既にセイランの死を受け止めているし、正しく彼女の死を認識もしている
そんなアリが慣れないのはセイランの不在か。何を見ても、何をしてもセイランが浮かぶ。でも実際には居ない。実在を求めて不在に嘆く
エスタは飄々とした間の抜けた言動でアリに失言を放ってしまう。忘れてしまいそうになるけど、彼女もパートナーを戦争で失った少女。アリに「わかるよ」と何気ない風に言える彼女はパートナーの不在を受け止められていると判る
なら、エスタとの対話は実在と不在の乖離を埋めるヒントを得られるものとなるわけか
かといって、エスタは単純に不在の乗り越え方を教えてくれるわけではないね。彼女とて不在の受け止めが難しかったと察せられる
エスタに出来るのアリの話を聞き、自分の体験を話す事。そして戦争を知る者として戦場への道を示す事
セイランを見送るしかできなかったアリは、セイラン程には他人を思い遣れていないアリは
今の自分はセイランと同じ場所にいないと実感し、そして格好良い姿を見せたいとセイランの実在に誓い…
セイランが居た頃には好きだった雨の匂いを嫌いと言えたアリ、少しだけセイランの居ない日々での自分を見つけられたのかな…
ルディが想定以上にメンタルダメージを喰らっていた印象。老ルディの経緯は現ルディが辿った人生ではない。しかしルディが一歩でも踏み外すだけで辿った人生ではある
この怯えは共有が難しいもの。ヒトガミや老ルディの存在を知らなければ、ルディが何に怯えているかは知れない。他方でルディと家庭を共にする彼女らは、ルディには精神的に弱い部分があり、それでも家族を大切にしようとしている事は知っている
だから彼が最も守りたいだろう自分達を頼ってくれる瞬間を待っているのだとも感じられたな
驚きの成長と思えたのはルディが未来への懸念を少し誤魔化した上で正直にシルフィとロキシーに話した点か
ルディには話せない過去が多いからこそ、近しい者相手でも秘密主義的になってしまう面がある。それだけにルディが明かせる部分だけでも話し、そしてシルフィ達は明かされた部分だけを受け容れて相談に乗ってくれたのは良かったな
ルディの判断を尊重しているから、エリスという新たな妻が増える可能性も自分の感情で拒絶しない。むしろルディの為にシルフィは反対するし、ロキシーはルディを大切にしたいシルフィが折り合える判断をする。3人がとても良い関係を築けているように思えたよ
卑近の関係を安定化させてもヒトガミという存在は超越的で
ルディとヒトガミの間で信頼関係は崩れた。それでも従前通り協調関係にあるかのよう互いに偽装する。こちらの関係は気味悪さがあるね。だから提示される信頼条件もおぞましいものになる
他方でこれが途切れていた関係を繋ぎ戻すものとなるのは面白い
エリスはニナ達に突っ込まれる程にルディとの関係は希薄ですれ違いも発生していた。おまけにルディは妻も娶っていた。エリスにしたら大誤算。でも、オルステッドを倒すというエリスが掲げていた目標は共通する。彼女の修行は正しかったと判る
エリスとの再会、オルステッドとの恨みなき戦いはルディに何を齎すのだろうね?第2クールが待ち遠しいものですよ
時行の京での経験が早くも形を結び始める様子が描かれたね
京へ送った頼重をしても想定以上な時行の経験はそのまま時行の成長度合いを示すものに
鎌倉の攻め方、通常なら成功率の高そうな道を選ぶもの。けど、ここで時行は鎌倉を滅ぼした敵方の逸話を参考とするね。敵がそのような手法で勝ったなら己とて。また鎌倉攻略を一時の戦いとせず、天下へ号する一歩目と考えている様子も伺える
ならばこそ、託す頼重も簡単な道だけを時行に任せず、簡単には行かないが長期的な成功を目指す上で求められる功績を得られる瘴奸の討伐を任せる事にしたのか
ただ、この方針って言ってみれば、リスクを増やしてハイリターンを望むようなもので
正体を明かせば大きな忠心を得られそうな鎌倉党に対して、安易な正体明かしはご法度となり、瘴奸討伐後という現時点では成功するか判らない功績後に託す事になる
兵力不足という戦を起こす上では軽視できない要素が目の前に在っても、戦闘回避は選べず、策により兵力を補う方針が採られる
但し、繰り返しになるが、このハイリスクを乗り越えられれば時行は大きな力を得られるわけだ。そしてリスクを越えるには京で得た経験、遡って自らの人生経験が役に立つと。……その思い出が変態ばっかりなのは可哀想だけど(笑)
再登場した最悪な敵・瘴奸、どうにも極悪人のイメージが強かったけど、貞宗に召し抱えられる前後で心構えが変わったんだっけ。上司に与えられる褒美に多くを望まず、幼女と和やかに話す様子は過去の彼と繋がらぬもの
だからといって彼の経験が無かった事にはならず…。地獄に在る仏・時行に救いを見て、貞宗によって生き方を変えたから、彼は過去の行いに吐き気を覚えずにいられないのか……。あのシーンはマジでビビったよ……
地獄から救済されたのに過去の経験は消されず。仏に救われたから、救った仏を殺さねばならぬ。そうしなければ過去からの脱却は望めない
時行と瘴奸の激突は2度目の対決という意味に留まらぬ、過去を超越する者となりそうな予感がするよ…
ミミは戦場で必要とされなぜ早くから本気を出さないのかという不満が出る程の強者、シーナは必要とされる力を持たず誰にも望まれない程の弱者。居る場所が全く異なる二人が互いを必要とするようになったのは近付いたから。シーナは包容力によって、ミミは無邪気さによって
より近付く為に、シーナが戦争に携われる自分に成ろうとしたり、ミミが戦場での傷を隠す知恵を発揮すれば、諍いや衝突が生じてしまうのは当然で
そこでかつて様々な衝突をしたアリとセイランの逸話がミミに授けられたのは印象的だったかも
ルームメイトのいない部屋に佇むアリの姿は独りに見える、セイランの物も片付けようとする。けど、アリは過ごした思い出をこそセイランの実在の証拠、今もセイランを大切にする根拠としているね
ミミの立場はアリと異なるが、今を生きているシーナを大切にする事はできる
同様にシーナもミミを大切に出来る筈。自分を大事にしないやり方で戦場を駆けるミミをシーナは許容できない。けど、他の教師や先生は戦場でそうしたミミをこそ必要とする。不死身であっても怪我をするし血も流すと知るシーナだから最もミミを大切に出来る
……だとしても戦場へ立ち入ってしまうなんて想像もしなかったけど
限定的とはいえ、戦場へ立ち入ったシーナはミミの世界を垣間見た形
一旦は同じ景色を見た二人は落ち着いて話が出来る。但し、シーナが目指したいのはミミのように戦う事でも、ミミが目指したいのは孤独になりたいわけでもない
近付きすぎた二人は対話を行い、互いに何を相手にしてあげたいか、何をして貰いたいかを話し合う事によって、ようやく喧嘩は終わったようで
その後の何もしない筈がイチゴジャム作りに精を出しちゃった穏やかな様子は微笑ましいね。叶うならそうした穏やかさがいつまでも続いて欲しいものだけど、それが出来ない点こそが二人の関係に纏わりつく問題なんだよね…