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良い

本作では幾つものカップルの形が描かれてきたが、今回登場したシャノンとシャナハンの組み合わせは一際変わっている
取り替えられた事により人間界で育った妖精のシャノンと妖精の国で育った人間のシャナハン。でも見た目や性格はシャノンの方が人間らしくシャナハンの方が妖精らしい。性質も育ちも真逆な二人が夫婦になるまでどの様な物語が有ったのだろうと想像してしまうが、彼女らの話から判るのはシャノン達は人間世界で周囲に馴染みながら生きていくことが出来ないために妖精の国で生きることを選んだカップルだということ

治療の為に妖精の国を訪れたチセ。その様子から判るようにチセが安全に生きていくには人間界よりも妖精の国の方が都合が良いように思える。けれどその先に待つのはシャナハンのような姿かもしれない為、軽々しく選べる選択ではない。
妖精の国でチセと暮らさないかと女王から誘いをかけられたエリアスが選んだのはチセに人間のまま生きて欲しいということ。前回チセに傍に居て欲しいと望んだ事も併せて考えると、エリアスはチセとともに人間世界で生きていくと決めた事が判る

一方のチセは遂に母親の呪縛から逃れたと見て良いのだろうか?
母親に掛けられた呪縛のために心の何処かで死に焦がれていたチセ。シャノンに首を絞められた際も母親と重ね、それを受け入れようとしていた。けれどエリアスの言葉を思い出し抵抗できたのは、自分を必要だと言い前を向くよう促してくれたエリアスと生きたいと思ったから。エリアスとは別の場所でチセもエリアスと生きていくと決めたことが判る

スプリガンなどの妖精から排他されるエリアスと人間世界に居場所を見つけられなかったチセ。その二人がどのように人間の世界で居場所を見つけていくのかとても楽しみ

後半のシルキーの話は言葉少ない描写だったけれど、シルキーがあの家の灯りを守ることをどのように考えているか、エリアスとチセをどう思っているかがじんわり伝わってくるような内容になっていてとても良かった



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