本作ではあまりにヤバイ人物が多過ぎる為に、しょうこは貴重なマトモな人物として扱われている。さとうが引き起こす事態に関わらず、裏側で起きている異変を知らずに不健全な程度で生き続けている事は割と視聴者にとって癒やし要素となっていた気がする
そんな彼女が太陽からさとうの疑惑を聞かされ、あさひと出会ったことでさとうの事情に踏み込む決心を固めてしまう
思わず「そんな勇気なら要らなかったのに」と言いたくなるような状況
ただ、しょうこがさとうを心配してしまうのもさとうが何をやっているか全く知らないから仕方ないとも言える。何か危うい事情を隠していることは察せられても、流石に幼女を誘拐したなんて話は信じられるものではないし
これまでは「たった一人の相手」が見つかっていない同士として大好きな友達と考えていた。だからさとうが隠し事をしている、太陽から疑われていると知ってしまえば、心配のあまり踏み込まなきゃと考えるてしまう。ぼろぼろになっても家族を探すあさひの姿を見て背中を押されてしまう
さとうのことを心配し言葉を振り絞ってさとうの事情に踏み込もうとするしょうこの姿は普通の作品であれば、感動してしまいそうになる情景なんだけど、さとうが隠している事情を知っているこちらとしては「もうその辺でやめておけ」と忠告したくなるシーンだった……
そしてあさひについては事情が全て明かされていないから、詳細は判らないけれど、守らなくてはと考えていた母としおを遠くにやってしまったばかりに逆に失ってしまったのだろうと推察できる
一人だけ父親のもとに残ったことを行動しなかったと表現するのは酷だけど、父親を無力化するなどしてもっと早くに迎えに行っていればとの後悔をあさひは恐らく持っているのだろうな。大人の力を借りずにたった一人でしおを探し続けている彼の姿はあまりに孤独
あさひの影響を受けてさとうの事情に踏み込んだしょうこ。彼女はさとうを助けられるのか、それとも勇気を持って行動したのに後悔する羽目になるのか。あまりに恐ろしい分岐点