しょうこは今回の行いを中途半端な勇気だったと評したけど、事前情報皆無のままあの家を見せられてすぐ受け入れられる人なんて居ないと思うよ
又、どうにかあの叔母のあ利用を受け入れられたとしても、その先に待っているのはさとうが誰かの家を強奪しそこに尋ね人のしおと同居しているという狂気。さとうが隠しているものを受け入れようとした時点でどのような成り行きになろうが破滅しか存在しない
今回明かされたのはさとうの生い立ちに深く関わる叔母の在り方。狂人が跋扈する本作だけど、叔母はそれらの中でもトップクラスの狂気を抱えている。というか常に瞳孔開いてるのに笑顔を保つ表情が怖すぎるよ!
少しの言葉で欲望を引き出し、相手が秘める暴力性を全て受け容れどんな欲望だって飲み込もうとする姿はこれまでに登場した狂人とは方向性が全く異なる。北梅川などを筆頭にこれまで登場した人物たちは相手を支配したい、支配されたいという欲望が前面に出ていた。しかし、さとうの叔母は相手の欲望を引き出し受け容れることを望みそれを愛だという。
叔母が掲げる愛し方を見ると、さとうの愛の有り様にもこれまでより踏み込んだ部分が見えてくる。最初、男を取っ替え引っ替えして遊んでいたのは叔母と同じ愛し方。相手の愛を受け容れることで、その中に自分の愛を見つけようとした。
それがしおと出会ったことで相手に尽くし安寧を互いに与え合う愛の形に変化したのだろうと推測できる
だから、さとうがここでしょうこに見せたものは只の入り口だったのだろうね。まず叔母の在り方を理解しないとその先にあるさとうの在り方が理解できない。けれど、しょうこは叔母を変だと言い、友達で居てくれるかと問うてきたさとうから目を逸らしてしまった
だからさとうはしょうこを建前でも友達と思えなくなり、友達の意味を知らないしおと二人だけの城へ。結局の所、本当の愛を手に入れたさとうにとって友情はそれ程必要なものではないと明確になった
そして芸の域に達しつつ有る北埋川の執着。廊下の影でさとうの表情実況をする様子はかなり面白かったが、さとうに釘を差されてしまったことで今後は大人しくなってしまうのかな?それはそれで物足りなく感じてしまいそうだ