期せずして侑の家を訪問してしまった橙子。数日後に早速現れ土産を渡す姿は非常に甲斐甲斐しく感じると共に、ドアの外でまごついていた姿には不器用さを感じてしまう
どちらも完璧な人間と讃えられてきた橙子の印象と比べると意外と感じられるもの
第一話では告白の場面での遣り取りや恋愛相談から橙子への憧れを強くする様子、第二話では侑を好きになってしまった橙子に戸惑い失望する侑の様子が描かれた
それらは橙子と実際に接したことで得られた印象だったわけだけど、今回は周囲の人々を通して橙子への印象が改められる。
まるで練習していたみたいに振られたと報告する朱里の姿からは告白する大変さや見えない部分の橙子の想いを、沙弥香の言葉から橙子へ日々降り掛かるプレッシャーを、そして橙子を当選させるために書かれた演説台本からは他人から見える橙子の姿と実際の橙子の姿の乖離を知る
そして、橙子が侑に惹かれた理由がようやく明かされた。
橙子が平凡じゃ居られなくなった理由は判らないけれど、それによって特別な自分で居るしか無くなった。それが逆に自分を特別視しない『特別』な人間が欲しくなる切っ掛けとなった
そうか、侑が誰にもドキドキしない橙子に憧れたように、誰も特別に思えないと返した侑に橙子は特別性を感じていたのか
その時、誰も特別に思えないと語った理由に特別なものなんて何も無かっただろうけど、周囲を通して橙子の様々な姿を知り、自分にだけ見える本当の橙子を知った今なら、七海橙子という人間は特別ではない普通の少女であると侑からは見えるようになったのだろうね
まだ侑の中で橙子への感情は恋愛感情までは昇華されていないようだけど、それでも近くで助けたいと思えるようになった
橙子から送られたミニプラネタリウムによって星に手が届きそうになったように、侑が誰かを特別に思える瞬間も近づいているのだろうか?