目立ってはいけないと勝に忠告したしろがねが高校で目立っているってどういうギャグなのさ
鳴海が居なくなり勝はもっとその喪失を引きずっているのかと思っていたが、意外としっかりした表情。けれど、その笑顔を浮かべ続ける態度こそ鳴海の不在を表すものだったとは……
再び登校するようになった勝を待っていたのは子供らしさを感じさせる虐め。虐められた時、勝が笑っていたのは虐めよりも壮絶な経験をしたからだと思っていた。実際はそれも有ったのだろうけど、鳴海から「笑っていろよ」と言われた理由の方が大きかったのか。だから勝は鳴海を失って辛いのに笑っている、虐められても笑っている。
鳴海が居なくなっても自分は元気なんだ、強くなったんだと語る勝の態度は他の何よりも鳴海の喪失を物語っている
そして一見ギャグキャラみたいな立ち位置になりかけているしろがねも同じように鳴海の喪失を抱えている
勝に対して過保護になるのはきっと鳴海を守れなかった反動であり、鳴海のために笑えなかった悔いが今もしろがねから笑顔を奪っている
そして本作としては初めての日常回なんだけど、勝もしろがねもその日常に馴染めていないのは印象的だった
勝の身体に刻まれた壮絶な傷跡は小学生らしさが欠落しており、あの姿は周囲を絶句させるに充分なもの
しろがねも美しい見た目とその高すぎる能力によって他の高校生から隔絶された存在になっている
命を削るような経験の中で生きる意志を取り戻した二人だったけど、その経験や生まれ持った素質故に普通の学校生活に馴染めなくなってしまったのは皮肉な展開
そして勝がしろがねにも楽しいことをして欲しいと誘ったのは、これまた街に馴染めず今にも消えてしまいそうな仲町サーカスなる場所
普通の在り方に馴染めなくなった二人にとって仲町サーカスがどのような意味を持ってくるのか気になるけど、それ以上にラストのあの姿が衝撃的すぎるんですけど……