漫画家あるある、ギャグからのしんみり、そして未来の姫の様子など心に強く響くような描写の多い本作だけど、今回はそれらを消し飛ばすほどに十丸院がやべーよ……
何であの人社会人やれてるのさ……?
誰かがやらなきゃいけない当番だけど、やりたい人が居ないから当番は順番に
そんなすったもんだを新人賞審査員を絡めて面白おかしく描いたAパート
嫌だけどやらなきゃという話から可久士自身が当番制だったというオチ
かと思えば、可久士は今姫を育てる当番中というしっとりした締めは流石
Bパートでは嬉しい感情と他の感情が入れ代わり立ち代わり
缶詰は作家としてテンション上がるけど、姫を寂しがらせると心配
姫はナディアが帰って寂しいと思ったら、次から次にお客が来て逆に賑やかに
おもちゃの缶詰が当たったのは嬉しいけど、それによってチョコのお菓子が好きと思われたらちょっと迷惑
そんな感情の入れ替わりが激しい話の締めとして銀メダルでも涙が出るという話を持ってくる構成は上手いね
金でも銀でも貰えば嬉しい。でも、姫に好きな人ができたら自分は銀メダルになってしまってそれは流石に寂しい
可久士の親としての感情の乱高下も面白おかしく、それでいてしっとりと描かれているね
そしてAパート、Bパートどちらの締めでも話題となったのは未来の姫について
親なら想像したくなる子供の未来の姿。けれど、当の姫は未来で悲しい目をして、可久士が遺した箱に縋り付く
あまりに変わってしまった姫の姿に現代から未来の間までに起こったことを想像してしまうけど……