家の事を考え見合いを始めたニコル。それが他者の為であるならそこに自分の意志はない
かといって、自分の意志を通そうとすれば反道徳的行為に手を染めねばならない。悩むニコルにとって自分の道を切り開こうとするフレイとの会話は良い刺激になったようで
父親もラファエルも序盤からニコルに対して本心を尊重するよう助言している
それでもニコルが見合いを進めるのは積極的に結婚したいのではなく、カタリナを諦める為の消極的な選択肢
だから見合い相手と話したい事すら思い浮かばない
フレイは進みたい道が明確に存在するから結婚を望まない。けれど、困難な道だから親に反対され、その圧力を覆せない
だからこそ、奔放なようで居て自分の力で道を切り開こうとしているカタリナに注目しているわけだね
カタリナは他者に道を選び取る力を与えている
象徴的なのがジンジャーだね
ツンケンした態度で周囲との軋轢が生じかけていたジンジャーに好印象を持っていた。ジンジャーの良い部分を理解していた
それはジンジャーの歩む道すら肯定するかのような言葉
互いを理解し合うフレイとニコルは良い見合いをしたように思える。花畑を互いの悩みを打ち明けながら並び歩く様子はお似合い
けれど、自分の心に正直になった二人は光の線によって立ち位置が区切られていたように、進みたい道は既に分かれている
だから結ばれることはないのだろうね
ソフィアから明かされる裏話はニコルが避けようと思っていた反道徳的行為を肯定する。自分に正直になり、家族も反対しないなら諦める理由なんて無い
まだお勧め小説を共有した程度の進展でも、諦めず自分の道を進むニコルの意志はとても尊いと言えるのだろうね