相手の知らない部分を知りたい。想像で終われれば穏やかに済むけど、勝手なイメージから裏切られたと思えば理不尽な怒りに変わる
「氷の君」と評されるエランは命令に従いガンダムを探った。けどあのような失望を覚えたのは彼が氷以上の熱をスレッタに持っていたからなのかな
本作は親や生育環境に抑圧された子供が多数登場するけど、エランは少々別種か
ベルメリア等の制御下に居るけど、彼女らに反発する様子は薄い。代わりに求めるのは同種の存在?だから裏切られたと判った瞬間にスレッタへ向けていた熱を伴う興味が冷たい嫌悪へ反転してしまうわけだ
グエルはスレッタを守るため決闘に応えたけど、エランが決闘を求めたのはベルメリアの命令から
決闘は自分の望みを叶える場所。けどエランは他人の望みの為に決闘した。それは本質的には彼に主体が存在しない証なのかな
でもあの流れで申し込んだ以上、エランの意思が存在している証と考えられるかもしれない
自分に意思があれば他人の意思を利用できる。あの決闘はエランがグエルの意思を利用した形
怒りのあまり己を取り巻く状況を理解せず猛進した。その熱は彼自身を哀れな人形へ
エランが次に意思を向ける相手はスレッタ。家族を失うかもしれない危機に彼へ向けていた熱をスレッタはどう変えるのだろうか?
スレッタの為に戦ったグエルはとても格好いいのだけど相手が悪かったし、まだスレッタから信頼されていないのはちょい哀しい…