複製体を掻い潜り迷宮の最深部を目指すだけの試験がフリーレンの存在によって、果たして人間に永劫の時を生きるエルフを打ち破れるかという試練に様変わりするのは面白い
そこではどう協力するかも迷宮を楽しむかも過度なプラスにならない。人間が持つ強さの可能性が試されるわけだ
フリーレンはあまりに強い存在だから、心の情報や迷宮の真相が判っても複製体打倒の助けにならない。フェルンが見つけた弱点すら致命的な隙であっても、それで一気呵成に戦いを終わらせてくれるものでもない
結局は魔法使いとしてフリーレンより優れているかが問題になってくる。だから偽フリーレンに最も近い実力を持つフリーレンとフェルンだけが挑むしかなくなる
フリーレンと複製体が行うは超越者の戦い。常人は立ち入れない、至高のエルフだけが辿り着ける領域
だというのにゼーリエの回想は別の可能性を見せてくれるね
かつて存在したフランメという人間の超越者はゼーリエの認識を超えて、多くを成し遂げた。彼女単体は特異点だったとしても、人間がエルフを追い越す可能性を示してくれる。特にあの頃から千年も経ったとなれば
フェルンは幾つも優れた点があるけど、フランメ程の特異点というわけではない。でも至高の領域に居るフリーレンの隙を突く攻撃を知っている
その些細な一点がこの戦いにおいて超越者たるフリーレンを倒す道に繋がっている
魔法使いの強さを測るこの選抜試験、エルフであるフリーレンが無双するかと思いきや、最終的に人間の強さをこそ証明するものに回帰したように感じられるよ