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とても良い

親を親と思えない内にパウロとゼニスを喪った。そして喪ってから二人は自分の親だったと判るなんてね…
やつれたルディの姿から二人の喪失に多大なショックを受けている事が伝わってくる。そして、その後悔が実父母に対する後悔すら思い出させている
こうした面を見ると本作はやり直しの物語なのだと再認識させるよ

やり直しを求めるルディに対して、寄り添うロキシーが示すのは愛情としか形容しようがないもの
パウロ一家を第二の家族と例える彼女だから、ルディと悲しみを分け合いたいと言う。でも、彼女に血縁など無いのだから家族の愛を示そうと思えばあのような行為になる
それは擬似的に家族へと近づく行為だったのかもしれない

家族を喪ったのに擬似家族的な繋がりを手にした。そこへ家族としての助言を授けるロキシーとリーリャが良いね。二人とも形は違えど家族の為に行動する事を願っている
でも、2つの腕の片方が欠けて不自由になったルディは喪失を埋めるものを求めてしまう。都合が良いようだけど、家族愛を示し自分も憎からず思うロキシーに心揺らさずに居られない

一方で辛いのはロキシーの立場
彼女は疑似家族としてルディを慰めたけれど、そこに有るのは普通の女の子のような恋心。なのに、ルディが既婚者であり弱みに付け込んだ形になっているから純愛と出来ない。ルディに応える余地があると思えない
哀しみに染まる姿は罪の象徴のよう。だからこそ、罪を愛へと変えられるエリナリーゼがズバッと言ってくれたのは良かったな

シルフィの祖母であるエリナリーゼはルディの家族と言える。ルディに新たな家族を得ろと促せる。パウロを知るエリナリーゼの言葉は父の代理、ルディにパウロとの繋がりを思い出させるもの
ルディの告白はかなり不格好、そもそもシルフィの了承も取ってないし
でも、そんなクズさが今更になってパウロとの繋がりを実感させた。それはルディにとって家族をやり直す一歩となったように思えるよ



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