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とても良い

まこと祖父のお洒落具合には驚かされたよ。あの小さな家に展開されていたのは彼が作った夢の国だね
でも、それは家族からの理解を諦めた空間。その極地たる光景は揺らぐ性別に生きるまことの目を輝かせるものとなるけど、一方でその姿はまことに自分はどう生きるべきかと考えさせるものにもなるね

若き美香が受けたショックは想像に余りある。きっと彼女にとって「可愛い」と「私」は結び付いていただけに、可愛いに踏み込んできた父親はおぞましい侵略者
なのに息子がかつての父と同じように異性装へと突き進む様はトラウマを刺激する
ただ、その瞬間に彼女は父も息子も理解の範囲から外してしまった。その人らしい生き方の先に幸福が有るかもと考えられなくなった

祖父の暮らしは可愛さに溢れている。でも大事なものを捨てたという彼の生活に寂しさがあるのは確か
不器用な言葉で娘の今を知ろうとして、まことが自分をどう思うか探って。そして別れの時には控えめにまことを留めようともした
その姿からは大事なものは捨てたと言いつつ、大事なものへの未練を感じさせてしまう

祖父の姿はまことにとって辿り着くかもしれない可能性の姿。自分の可愛いを極める在り方はまことを魅了するが、まことは1人の生活で可愛さを求めるのではなく、理解される中での可愛いを求めたわけか…
改めて勇気を持って母と向き合ったけど、このとき美香も勇気を持ってまことを理解しようと努めていたと判るね
父との最大の違いは彼女にとってまことは幸せを願う対象であった点かな

異性装を理解できない美香もまことが幸福に成るべきだとは理解している
だから異性装を身に纏う先に幸福が有るのかと疑っていたようだけど…
ここでまことが様々な衝突を経て手にした当たり前の学校生活が活きてくるなんてね
まことは皆と違う姿をしていても幸せになれるかも知れない。その可能性を示せただけでも本作には大きな意味が有ったと思えるよ

まことの件については一定の終着を見せたけど、流石に咲や竜二の件についてはアニメで描ききるのは難しかったか…と思わせての映画化決定には本当に驚かされたよ
幾つもの諦めが複雑に絡まったこの物語にどのようなハッピーエンドを示してくれるのか、今から本当に楽しみですよ



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