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良い

前回の古本屋とはまた違った形の探し物。探している時は見つからなくて、探してない時に見つかる
滅多に見られないからこその吉兆。けれど夏目がちょびに渡す櫛の素材に相応しいと思ったのは別の掛け替えのない理由からであり、それがちょびの受け取る理由になっていたのは良いね

最初に見かけた時は珍しさ、ニャンコ先生と見られれば良いな程度の好奇心
探す理由が変わるのはちょびの探し物を知ってから。夏目は龍を珍しいからではなく美しいから探し始める。それは代替が効く理由ではないね
ちょびが新たな櫛を探すのも同様。櫛なら何でも良いのではなく、美しさを見出せつつ長く愛せる物を探している。そのような代替品が見つからないから彼を悩ませる

夏目が友人の為に動き出すのはいつもの流れだけど、そんな彼に妖達が協力するのは彼の人徳の為せる業。また、この状況はちょびの人徳も示している
人徳は一朝一夕で手に入るものではないから、その人の持つ価値を代替するもの。だから夏目の前にばかり龍が現れるのは、彼が龍と出会うに相応しいから
ちょびは知らずして友人の探し物を応援していたわけだ

苦心の果てに手にした鱗、オチとしてはちょびの捨てた物だから彼が探していた愛せる物ではない筈。けれど、友人達が探し求めた鱗は美しさを超越した尊さを備えた
捨て物を大事にしたくなる精神、そこに籠められた友への想いに温かい気持ちになると同時に、友人達が捧げた櫛によって龍の美しさが顕現する良い回でしたよ



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