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とても良い

当初は力有る者から虐げられない為に力有る武士に成ろうとしていた真介が武の力ではなく相手を思い遣る力によって灼岩を助け出す構図が本当に美しくて感無量
彼の長く果てが見えなかった旅はこの時の為に有ったのだと迷いなく確信できる回でしたよ……

幽界にて虐げられる芍薬、断怪衆の坊主に縛られる火岩
両者から同様に感じ取れる生きる苦しみ、身を苛む鎖。本来は一度乗り越えた筈の罪に再び苛まれたのは一心同体である筈の2人が分け隔てられたから
一人だけじゃ一人前と言えなくなった二人は灼岩として二魂一身となる事で初めて苦を乗り越えられる

でもやはり自分だけじゃ灼岩には戻れない。その為に必要だったのは真介のような居場所となってくれる優しい人だったのかもしれない
灼岩が守った双子が母親と一緒に明るく育っている様に、抱き留めてくれる者が居れば苦しみが続く世の中でも灼岩は幸福を掴める
芍薬には火岩が、火岩には芍薬が必要で。灼岩には真介が、真介には灼岩が必要だったのだろうとそう感じられたよ

灼岩の話から温度差が有り過ぎる千夜のパートを挟んで始まるのは活躍の機会が奪われていた者達の反撃
月湖もムドも蚊帳の外に置かれていたのが間違いかのような素晴らしい戦いぶり。でも蚊帳の外にいたのはもう一人いて
彼こそが無の民の切り札、強者の出現により一変する戦場がどのように描写されるか楽しみで仕方ないよ



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